事業用自動車総合安全プラン2025

 

事業用自動車総合安全プラン2030

 

安全プラン2025から、安全プラン2030へ。伊勢崎事件を語らず、かつアルコール検知器のやり残し施策もあるようです。まだあと2ヶ月あるけど、間に合いますよね?

2025.12.21

国土交通省は現在、来る安全プラン2030策定のため、この5年の目標と結果を分析し、今後実行すべき取組について検討を進めている。

このような面々によって

こんな感じで、

 

今年度はすでに3回会合が行われているのであった。

第一回 6月25日

結果は厳しい。

トラックは特に厳しい。

軽トラックがやり玉にあがっている格好だ。が、致し方ない事故統計結果かもしれない。確かに悪い結果だと思う。

議事録からいくつか抜粋。

若者と高齢者の事故が多く、重点的な対策を講じる必要がある。タクシーは、特にこれまでは高齢者に偏った対策だったため、新人への対策が少なかった。

トラックの追突に対しては衝突被害軽減ブレーキが対策になるが、事業用自動車の場合は代替えが進んでいない。旧式の車両で衝突被害軽減ブレーキが付いていない車両が高速道路で追突事故を起こしている事例もあり、代替えを含めた施策を視野に入れても良いのではないか。

デジタコの普及率を上げることで、記録管理の効率化だけではなく、運転者に対し運転操作や危険箇所等の注意喚起を行う機能を有するものもあるので、AI 化、デジタル化によって事故も減らせるという施策に繋がるのではないか。

今後外国人労働者が増えていくなかで、運転適性検査は英語やポルトガル語に対応している一方で、運行管理者や安全管理者に関しては日本語のみである。こういった状況も盛り込みながら進めていく必要がある

第二回 10月3日

議事録から抜粋。

運転者不足という点では自動運転がある。乗合バスの車内事故防止については、自動運転車はもっと厳しい性能を持たねばならず、大型 2 種免許相当が無人で運行できるレベルを目指しているが、まずは車内事故を減らしたうえで、自動運転バスを作っていかなければならない。

飲酒運転について、重大事故報告の規則を改正し、飲酒のタイミングが点呼の前後だったのか分かるように取り組んだにも関わらず、不明が多い。

改正改善基準告示について、安全に対する影響について実際の状況も分析していかなければならない

自動車運送事業安全検討委員会として、プラン 2025 の目標値を決めたので、未達の項目があったことに対してどうしていくかを考えなければならない。

運行管理者もかなりの負担がかかっているため、業務の軽減といった意味で自動点呼等の導入を進めていくことは十分意義がある。

自動点呼や遠隔点呼はヒューマンエラーをなくす、省人化で効率を上げるという点があり、重点的に推進すべきではないか。ただし、バイタルデータ等で客観的に体調を判断することはまだ難しいので、各業界でデータを蓄積していく必要がある

今後のトレンドとして、ICT、最先端技術は取り組んでいかなければならない。特にトラックはこれから高齢化が進むので、防止対策は必然である。それに伴い、ビッグデータ等を活用し、きちんと原因分析を行うことが必要である。

自動点呼や遠隔点呼によって省人化が実現できる反面、運転者、管理者や経営側に求められるスキルも高度化していくのではないか。高度化していく業務を運送事業者が担えるようにスキルを標準化しいわゆるリスキリング支援の対象としてはどうか。

12月8日 第三回

委員会としては、飲酒運転の目標がいちばんひどい結果だったと認識していると思う。

どれくらい気合いをいれて要因分析をしているのだろか気になるところだ。

「点呼未実施起因飲酒運転事故」は17%。なるほど。不明が34%か・・・。

運転中6件・・・!

アルコール検知器義務化以後の再発防止は、10年ほぼ変わっていないと思う。

残された強化策はまだあるはずだ。

議事録で、群馬県伊勢崎の飲酒トラックドライバー一家3名死亡事件

今日(12月21日)時点では議事録は未公開。

上記、「運転中の飲酒 6件」のうち、1件は伊勢崎の現行犯事故(死亡事故)のはずだ。

この事件(事故)は、間違いなく、「飲酒運転ゼロを掲げている安全プラン2025」最中に起きた、痛恨の事故のはずであろう。

もし委員や事務局である物流・自動車局が、飲酒運転ゼロに関する議論のなかでこの件について一度も言及していなかったとしたら? 

すでに令和7年1月、当該ドライバーが所属していた企業への死亡事故を端緒とした特別監査が行われ、その結果をうけて行政処分が下され、公表されている。

飲酒運転34件はすべて監査が行われているであろうから、行政処分の違反行為の明細が34社分わかるはずだ。おのずと、直接要因、間接要因が浮かび上がってくるのではなかろうか?

この程度の情報分析がもしできない委員なら、ずいぶんノンキな面々ですね、と言いたい。

「有識者ボードにおける客観的事実(飲酒運転を起因とした監査による行政処分認定)に基づいた再発防止」

と、

「事業者による再発防止実例」

混同してないですか? 

委員会は、アイディア整理だけではなく、「施策実施の強度」まで進言すべきでしょう?

プラン2030、まさか「啓発」だけとか?

プラン2025の 2の①の 1番目の項目

○点呼の正しいタイミングの周知や、アルコール検知器の要件追加による、点呼時のアルコールチェックの強化

「アルコール検知器の要件追加による、点呼時のアルコールチェック強化」

この施策、漏れてますよ・・ 宿題忘れです・・。 安全政策課 さま  あと3ヶ月しかないですよ・・。

委員のひとも、現行プラン2025の上記ページを読んでこれくらいは突っ込んでほしい。

アルコール検知器の要件追加とか、点呼の要件変更なら、すぐに出来ると思う。

だって、もうやってますからね。貸切バスで。ほら。

貸切バスは飲酒運転ゼロ(統計) 達成出来てますし。

貨客混載も今後は必要でしょうし、ナンなら「異業種間遠隔点呼」にも踏み込む可能性もあるでしょうから、設備投資の要件は業種で差分をつけずにイコールフィッティングでいいんじゃないでしょうか。