

折しも、

8月29日に JAL Report2025 というものを公表した矢先・・
三つめは、飲酒に関わる不適切事案への対応です。2024年度においてJALグループでは運航乗務員による飲酒に関わる不適切事案が発生し、国土交通省から行政指導を受けましたが、振り返るとここ数年で何回も飲酒問題が起きています。こうした問題の背景には往々にして「上司にものが言えない」「社員同士に距離感がある」といった組織風土の問題が存在します。こうした点も踏まえて、2025年2月に発足した検証委員会では、委員長として再発防止策の進捗や有効性のフォローアップ、さらには組織課題への対応に対し、確認をしつつ、しっかりと助言をしていきます。
断酒は、医学的診断結果を指すのか? 本人の「がんばります」を指すのか?
9月10日付けの航空局の注意文書には
当該機長に対して身体検査等の結果をふまえ、飲酒傾向の管理監督を一定程度行っていたものと認められる一方で、当該機長は貴社に対して断酒する旨の申告をしていたにもかかわらず乗務前日に過度な飲酒を行い、航空法第104条に基づき認可を受けた貴社運航規程に定める飲酒に係る規定に違反した事実等をふまえれば、個人的な悪質性があったと認められるとともに、貴社における飲酒に関する管理監督が十分であったとは言えない。
ここでいう
「当該機長は貴社に対して断酒する旨の申告をしていた」
疑問。
断酒という言葉をつかってますね。これは実に重要なキーワードですね。
これは、「アルコール依存症である」という診断を、医師・産業医が行った結果なのだろうか?
もしそうであるなら、就業上の措置の話になるのでは?
何のために、産業医がいるのだろうか? (産業医制度があるのだろうか)
それとも、「どうやらアルコール依存症っぽいから、おれ断酒がんばる!」という「対話」や「会話」があった、という程度のことを指しているのだろうか?
管理監督とは、医師による介入も含むし、措置も含むと思うが。
またしても航空局は顔がつぶされた。
ほら、やっぱり起きちゃった。パブコメの決着が付いていない状態で・・。
航空局は悪くないと思う。
飲酒規制の緩和のウヤムヤについても、「世界のアルコール検査手法とくらべて、間違っているわけではない」と堂々と宣言して、goすればいいと思う。
どちらかというと、個人的には、産業医や産業医という制度が有名無実化しているか、産業医が「運輸安全」への洞察が低いからではないかと推察する。もしくは、「労働安全衛生ムラ」「個人情報保護ムラ」「解雇規制恐れムラ」が、運輸安全を、軽視かつ抽象的に捉えているか、だ。
断酒がどれくらい難しいか。周囲のひと、当該産業医の方、心理職の方等、当該本人に対して、どれほど専門知識を持って当たっているだろうか? チームであたっているのだろうか?
今回航空局が「断酒」という言葉を文書にいれたことは、波紋を呼ぶと思う。
Tetsuya Sugimoto
2025.09.11
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