(1)大型トラックの酒気帯び衝突事故
3月28日(月)午前0時30分頃、山口県の高速道路において、福岡県に営業所を置く大型トラックが走行車線を運行中、ハンドル操作を誤り、追越車線を走行していたトラックの側面に衝突した。
この事故による負傷者はなし。
事故後の警察の調べにより、当該大型トラック運転者の呼気からアルコールが検出されたため、道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕された。
◆◆◆メールマガジン「事業用自動車安全通信」第651号(R4.4.1)
・まさか高速道路の隣の車線で走っている大型トラックが、飲酒していたとは、同業者のトラックドライバーは思わなかったでしょう。
・負傷者がなくて幸いでした。
・該当ドライバーは、福岡の事業者(所)。
それにしても、これだけじゃあ、わかりません・・
・事故時間は午前0時。現場が山口県。福岡からは近いですよね。出発後? 帰社中?
・点呼(対面もしくはITもしくは電話)は実施されたのでしょうか? 二日酔いという時間とも思えません。
・義務化されているアルコール検知器は、役に立たなかったのでしょうか?
・当該ドライバーの飲酒習慣(auditの点数等)はどうだったのでしょうか?
・警察による呼気アルコール検知器の結果数字は、どれくらいだったのでしょうか?
・濃度数値は、残酒なのか。故意の飲酒なのでしょうか?
今後、このような事実を、メールマガジンの内容には含めていただきたいです。
ところで、プラン2025
国土交通省は、2021年3月にプラン2025で宣言した飲酒運転防止の施策を、1年たっても、ほぼやっていません。
何か事情があるのでしょうか? 意図的な放置なのでしょうか?
一方で、本日、白ナンバーのアルコール検知器義務化がいよいよ始まりました。
現状、緑ナンバーも白ナンバーも、実質、アルコール検知器の要件や、点呼の実施義務はほとんど同じです。
大きな違いは、行政処分、だけです。
これを、緑ナンバーはゆるい(一般企業並み)とみるか、白ナンバーは厳しい(緑ナンバー並み)ととるか・・。
昨年から、緑ナンバー事業者の飲酒運転の報告件数がぐっと減ってきています。かなりゼロに近づいてきているな・・という矢先の今回の事案でした。
しかしながら、目標はゼロですので、そのために当社は、緑ナンバーは以下の施策が必要と考えています。
- 記録型のアルコール検知器の結果を定期的に運輸支局か県トラック協会局へ提出することを義務づける
- クラウドアルコールチェックの仕組みで、運行ごとに、運輸支局または県トラック協会へリアルタイムでデータ送付することを義務づける
- 飲酒事案があった場合、再発防止として、「アルコールインターロック装着」を行政指導で義務づける。
- 点呼実施の証拠が残る「点呼機器の設置」を義務づけ、点呼データの提出を3年間義務づける
- 指導や教育の問題であれば、「飲酒教育の実施と記録保存」を義務づける
白ナンバー義務化の流れのなか、引き合いが増えてきておりますが、一般事業主の傾向として、あきらかに緑ナンバーよりも「デジタル化」「IT化」の志向性が強いと感じております。
やはり緑ナンバーのほうが、アナログ管理を根強く残そうという空気を感じます。いまだに紙文化が根強い運輸局文化の影響ではないか・・・なんてことも思います。
<ヘッドライン写真と本文は直接の関係はありません>
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