決定です。
6月28日から、約2ヶ月後、早々に決まりました。事故後1年以内の開始であり、異例の早さだと思います。
昨日の警察庁記者会見で以下の質疑がありました。
問 大臣にお願いいたします。先ほど言及のありました道交法施行規則の改正案についてです。パブリックコメントにかけられるということですが、安全運転管理者の業務として、アルコール検知器を用いた運転前後のチェック、その記録の保存を義務付ける内容とお伺いしております。今回の改正案の意義・狙いについて、お願いいたします。
と記者から質問があり、
答 (大臣)本年6月に千葉県八街市で小学生5名が死傷した事故がございました。改めて、お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈り申し上げると同時に、御遺族にお悔み申し上げます。また、お怪我をされた子供達の一日も早い御回復をお祈り申し上げると同時に、お見舞い申し上げます。
この事故は、御承知のように、業務中の飲酒運転によるものであったことから、8月の交通安全対策に関する関係閣僚会議で決定した緊急対策において、使用者対策を強化するとされたところでございます。
御指摘のように、今回の改正案は、これを踏まえ、運転者の運転前後、前だけではなく前後に、アルコール検知器を用いて酒気帯びの有無を確認し、記録することを安全運転管理者が実施しなければならないこととするものでございます。
こういった安全運転管理者の業務の拡充によって、飲酒運転防止について使用者に一層の取組を求めるほか、飲酒運転等を検挙した場合には、その背後責任についても徹底して捜査を行うなどの対策を着実に推進し、飲酒運転の根絶に向けた取組を一層強化してまいりたいと思っております。
そして、この会見で、パブリックコメントを開始を告知したようです。
あ、出てました。今日から。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=120210019&Mode=0
白ナンバー アルコール検知器義務化
パブリックコメント 9月3日~10月3日
改正ポイント1 アルコールチェック義務は、運転前と、運転後。
まず、現行(改正前)の、今日時点の、道路交通法施行規則9条10の1 「安全運転管理者の業務」の、5項をご覧ください。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335M50000002060_20210611_430M60000002030
五 運転しようとする運転者に対して点呼を行う等により、道路運送車両法第四十七条の二第二項の規定により当該運転者が行わなければならないこととされている自動車の点検の実施及び飲酒、過労、病気その他の理由により正常な運転をすることができないおそれの有無を確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与えること。
となっており、そもそも緑ナンバーのような「対面」という概念(用語)は、道路交通法上は無かったのですが・・・。
今回改正で 6項が新設・追加されます。
六 酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器(呼気に含まれるアルコールを検知する機器であつて、国家公安委員会が定めるものをいう。次号において同じ。)を用いて確認を行うこと。
おっと。 いきなり「目視条項」が。白ナンバー、実質、対面点呼義務化に????
安全運転管理者は、業務用車両で営業や納品に出かけた社員を待って、目視で確認するほか、アルコール検知器を用いて酒気帯び確認をしなければならない・・。
なんと、緑ナンバー業界が、十年以上かけてやってきて、かつ、プラン2025の主要テーマとなっている「非接触・非対面の点呼」や、ロボット・自動点呼の方向性とは真逆の、「古い」制度をぶっこんできました。
改正ポイントその2 記録は1年間義務、有効性保持義務
運行管理者の業務条項、7項が新設されます。
前号の規定による確認の内容を記録し、及びその記録を一年間保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること。
なるほど、安全運転管理者制度には、点呼記録の1年保存制度がないので、この部分のみ、個別管理簿として義務化したわけだ。
ちなみにこれは、「緑ナンバー」の点呼記録保存制度が、「酒気帯び有無の実施の有無」を記録させることになっていることと同一の規制であり、実質、白も緑も、同じ飲酒記録ルールになった、と言えます。
改正ポイントその3 アルコールチェック記録のPC保存、クラウド保存はOKなのか?
現行(改正前)の、今日時点の、道路交通法施行規則9条の2 「安全運転管理者の業務」の、2項をご覧ください
(電磁的方法による記録)第九条の十の二 前条第六号に規定する事項が、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。)により記録され、必要に応じ電子計算機その他の機器を用いて直ちに表示されることができるときは、当該記録をもつて同号に規定する当該事項が記載された日誌に代えることができる。2 前項の規定による記録をする場合には、国家公安委員会が定める基準を確保するよう努めなければならない。
ここが、今回改正で、
(電磁的方法による記録)第九条の十の二 前条第八号に規定する事項が、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。)により記録され、必要に応じ電子計算機その他の機器を用いて直ちに表示されることができるときは、当該記録をもつて同号に規定する当該事項が記載された日誌に代えることができる。2 前項の規定による記録をする場合には、国家公安委員会が定める基準を確保するよう努めなければならない。
となるようです。第八項というのは、運転日誌条項のことです。
運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転した距離その他自動車の運転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させること。
安全運転管理者や運転者が日誌を手書きでつけるのはタイヘンなので、昨今のICTやテレマティクスサービスにより、いわゆるクラウド運行サービスで良い、という部分。
今回のアルコール検知器の義務化ですが、「デジタル庁」ができる時代なのに、なんと残念な、あいまいな記録保存でしょうか!?
国家公安委員長、警察庁長官、デジタル大臣! これは、何かの間違いではないですか?
本来であれば、電子保存の義務化にすら進んでい良いところを、電子でも良い、とすらせず、手書きで良い、と。この制度を、「使用者」がどう捉えるか・・。「よし、電子OKと宣言されたのだから、この際、クラウド化するか」という契機にはならなさそう。先を見越す企業オーナーは、もともと社内デジタル化を進めているでしょうから、PCやクラウドタイプを好んで導入するでしょうが・・。デジタル格差が、ひろがるかもしれません。安全管理の分野で。
改正文 私見
「
(電磁的方法による記録)第九条の十の二 前条第七号及び八号に規定する事項が、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。)により記録され、必要に応じ電子計算機その他の機器を用いて直ちに表示されることができるときは、当該記録をもつて同号に規定する当該事項が記載された酒気帯び確認記録簿・日誌に代えることができる。2 前項の規定による記録をする場合には、国家公安委員会が定める基準を確保するよう努めなければならない。
」テレマティクス日誌(いわゆる運転記録)がOKならば、アルコールチェックの記録簿(日誌)も、加えるべきではなかろうか・・。パブリックコメントでも言いますが・・。
実質、アルコール検知器の電子記録(メモリ)、PC記録、クラウド保存は、記録簿・日誌として認められると思いますが、今回改正文では、あいまいなんですよね。
完全に、今後5年、10年、それ以上永続的に続く記録義務化法制ですので、デジタル化されていない個人向けの検知器をいまさら選ぶ企業はそんなに多くはないと思いますが・・。
そう、意図的でない限り。
企業オーナーにおかれては、今回の改正がなぜ行われたのか、もういちど考えた方がよいです。あいまいな機器やあいまいな運用がはびこる先に、どんな「社会リスク」(会社リスクではなく)が潜んでいるか。
改正ポイントその4 アルコール検知器の性能要件、記録型? 何でもいい?
新設。
新府令第9条の10第6号の規定に基づき、安全運転管理者が運転者の酒気帯びの有無の確認に用いるアルコール検知器として国家公安委員会が定めるものは、呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器とする。
とりあえず、市場では「個人向け」として販売されているものでも良いようです。
呼気式である、音、ランプ、数値等、いずれかを満たしていればよいということで、
「アルコール検知器を用いた結果、0.00mg/lでした」という、数値の記録の義務化ではないということがはっきりしました。
いつから? いつまでに準備?
2022年4月1日からです。パブコメ別紙2参照。。
みなさまも是非、パブリックコメントで、意見を提出しては如何でしょうか。
詳細で続報が入りましたらまたお知らせ致します。
白ナンバー飲酒検査、アルコール検知器の選び方棟、他の記事も合わせてご確認ください。
そうそう、事業用自動車は、どうするのでしょうかね。。
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