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デジタコのデジタル化? パブリックコメント開始。デジタコ技術基準文書に「インターネット」「クラウド」「GPS」というICT用語が存在しない件、ようやく”ICT運行管理”と言える状態に。

2023.11.23

みなさん、ご存じでしょうか?
昨今、デジタコとえばインターネットデジタコが当たり前! 的な感覚があるかと思います。実際クラウドデジタコを使ってらっしゃる方も多いでしょう。

ところが、デジタコの技術基準(道路運送車両法 保安基準)の文書には、昨今DXでは当たり前に使う、クラウド、インターネット、GPS、ICT、IT等、いわゆるIT用語は存在しません。

道路運送車両法 保安基準 第48条の2 別添89
運行記録計の技術基準


デジタコは国土交通省の保安基準で定められた機器であり、認定制度もあります。
「自称デジタコ」や「勝手デジタコ」は存在しません。
正確に言うと、「運行記録計」には2種類あり、アナログとディジタルともに行政によって両方仕様が定められています(メーカーや業界団体が決めているわけではありません)。

運行記録計の技術規格文書は

  第Ⅰ編  アナログ式運行記録計の技術基準
  第Ⅱ編  ディジタル式運行記録計の技術基準
  第Ⅲ編 車載記録部を有するディジタル式運行記録計等の技術基準

3編から成ります。機器認定試験の方法も明記されています。

 

デジタコの定義が変わる・・簡易デジタコ?

先般11月13日、道路運送車両法 保安基準の細則改正のパブコメが始まりました。
今回、デジタコのデジタル化?に関する改正が盛り込まれています。

さて、どんなデジタコ改正が予定されているかというと・・・

車載装置等のデジタル化の状況を踏まえると、運行記録計について、走行速度や走行距離といった情報の取得に用いることができる信号の種類を拡大するとともに、車載装置にシステムとして取り込まれており独立した筐体を持たないものについては、運行記録計としての耐久試験を一部免除することが適切である。

④ デジタル式運行記録計が走行速度や走行距離といった情報を取得する際において、車速パルス以外の信号を用いる場合に使用できる信号の要件を規定するとともに、車載装置にシステムとして取り込まれている運行記録計については、一部の耐久試験を免除する。

何がどう変わるのか明示されていませんが・・、おそらく「GPS」を仕様に追加し、テレマィクス端末的なものが認めら、クラウドOKと明記されるのかも・・。まあ、すでに普通のIT技術ですけどね。

6月2日 あの課題のために、何を変えてゆく? 

さて、なぜこのようなデジタコの保安基準改正の話が出てきているのでしょうか?

今年の6月2日。岸田総理が、物流業界の”あの課題”について 政府一丸となって取り組んでゆくと記者会見で公言しました。

6月2日に閣議で決定された 物流関連政策です。このなかで、運行記録計の今後について重要な方向性が示唆されたのです。

P6~P7 ③ 物流DXの推進【警察庁、国交省、経産省、農水省】 部分をご覧ください。

(トラック輸送・荷役作業等の効率化)
荷主企業等と連携して荷待ち時間を削減するため、倉庫や貨物鉄道駅、空港上屋等におけるバース予約システム等の導入を推進する。自動倉庫や無人荷役機器等荷役作業の効率化等に資する機器等の導入を推進する。また、トラック事業者における車両動態管理システムや配車管理システム、求貨求車システム、貨物鉄道におけるIoTも活用した輸送余力等をより広い対象に見える化したシステム、トラックドライバー向け予約システム、コンテナハンドリングマネジメントシステム等の輸送効率化に資するシステムの導入や、原価計算システム等のトラック事業者の価格交渉力強化のためのシステムの導入を推進する。さらに、トラック事業者の運行管理の高度化により輸送の安全確保を図るため、デジタル式運行記録計について、将来的な義務づけも視野に入れつつ強力な普及促進を図る他、DXを活用した事業者間での遠隔点呼等の実現に向けた調整を加速する。商流情報と物流情報のオープンプラットフォームを活用した共同輸配送等による積載率向上に向けた取組みの普及促進・拡大を図る。トラックデータの利活用・連携の仕組みの確立を通じたトラック運行管理の最適化に向けて、複数の大型車メーカー間でのデータの標準化を進めるとともに、メーカーから物流事業者へのデータの共有のための環境整備を進めることにより、物流事業者におけるデータの利活用を推進する。

中段にあります。政府方針として、国交省に対して

トラック事業者の運行管理の高度化により輸送の安全確保を図るため、デジタル式運行記録計について、将来的な義務づけも視野に入れつつ強力な普及促進を図る

という指示があります。

さりげない一言ではありますが、まずここで注目は「将来的な義務づけ」です。

現在トラックについて厳密にいえば、デジタルタコグラフ装着は義務ではありません。アナログチャート紙でも何の問題もなく、デジタコであるかどうかは任意なのです。
平成29年に改正されたのは、車両総重量7t以上の車両への(アナログでもデジタルでもどっちでもいいけど)装着義務 です。



上記の6月の方針は、いよいよトラック業界においては、「アナログ運行記録計でも良い」から「チャート紙のないデジタコによる運行記録管理」時代にやっとなる・・ということを示しているかもしれないです。今後・今度はは4トン以上も含むのではないでしょうか(個人的な推測ですが)。


これだけ緊急!やDX!を掲げ、デジタコ購入に補助金(国家予算)もつけておきながら、2030年以降へむけて、アナログチャート紙もOK!とか、小型トラックはデジタコ義務から外す、とか、そういうふうにならないと思うのです。

今回の将来の方向性は、「緑ナンバートラックは全車両デジタコ装着義務となる」・・と受け止めるのが自然ではありませんか? みなさまもそう思いませんか?

 

9月12日。さすがに、緑ナンバー全車両デジタコ化は、コストが高くね?

政府の6月の方針に対し、その後9月、経団連からこのような要望が出されています。

抜粋します。

No. 22. 運送事業におけるデジタルタコグラフ普及に向けた技術基準の見直し

<要望内容・要望理由>

2024年4月からトラック運転手の時間外労働時間の上限規制が適用されることから、運行管理の厳格化が求められている。そのためにはトラック運転手の労働時間の可視化が必要であり、政府が決定した「物流革新に向けた政策パッケージ」において、デジタル式運行記録計(デジタルタコグラフ。以下、デジタコ)の将来的な義務付けが提言された。

運行記録計とは、自動車の運行状況を把握するため、運行時間や距離、速度の変化(法定三要素)などを記録する機器であり、貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条により、4トン車以上のトラックには運行記録計の装着が義務付けられている。運行記録計には法定三要素を記録紙に保存するアナログ式、データとしてメモリに保存するデジタル式(デジタコ)があり、それぞれ「道路運送車両の保安基準」にて技術基準が定められている。

近年、技術革新や通信環境の変更によって、テレマティクス端末(自動車と通信システムを組み合わせて行う情報サービスで用いられる端末)はデジタコと同等の機能を持つようになっている。他方、デジタコにおいては2007年以降技術基準の抜本的な改正がされていないことから、技術革新等の変化に対応できておらず、メモリのデータ改ざんや破損を防止する観点から厳格な基準が設定されている。その基準確保のため、デジタコの価格は約20万円と高くなり、国土交通省の事故防止対策支援推進事業予算にて機器代の3分の1が国から助成されているものの、普及にあたっての制約となっている。なお米国では、デジタコの記録をメモリではなくクラウド上に保存することを認めており、低廉な価格(約2万円)で供給されている。

そこで、技術革新と通信環境の変化を踏まえて、デジタコの技術基準を見直し、米国と同様に記録の保存をクラウド上で認めるべきである。

これにより、オーバースペックとなっていたデジタコの機能適性化が進むことでその普及が加速し、適切な運行管理と「物流ネットワークの見える化」が可能になるほか、政府の予算削減にも寄与する。なお、デジタコの搭載によって進展する「物流ネットワークの見える化」は、政府が「フィジカルインターネット・ロードマップ」において目標に掲げる「フィジカルインターネット」実現の礎となるとともに物流の効率化や物資の安定輸送にも資する。

(赤文字ハイライトは当サイトによるもの)

 

10月6日 物流革新緊急パッケージ

10月に閣議決定されたときの資料は、以下のみとなっています。

 

あれ? 6月にあった原文は明示されず・・。デジタコの件ってどうなるのかな・・。

とおもっていたところ、冒頭の保安基準(デジタコの仕様と認定方法の変更)のパブリックコメントが始まった・・、というナガレです。

デジタコの保安基準改正(実質、緩和的、かと)は、業種を問わない車両法の世界ですから、仕様変更となると、バスもタクシーもトラックも共通で使える「簡易デジタコ」となるでしょう。また新たな認定方式も始まるということかもしれません。

このタイミングでの保安基準改正は、もしかしたら貸切バスのデジタルタコグラフ義務付け開始にも間に合わせようということかもしれませんね。いや、間に合わないかな・・。

経団連に高いと指摘されたほうの、デジタコの紹介。

当社では、お客様に対し、点呼システムと運行管理システム両方を1社で提供できるよう、クラウド製品を2つえております。特に、今回の記事であるデジタコ関連製品では ”運管PRO”というものがありますので、是非ご覧ください。

 

料金はまさに経団連が指摘している「20万円」付近のヤツですけど・・・・。