思い出すことすら辛い、千葉県の痛ましい飲酒死亡事故から一ヶ月たちました。
この事故(事件と言いたい)を受けての、政府の2つの会合について、みなさまと情報を共有したいと思います。
昨日、NHKや、民間報道会社から、『 警察庁が、白ナンバーを使用する事業者についても、一定の台数があればアルコール検知器による飲酒検査を義務づける方針を固めた』との報道が流れたことはご存じのことと思います。
さて、この宣言をしたのは、管総理? それとも、閣僚?
もし昨日と今日の報道が事実だとしたら、どの省庁の、どの部局の、誰が、この重要な施策(おそらく道路交通法改正を伴う)をどんな風に進めるのか、いつ始まるのか、気になりますよね。
もうすこし、正確な情報を待ってから調査したほうが良いのかな・・と思いつつ、「本当なの?」というお客様からの質問が増えてきているので、現時点の情報を少し整理してみたいと思います。
第1回 交通安全対策に関する関係閣僚会議(6月30日)
「交通安全対策に関する関係閣僚会議」というのが対策チームの名前のようです。
「飲酒運転根絶のためのあらゆる施策」を実行できる、最高の役者(文字通り権力者、権限と責任がある人)がそろいました。ほら、見て下さい。
○菅内閣総理大臣
○坂本内閣府特命担当大臣
○加藤内閣官房長官
○武田総務大臣
○萩生田文部科学大臣
○田村厚生労働大臣
○梶山経済産業大臣
○赤羽国土交通大臣
○棚橋国家公安委員会委員長
事故から2日後、6月30日に開催されたこの会合の議事録です。
1.通学路等における交通安全の確保
2.飲酒運転の根絶
2つの緊急対策に、早速入りました。
そして今日・・?
第2回 交通安全対策に関する関係閣僚会議
今日、会議があったようです。
「安全運転に関する指導を行う安全運転管理者を置くよう、すべての事業所に対して、あらためて、テッテイを致します」
さて、実務部隊ですが、以下、ワーキングチームメンバー構成です。
○警察庁交通局長
○文部科学省総合教育政策局長
○国土交通省総合政策局長
○国土交通省道路局長
○国土交通省自動車局長
○厚生労働省子ども家庭局長
これまた、すごいメンバーですね・・。局長がここまでそろうことは滅多にないと思います。
通学路対策については7項目、飲酒運転は4項目、具体案が示されています。
アルコール検知器は「促進」か「義務」か?
会議の資料から抜粋します。
(1)安全運転管理者の未選任事業所の一掃等、飲酒運転の根絶に向けた使用者対策の強化
自動車を一定数以上保有する使用者は、道路交通法上、安全運転管理者の選任が義務付けられ、点呼等により運転者が飲酒状態でないかを確認するなどの安全運転に必要な業務の実施が求められているところ、安全運転管理者が確実に選任されるよう、関係省庁が連携して、業界に対する選任義務等の周知を行うなど、未選任事業所の一掃を図る。
また、自動車保管場所証明業務との連携等により未選任事業所の効果的・効率的な把握にも努めつつ、安全運転管理者の選任状況について、都道府県警察のウェブサイト上での公開により選任の促進を図るほか、乗車前後におけるアルコール検知器を活用した酒気帯びの有無の確認の促進やドライブレコーダーを活用した交通安全教育の推等、安全運転管理者が行う安全運転管理業務の内容の充実を図ることにより、業務に使用する自動車の使用者における義務の徹底や対策の拡充等を図り、飲酒運転の根絶に向けた取組を推進する
おや? 「義務」という言葉は、見当たりませんね・・・。
事前配布資料だからでしょうか?(この記事を書いている8月4日17時点では、議事録がありません)。
「義務」の報道が流れたのが8月3日の朝くらいだったと思います。
会議の前に、誰かが口をすべらせたのでしょうか。「促進ではなく、義務で行く!」とか。
(2)飲酒運転根絶に向けた交通安全教育及び広報啓発活動等の推進
飲酒運転の危険性や飲酒運転による交通事故の実態等について積極的に広報するとともに、飲酒が運転等に与える影響について理解を深めるため、映像機器や飲酒体験ゴーグルを活用した参加・体験型の交通安全教育を推進する。
飲酒運転根絶の広報啓発をより積極的に展開するため、春・秋の全国交通安全運動の全国重点項目の一つとして盛り込むほか、交通ボランティアや交通安全関係団体、酒類製造・販売業、酒類提供飲食業等の関係業界と連携して、(一財)全日本交通安全協会等が推進している「ハンドルキーパー運動」への参加を広く国民に呼び掛けるなど、関係機関・団体等と連携して「飲酒運転を絶対にしない、させない」という国民の規範意識の更なる向上を図る。
(3)飲酒運転等の根絶に向けた取締りの一層の強化飲酒運転について、違反や交通事故の実態等を分析し、飲酒運転取締りの時間、場所等について方針を策定するとともに、不断の効果検証を行うといったPDCAサイクルに基づく管理を行い飲酒運転に対する取締りを一層強化するほか、飲酒運転取締り機材について整備を図る。
また、飲酒運転や飲酒ひき逃げ事件を検挙した際は、運転者のみならず、車両等の提供者、飲酒場所、同乗者、飲酒の同席者等のほか、車両の使用者に対する徹底した捜査を行い、車両等の提供、酒類の提供及び要求・依頼しての同乗や教唆行為、飲酒運転の下命、容認行為について確実な立件に努める。
(4)運送事業用自動車での飲酒運転根絶に向けた取組強化運送事業用自動車については、運行管理者制度により、乗務前後におけるアルコール検知器による酒気帯び確認の義務付け、飲酒運転防止を含めた安全運転教育の義務付け、飲酒運転事故を起こした事業者に対する行政処分の強化など飲酒運転ゼロを目標に徹底した対策を講じて来たところ、令和2年中の運送事業用自動車の飲酒運転による交通死亡事故件数は4件と、全体に占める割合は小さいものの、引き続き、国や適正化事業実施機関による監査等を通じ、運行管理者の適切な業務実施等を確保していく。
運送事業者による飲酒運転対策の優良事例について、他の運送事業者でも実施できるように詳細な調査を行い、その結果を情報共有することにより、運送事業者による更なる飲酒運転対策を促す。
また、運転者の指導・監督時の実施マニュアルにアルコール依存症関係の記載について拡充することや、アルコールインターロック装置に関して運送事業者への情報提供等による普及促進を図ることにより、飲酒傾向の強い運転者への対策を講じる。
出典:内閣府 会議資料 交通安全対策に関する関係閣僚会議(第1回、第2回)
https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/index-w.html#w-2-01
公式情報を見る限り(調査漏れでしたら申し訳ございません)、「白ナンバー事業者へのアルコール検知器の使用義務」という情報は、まだありません。
新聞記者だけが、特権的に知る仕組みがあるのでしょうか・・。
安全運転管理者制度(道路交通法・道路交通法施行令)
さすがに管総理が「白ナンバー事業者も、アルコール検知器使用すべし」とは宣言していないようですが、会見で読み上げていた中に、
『安全運転に関する指導を行う安全運転管理者を置くよう、すべての事業所に対して、あらためて、テッテイを致します』(1分53秒付近)
とありましたので、「安全運転管理者」制度について少し説明致します。
道交法65条といえば?
おそらくほとんどの社会人は、「飲酒運転」の法令ですよね、と回答できると思います。
そう、コレです。
(酒気帯び運転等の禁止)第六十五条
1.何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
2 何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。
3 何人も、第一項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。
4 何人も、車両の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が第一項の規定に違反して運転する車両に同乗してはならない。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105
読みやすくするため、部分的に、( )を省略しています。
では、
道交法74条といえば?
即答できるひとは、グッと少なくなるのではないでしょうか?
じつは、運輸業界で安全に携わっているひとやオーナーでも、「道路運送法」「貨物自動車運送事業法」における「運行管理者」制度・規則には詳しくても、道路交通法における「安全運転管理者制度・規則」については、あまりよくわかってないというケースがあります。
(車両等の使用者の義務)第七十四条
1.車両等の使用者は、その者の業務に関し当該車両等を運転させる場合には、当該車両等の運転者及び安全運転管理者、副安全運転管理者その他当該車両等の運行を直接管理する地位にある者に、この法律又はこの法律に基づく命令に規定する車両等の安全な運転に関する事項を遵守させるように努めなければならない。2.車両の使用者は、当該車両の運転者に、当該車両を運転するに当たつて車両の速度、駐車及び積載並びに運転者の心身の状態に関しこの法律又はこの法律に基づく命令に規定する事項を遵守させるように努めなければならない。
3.消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車の使用者は、当該自動車の運転者に対し、当該自動車の安全な運転を確保するために必要な交通安全教育を行うように努めなければならない。
第七十四条の二 車両の使用者は、当該車両を適正に駐車する場所を確保することその他駐車に関しての車両の適正な使用のために必要な措置を講じなければならない。
安全運転管理者等)
第七十四条の三
1.自動車の使用者(道路運送法の規定による自動車運送事業者(貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)の規定による貨物軽自動車運送事業を経営する者を除く。以下同じ。)及び貨物利用運送事業法の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者を除く。以下この条において同じ。)は、内閣府令で定める台数以上の自動車の使用の本拠ごとに、年齢、自動車の運転の管理の経験その他について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、次項の業務を行う者として、安全運転管理者を選任しなければならない。
2.安全運転管理者は、自動車の安全な運転を確保するために必要な当該使用者の業務に従事する運転者に対して行う交通安全教育その他自動車の安全な運転に必要な業務で内閣府令で定めるものを行わなければならない。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105
読みやすくするため、部分的に、( )を省略しています。
安全運転管理者と、「点呼」(道路交通法施行規則)
(安全運転管理者等の選任を必要とする自動車の台数)第九条の八
1.法第七十四条の三第一項の内閣府令で定める台数は、乗車定員が十一人以上の自動車にあつては一台、その他の自動車にあつては五台とする。
2.法第七十四条の三第四項の内閣府令で定める台数は、二十台とする。
3.前二項及び第九条の十一の台数を計算する場合においては、大型自動二輪車一台又は普通自動二輪車一台は、それぞれ〇・五台として計算するものとする。
社用車、5台 ありますか?
YES、という方。では、安全運転管理者の選任はしていますか?
今回、「白ナンバー事業者へアルコール検知器を義務づけ」対象とされた「5両」という数字は、この、道路交通法施行規則第9条の8項の要件を言っています。
さて、選任された安全運転管理者は、日々、安全運転管理業務を実施しなければなりません。さて、その業務とは・・
(安全運転管理者の業務)第九条の十
法第七十四条の三第二項の内閣府令で定める業務は、次に掲げるとおりとする。
一 自動車の運転に関する運転者の適性、技能及び知識並びに法及び法に基づく命令の規定並びに法の規定に基づく処分の運転者による遵守の状況を把握するための措置を講ずること。
二 法第二十二条の二第一項に規定する最高速度違反行為、法第五十八条の三第一項に規定する過積載をして自動車を運転する行為、法第六十六条の二第一項に規定する過労運転及び法第七十五条第一項第七号に掲げる行為の防止その他安全な運転の確保に留意して、自動車の運行計画を作成すること。
三 運転者が長距離の運転又は夜間の運転に従事する場合であつて、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、あらかじめ、交替するための運転者を配置すること。
四 異常な気象、天災その他の理由により、安全な運転の確保に支障が生ずるおそれがあるときは、運転者に対する必要な指示その他安全な運転の確保を図るための措置を講ずること。
五 運転しようとする運転者に対して点呼を行う等により、道路運送車両法第四十七条の二第二項の規定により当該運転者が行わなければならないこととされている自動車の点検の実施及び飲酒、過労、病気その他の理由により正常な運転をすることができないおそれの有無を確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与えること。
六 運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転した距離その他自動車の運転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させること。
七 運転者に対し、自動車の運転に関する技能、知識その他安全な運転を確保するため必要な事項について指導を行うこと(法第七十四条の三第二項に規定する交通安全教育を行うことを除く。)。
(電磁的方法による記録)第九条の十の二 前条第六号に規定する事項が、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。)により記録され、必要に応じ電子計算機その他の機器を用いて直ちに表示されることができるときは、当該記録をもつて同号に規定する当該事項が記載された日誌に代えることができる。2 前項の規定による記録をする場合には、国家公安委員会が定める基準を確保するよう努めなければならない。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335M50000002060_20210611_430M60000002030
安全運転管理者は、車両を使用する社員に対して、
点呼において
・車両点検
・飲酒
・疲労
・体調確認
を行わなければならない、とされています。
どこかで聞いた表現ですよね・・。
そう、「アルコール検知器の使用義務」前の、道路運送法 運輸規則、貨物自動車運送事業法輸送安全規則における、「アルコール検知器を用いなくてよい」時代の点呼のあり方です。
『乗務を開始しようとする運転者に対し、対面により点呼を行い、次に掲げる事項について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。
一 酒気帯びの有無
二 疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無
三 点検の実施又はその確認
貨物自動車運送事業者は、アルコール検知器を営業所ごとに備え、常時有効に保持するとともに、酒気帯びの有無について確認を行う場合には、運転者の状態を目視等で確認するほか、当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器を用いて行わなければならない
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=402M50000800022
貨物自動車運送事業法輸送安全規則第点呼7条より 一部、省略しています。
そっくりなんですよね。
ということで、じつは、「白ナンバーのアルコール検知器義務化」は、道路交通法施行規則の改正を、以下のような文面にすれば、あっという間に成立させられます。
改正箇所その1
道路交通法74条に、あらたに「四」をまるまる追加。
「四 使用者は、安全運転管理者選任事業所ごとにアルコール検知器を備え、常時有効に保持するとともに、酒気帯びの有無について確認を行う場合には、当該安全運転管理者選任事業所に備えられたアルコール検知器を用いて行わなければならない。
改正箇所その2
安全運転管理者の業務)第九条の十
に、「なお」追記。
五 運転しようとする運転者に対して点呼を行う等により、道路運送車両法第四十七条の二第二項の規定により当該運転者が行わなければならないこととされている自動車の点検の実施及び飲酒、過労、病気その他の理由により正常な運転をすることができないおそれの有無を確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与えること。
なお、酒気帯びの有無について確認を行う場合には、当該安全運転管理者選任事業所に備えられたアルコール検知器を用いて行わなければならない。
ちなみに、「緑ナンバー事業者」では原則とされている「対面」や、「対面」を前提とした『運転者の状態を目視等で確認する』は、「一般事業主」に対しては省くべきと考えました。業種によっては、そもそも、緑ナンバー業界よりも、IT化やデジタル化、いわゆる、DXは、進んでいる可能性があります。
一般事業主のITを活用した労働生産性向上活動を阻害しないためにも、「リモート化」や「IT化」や「デジタル化」にそぐう道路交通法・道路交通法施行規則改正であるべきと思います。
さらに、さらに言えば、「義務」にともなう、「監視・監査」や「罰則」の観点からも、アルコールチェックについては、はじめから、エビデンスがとれる法制度設計として、「記録型アルコール検知器」にすべきと、心底、思います。
なぜなら、2011年のアルコール検知器義務化は、「記録の義務」に踏み切らなかったが故、「なぜゼロにならないのか」を、エビデンスをもって検証できていないからです。
事業者が検知器を使用しているしていないというレベルの情報すら、10年たってもないままという・・。
同じ制度設計をした場合・・「白ナンバー義務化」のあと、だれがどうやって、アルコール検知器の使用実態を、総括できるのだろうか?
安全運転管理事業所への飲酒検知義務化ですら、飲酒運転対策として不十分である件
白ナンバー義務化。確かに、制度をきっちりつくれば、一定の効果があるでしょう。
でも、一定の効果でいいんでしたっけ? 今回。という話。
若干残念な予想をするなら、「車両の使用者」という安全運転管理制度にメスを入れるだけでは、漏れるのです。網羅性が低いのです。
安全運転管理者選任事業所は、「使用者」による「車両の使用(業務中)」が前提です。
じゃあ、マイカー通勤者が200人いて、営業車両を持たない事業所は、選任義務はありませんが、そこはフリーですか? という話。
また、「残酒で、クルマ通勤」という飲酒運転の可能性が高そうな時間帯を、プライベートではないかという判断の余地が出てしまう安全運転管理制度の盲点がある以上、「点呼」でアルコール検知器を義務付けても、まったくもって不十分なのです(意味がない、ではなく、狭い、ということです)。
交通災害(勤務時間手前)と、使用者の義務と結果責任(出勤後 運転業務前後)、アルコール健康障害(プライベートの飲酒習慣)・・・。白ナンバー義務化だとしても、「全員に、飲酒チェック」が理想です。
日常に潜むアルコールの問題を解決しないことには、飲酒運転ゼロは実現しないと思います。
実際、悲惨な飲酒運転の事故が起きると、最近はかならず、「アルコール依存症が」という論点に一気に移ります。
都市部の、終電まで多量飲酒してしまえる環境にある一般事業者に勤めるひとたちの飲酒問題・飲酒行動を、「衛生管理者」は気にしていますか? という話。
経験上、アルコール検知器を一般事業者が導入すると、飲酒に問題のあるひとを見つける機会が増えます(繰り返し検知されるのです)。
今回の報道で、「白ナンバ-」という言葉に、違和感を持つのは、安全運転管理者制度への対応だけでは、クルマを使った営業や、マイカー通勤とは関係のない業種や事業所が、引き続き飲酒運転や飲酒問題に気づく機会を逸することになる気がするからです。
「安全運転管理者」(クルマに関係する社員)+「衛生管理者」(クルマに関係しない社員」。この両者がタッグを組んでがアルコール検知器を運用することが、包括的な施策になると考えます。
アルコール検知器を、包括的に、効果的に施策に適用するなら、ズバリ
「安全運転管理者選任事業所および衛生管理者選任事業所におけるアルコール検知器の使用義務付け」
道路交通法だけではなく、労働安全衛生法の改正も視野にいれた、思い切った制度設計が望まれます。
衛生管理者も、飲酒行動把握にコミットすればよいわけです。実際、厚生労働省も言っています。メンタルとアルコールの関係です。案外、アルコールに着目すれば、メンタル問題の解決の糸口になる可能性もあります。
単純に、「アルコール健康障害対策法」はどこいった? という話です。
車両を業務で使用しているしていないという基準だけで、網羅性を狭くするって、社会制度としての職域アプローチ的に、もったいないと思いませんか?
都道府県ごとの、「アルコール健康障害対策基本計画」があって、その下に、公安委員会と安全運転管理者協会等を位置づけられれば、「労働安全衛生(交通災害含む)」という職域アプローチの真の実力を発揮できると思うのです・・。
長文失礼しました。
議事録等、続報が入りましたらまたお知らせします。
下記、あわせてご覧ください。
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