飲酒運転

 

事業用自動車総合安全プラン2030

 

車内から酒の缶? 2名を死なすトラックドライバーの飲酒運転。これは昭和ではなく令和8年の話だ。プラン2030の”飲酒運転ゼロ”施策の耐えられない軽さとこの事件、ギャップをどうする? 国土交通大臣、いや、高市早苗総理殿。

2026.6.13

 

起きてしまった。

 

(1) 大型トラックの酒気帯び・衝突事故
  令和8年6月5日(金)午後1時30分頃、北陸自動車道下り線魚津インター付近において、福島県に営業所を置く大型トラックが、道路上で作業していた工事車両2台に衝突した。この事故により、道路上で作業していた作業員2名が死亡、当該運転手は重傷を負った。なお、事故後、当該運転手からアルコールが検出されたことから、当該運転手は逮捕された。

メールマガジン「事業用自動車安全通信」第866号(R8.6.12) より

これは、国土交通省・運輸局の速報。

 

一方、富山県警の事故速報。

 

 

そして、一般の報道で続報が。

情報参照元 NHK one(リンクは時間がたつと切れるかもしれません)

 

 

プラン2030をつくった有識者は、検討会をすぐに開くべき

国土交通省は、今年度、安全に関する5カ年の計画を新たにスタートした。

先々週、タクシー業界がすでに”飲酒運転ゼロ”を達成できないことが決定したと伝えた。

今週はトラックが”飲酒運転ゼロ”を達成できないことが決定した。

それも、最悪のかたちで。

2名死亡(飲酒による)という大事故は、2024年5月の群馬県伊勢崎のトラック飲酒運転事故以来。

プラン2030の初動3ヶ月を総括すると、こうだ

バス飲酒運転ゼロ
タクシー飲酒運転ゼロ→発生 (目標未達)
トラック飲酒運転ゼロ→発生 (目標未達)
軽貨物飲酒運転ゼロ

なんと2業種で、5年計画がいきなり未達成に。

国土交通省や有識者会議(検討会)へ疑問を呈するメディアはないのか?

5年という重要な骨太な中期計画をつくったのは、国土交通省と有識者会議だ。

https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000001.html

 

「飲酒運転ゼロ」に対する具体的な活動は、以下とされている。

2.運行管理未実施、飲酒運転等悪質な法令違反の根絶

① 悪質違反・重大事故の再発防止のための啓発
自動車運送事業においても、点呼の未実施、飲酒運転といった悪質な法令違反が生じており、令和6年(2024 年)には、事業用中型トラックによる飲酒を起因とする死亡事故も発生した。こうした状況を踏まえ、点呼時の適切なアルコールチェックの徹底に加え、飲酒運転の背景にあるアルコール依存症等への対策も講じていく必要がある。

我が国の交通・物流の基盤を担う自動車運送事業は、社会からの信頼の下、その事業を行っており、ひとたびこのような重大事案が発生すれば行政処分により、その事業継続が危うくなるとともに我が国の物流に大きな支障をもたらすこともある。

これまでの重大事案を踏まえ、再発防止のための施策を講じるとともに、自動車運送事業者に対し、重大事故につながりかねない悪質違反を行わないよう啓発を進め、事業者自身の法令遵守意識をさらに高めていく必要がある。
また、遠隔点呼や自動点呼といったデジタル技術を活用した運行管理手法の導入をさらに促進し、なりすまし・改ざんといった不正を防止する環境を整備していくことも重要である。

さらに、事業用自動車事故調査委員会により提言された再発防止策について、事業者や運転者に浸透させるためのわかりやすい広報資料の作成及び効果的な広の方法等について検討し、実施していくことも重要である。

 

もうすこし具体的には(といってもかなり抽象的だけど)

○点呼の正しいタイミングの周知や、点呼時のアルコールチェックの徹底を引き続き周知

○遠隔点呼・自動点呼を活用した点呼の確実な実施の普及促進

○「自動車運送事業者における飲酒運転防止マニュアル」を活用した運転者に対する、自身
の飲酒傾向の自覚を促す指導監督の推進

○事業者の飲酒運転防止に係る優良取組事例やアルコール依存症に係る知識の周知のさらな
る推進

○事業用自動車事故調査報告書の周知による事故対策意識の醸成

この、たった5つの施策だ。

いわゆる業界紙は、プラン2030の初動3ヶ月で起きた「飲酒運転ゼロ いきなり未達成」という事実を、なぜ特集を組んでやらないのだろう? 

プラン2030の5つの施策が、前回のプランより数と質で落ちている、等の指摘をなぜしないのだろうか?

伊勢崎の事故レベルのことが、たった2年で起きている事実を、端的にどう捉えるのか?  

国土交通大臣の記者会見で、記者はこの件をなぜ問わないのか?

検討会の座長や委員に対する取材はタブーなのですか?

飲酒運転に関して、マヒしているのだろうか。数ある交通事故の態様のひとつに過ぎないと?

ジャーナリズムとして、正しいのか?

オールドメディアのマナーですか?

Journal に、ジャーナリズムの思いを込めて。

新聞協会のウェブサイトに、ジャーナリズムの原理や倫理が詳しく記載されている。
こうあるべきだと思う。

自由と責任

 表現の自由は人間の基本的権利であり、新聞は報道・論評の完全な自由を有する。それだけに行使にあたっては重い責任を自覚し、公共の利益を害することのないよう、十分に配慮しなければならない。

正確と公正

 新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない。論評は世におもねらず、所信を貫くべきである。

独立と寛容

 新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない。他方、新聞は、自らと異なる意見であっても、正確・公正で責任ある言論には、すすんで紙面を提供する。

人権の尊重

 新聞は人間の尊厳に最高の敬意を払い、個人の名誉を重んじプライバシーに配慮する。報道を誤ったときはすみやかに訂正し、正当な理由もなく相手の名誉を傷つけたと判断したときは、反論の機会を提供するなど、適切な措置を講じる。

品格と節度

 公共的、文化的使命を果たすべき新聞は、いつでも、どこでも、だれもが、等しく読めるものでなければならない。記事、広告とも表現には品格を保つことが必要である。また、販売にあたっては節度と良識をもって人びとと接すべきである。

https://www.pressnet.or.jp/outline/ethics/

 

本誌(編集長・筆者)の意見は、パブリックコメントで提出し、本誌でも公開している。

 

 

 

パブリックコメントでも意見したが、

ストレスチェックを義務付けできたのだから、AUDITぐらいは義務付けしてほしい。

もし、AUDITを実施していて、当該運転手の飲酒習慣が異常であることが数年前にわかっていたら??

悔やまれてならない。飲酒運転トラックで2人も、なんて。

深刻なアルコール依存症当事者事案は、点呼やアルコールインターロックでは防げないという残念な事実から目を背けてはならないと思う。

高市総理におかれては、すべての省庁を横断するトップとして、「道路交通法」「自動車運送事業」「アルコール健康障害」、3つの省庁がお見合いしないよう政策調整してほしい。もしくは、

 

「飲酒運転対策基本法」

の個別基本法の制定だ。がん対策基本法とか、自殺対策基本法のように。


2026.06.13
Tetsuya Sugimoto