トラック、バス、タクシー事業者の皆様におかれましては、国土交通省自動車局の「事業用自動車安全通信」というメールマガジンを受信している方も多いと思われます。
このメールマガジンは、国土交通省が、事業用自動車に関する事故情報等のうち重大なものを事業者に情報提供することで、事故防止の取組への活用を目的に、平成21年6月からメールマガジンの配信を開始し、毎週金曜日に定期配信されているものです。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/anzenplan2009/backnumber.html
購読者数は運送事業者や運行管理者等をはじめとして2万人を突破、しているとのこと。
飲酒運転事案(トラック、タクシー、バス)
このメールマガジンは速報的に重大事故、死亡事故を報告するとともに、飲酒運転事案も重大なこととして報告しています。
プロドライバーの飲酒運転速報事案の件数から、「プロドライバーの飲酒運転ゼロ」は近いのか、遠いのか、推し量ってみたいと思います。
なお、最終的な事故統計は警察庁やITARDAのデータが正とされますので、あくまで本レポートは「速報事案の集計」に過ぎませんこと、ご留意ください。
以下、年計です(アルコール検知器義務化が施行されたのが2011年5月1日ですので、これを起算日とし、〆を4月30日としています)。
ゼロなるか?
ならなかった。

義務化以後、もっとも少ない件数だ。「ゼロ件」(報告事案として)が見えてきた。
バスはゼロ達成9年連続。

業種、タクシーは1件。

トラック、過去イチ少なく、ゼロが見えてきたか

5件の概要はこう。
| 6月2日(月) 午後11時10分頃、滋賀県東近江市のコンビニエンスストアの駐車場において、同県に営業所を置く中型トラックが後退していたところ駐車中の別の大型トラックに衝突した。 この事故による負傷者はいない。 事故を受けて駆け付けた警察官が、中型トラックの運転者から酒のにおいがしたため、検査した結果、酒気帯びが確認された。 運転者は、出勤前に自宅で飲酒しており、業務前点呼は実施されていなか った。 |
| 6月8日(日)午後6時20分頃、神奈川県横浜市の市道において、軽トラックが運送業務外で運行中、歩行者をはねた後、住宅や歩道の縁石に衝突し、停止した。 この事故により、当該歩行者は死亡した。 駆け付けた警察官により、基準値を上回るアルコールを確認したため、運転者はその場で逮捕された。 |
| 8月19日(火)午後5時50分頃、広島県安佐北区の国道において、広島県に営業所を置く大型トラックが運行中、ガードレールに接触したがそのまま15km程度走行を続けた。後続車からの通報を受け追跡していた警察官が、広島県山県郡北広島町の道の駅において停車させ、アルコール検査を実施したところ、運転者からアルコールが検出された。 この事故による負傷者はいない。 |
| 10月13日(月)午前2時頃、熊本市西区の市道において、同県に営業所を置く個人タクシーが自家使用中、橋の欄干に衝突した。事故後の警察の調べにより、アルコールが検出された。 この事故による負傷者はいない。 |
| 12月23日(火)午後11時30分頃、愛知県新城市の新東名高速下り 線において、神奈川県に営業所を置く中型トラックが運行中、トンネル左側 面に接触し、その勢いで前方右側を走行していた乗用車に衝突し、当該トラ ックが横転した。 この事故による負傷者はいない。 事故後、当該運転者から基準値を超えるアルコールが検出された。 |
酒気帯びプロドライバー全326件データベース(エクセルファイル)はこちら。
教育・啓発等自由にお使いください。
飲酒規制 業種間イコールフッティングについて
バスは飲酒運転ゼロを達成している。9年連続。
2024年4月に施行された規制強化はコレ。
貸切バスだけ、アルコール検知器の運用の規制強化が行われた。ゼロを達成していながらも。
だとするならば、トラック業界も同じ規制にすべきであろう。
ひとを乗せない貨物業界でそこまで必要か? と考えるひとは現実を知らない。
トラック車両こそが、バスやタクシーよりもずっと多く、飲酒運転の加害車両になっているということに。
この期に及んでは、単純にタクシー・トラック・乗合バス・貸切バス、すべて、この貸切バス規制でイコールフィッティングすべきである。
貨客混載のこともある。
3業種で飲酒検査の規制が違ったままだと、どんどん制度的不整合が出てくるし、プラン20XXの飲酒運転ゼロも、いつまでたっても達成しないと思う。
いや、トラックは何せドライバー数が多いから・・ということだとするならば、「飲酒運転ゼロ」という定量数値目標は間違っていよう。
「ドライバー数100人あたりの飲酒運転率」とかいう数値目標を掲げて、業界ごとのドライバーを「考慮」してあげなければいいと思う。
交通事故の統計上、「住民あたり」という考え方が普通なので、ドライバー数あたりの件数で語るのが正しいと言えよう。
結局、プラン2030の検討委員会は、トラックの飲酒運転大幅未達結果に対して、
”貸切バスと同じアルコール検知規制・デジタル点呼規制にする”
というごく自然な施策を選択しなかった。
過去5年、いや過去15年、これが、プロドライバーの飲酒運転の実態である。実は半減にすら至ってないという。
過去5年前の「減らなかった施策」を続けて、ゼロ達成は難しいだろう。
実際、もう達成できていない。
-
2026.5.28
-
2026.5.6
-
2026.4.5
無点呼起因事故。「なぜ点呼をさせてくれないのか?」という声を上げないドライバーと、無点呼体制を暗黙的に許容する事業者の共犯関係について
-
2026.3.3


