運行管理高度化

 

運行管理一元化

 

「運行管理センター」合法化。「兼務禁止」の緩和による運行管理業務の一元化は、どのように実現するか?(国土交通省調査 運行管理高度化ワーキンググループ資料から)。

2026.5.5

国土交通省は、令和7年度 第3回 「運行管理高度化ワーキンググループ」(2026年2月18日)において、運行管理一元化の推進状況と、今後の方向性が報告された。

運行管理一元化とは、いわゆる「運行管理センター化・集約化」といった方が分かりやすいかもしれない。

 

P2にある、

『貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について』 第18条 運行管理者等の選任  の解釈 ”運行管理者は他の営業所の運行管理者又は第3項に規定する補助者を兼務することはできない。”
『旅客自動車運送事業運輸規則の解釈及び運用について』 第47条の9 運行管理者等の選任 の解釈”運行管理者は、他の営業所の運行管理者又は本条第3項に規定する補助者を兼務することはできない。”

 

実証実験は、「運行管理業務の一元化実施要領」に基づき、合計59事業者、以下の業種で行われているという。(R7年12月時点)

乗合バス貸切バスタクシートラック
25件23件2件9件

 

本記事では、実証実験中の報告資料から、「事業者のニーズ」と「ヒアリングを通じて得られた現場の声」を抜粋する。

本制度の実証実験にあたり、このような声があったという。

・一元化の活用前後を比較して、集約営業所と被集約営業所の必要選任人数の合計が増えないようにしたい

・労働時間の均質化のため、一元化により業務量が減少する被集約営業所の運行管理者を集約営業所に出勤させて業務をさせたい

・集約営業所の運行管理者に被集約営業所の実態を把握させるため、定期的に被集約営業所に出勤させて業務をさせたい

・指導・監督等の運行管理業務を行うために集約営業所の運行管理者が被集約営業所に出勤した際、点呼も実施させたい

・人によって運行管理業務ができる営業所の範囲に違いがある場合、制度として運用しづらく、運行管理業に混乱を招くおそれがある

本制度により目指されている素案はこうだ。


●集約営業所と被集約営業所を一体とみなし、全運行管理者の相互の営業所での兼任を認める。
●この場合、非常時には各営業所で(被集約側においても)運行管理業務を行う必要があるため、各営業所には一元化前の車両台数に基づく選任を求めることとする。

 

 

 

ヒアリング結果(速報)

・営業所ごとの風土の違いに加え、運行管理者の異動もなかったこともあり、運行管理業務がこれまで各運行管理者に属人化していることに気づけた。異なる営業所の運行管理業務を実際に見ることで、諸事項の確認における丁寧さに気づき、自身の業務を見直すきっかけとなった。(B社)

 

・業務量を平準化できると考えている。(A,B社)

 

・集約営業所にて運行管理業務を対応できる運行管理者数が増えたため、何か突発的な事態が発生したとしても焦らずに対応できる、という心理的な余裕が生まれた。(B社)

 

・被集約営業所が集約営業所で運行管理業務を行い、受け持つ範囲が広がっても運行管理者としての「責任感」は変わらず、心理的負担は特に変わらない、

・受け持つ範囲が広がっても自身が担当する業務に対して持つ「責任感」は何ら変わらない。(A,B社)

 

•運行管理者は、担当する”運行”ベースで責任をもって業務を行うことは当然という理解をしているため、 プレッシャーなど受け止めは変わらない。(A,B社)

 

•一般論として、大きい営業所への異動については、運転者とのコミュニケーションに関して漠然とした不安はあり、慣れるまでに3か月間を要する場合もある。(A,B社)

 

今回、ややこしいので、貨客混載、管理の受委託については省略した。

 

「運行管理センター」

なんだか「安全指令センター」的でカッコいい。

いずれはこうなるだろう。

 

点呼のセンター化より、もっと革新的な制度改革であるが、思いのほか慎重に進めている印象だ。

本来、「運行管理一元化」→「台帳類の一元化」→「点呼の一元化」が構造的に正しいのだと思う。

・・・誰か損をすることはあるのだろうか? 何か不都合があるのだろうか?

 

実施要領はこちら。