プロドライバー飲酒運転2023-2024 バスは5年連続ゼロを達成~! なのに2024年から貸切バスは規制強化。トラック飲酒運転ゼロ施策、どうなる?
2024.5.9
トラック、バス、タクシー事業者の皆様におかれましては、国土交通省自動車局の「事業用自動車安全通信」というメールマガジンを受信している方も多いと思われます。
このメールマガジンは、国土交通省が、事業用自動車に関する事故情報等のうち重大なものを事業者に情報提供することで、事故防止の取組への活用を目的に、平成21年6月からメールマガジンの配信を開始し、毎週金曜日に定期配信されているものです。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/anzenplan2009/backnumber.html
購読者数は運送事業者や運行管理者等をはじめとして2万人を突破、しているとのこと。
飲酒運転事案(トラック、タクシー、バス)
このメールマガジンは速報的に重大事故、死亡事故を報告するとともに、飲酒運転事案も重大なこととして報告しています。
プロドライバーの飲酒運転事案(最終的な事故統計は警察庁やITARDAのデータが正とされます)を追っています。
以下、年計です(アルコール検知器義務化が施行されたのが2011年5月1日ですので、〆を4月30日としています)。
やっと10件を切りました! いよいよゼロが近づいている・・! と言えるのではないでしょうか!
さて、業種でいうと、ほぼトラック事案です。
タクシー、1件。
バスは5年連続「ゼロ」達成! です。
酒気帯びプロドライバー全313件データベース(エクセルファイル)はこちら。
教育・啓発等自由にお使いください。
飲酒規制 業種間イコールフッティングについて
ん? ん? ん? バスは飲酒運転ゼロ 達成していますよね・・。
でも、2024年4月に施行されたのは・・
貸切バスだけ、アルコール検知器の運用の規制強化が行われました。
トラック業界がこうなるのも時間の問題ですかねえ・・。
いや、トラックは何せドライバー数が多いから・・ということだとするならば、「飲酒運転ゼロ」という定量数値目標は間違っています。
「ドライバー数100人あたりの飲酒運転率」とかいう数値目標を掲げて、業界ごとのドライバーを「考慮」してあげなければなりません・・・。交通事故の統計上、「住民あたり」という考え方が普通なので、ドライバー数あたりの件数で語るのは正しいと言えます。
って、そんなことします? するなら、次期事業用自動車総合安全プラン2030は、「飲酒運転ゼロ」の表現や定義を変えたほうがいいかもしれません。
ちなみにトラック(軽貨物を含む)のプラン2025では
- ① 令和7年までに死者数190人以下
- ② 令和7年までに重傷者数1,280人以下
- ③ 令和7年までに人身事故件数9,100件以下
- ④ 飲酒運転ゼロ
- ⑤ 令和7年までに追突事故件数3,350件以下
とされています。
トラック協会におかれましては、もし自動車局が次ぎの施策として、貸切バスと同じアルコール検知規制・デジタル点呼規制が「イコールフッティング」されることに反対されますか?
来年立ち上がるであろうプラン2030の検討委員会の民間委員たちは、この点をもちろん指摘しますよね??
既存の運輸業界系メディアで、
・飲酒運転の事故統計
・規制対象業種(乗合バス,貸切バス,タクシー,トラック)ごとの点呼の実施率(行政処分率・件数)
を調査した上で、デジタル点呼規制・アルコール検知器規制をかける対象事業と順序について考察をするところがないのがまったく不思議でございます。
路上を走行している事業用自動車のうち、バスやタクシーとくらべてトラックのほうが酒気帯びドライバー人数が多い。事実でございます。世間、社会がそう見るのも無理はないかもしれません。そう見られている業界に入ろうという若者はいますか? というのは言い過ぎですか? 少ないからいいじゃないか、ですか?(では、目標はもう掲げなくていいですよね)
さて今回のデータのほか、国土交通省では2024年2月に飲酒運転防止に関するセミナーを行っています。今後の施策が示唆されています。
今後の施策。
アルコールスクリーニングテストの普及を促すようです。
国家として国民に対して「飲酒ガイドライン」もつくったことですし、国土交通省におかれましても堂々と指導監督の告示に含めるべき、と考えます。
当社では、アルコールスクリーニングテストや、アルコール代謝を学べるフリーのアプリを提供しています。いずれ、運輸業界では義務となるかもしれません・・。今は、気軽にお使いください。