安全運転管理者

 

白ナンバー事業者

 

飲酒運転防止

 

白ナンバー義務化から、まもなく730日。形骸化を防ぐには?

2025.10.31

白ナンバー事業者が法制化に対応するためアルコール検知器や管理システムを導入するようになってから、はや2年。
チェック体制は「整ったように」見えます。


しかし実際の現場で形だけのチェックになってしまっているケースを、営業現場でよく見かけます。

「今日は忙しいから、もうやったことにしておこう」
「拠点によって、やる人・やらない人の差がある」
「チェックが目的になっていて、なぜ測定するかを誰も話していない」

検知器やシステムを導入することがゴールではありません。
毎日、正しく続けることこそが目的です。けれども、制度としての義務が先に立ち、
なぜそれを行うのかという意識の育成が追いついていない現実があります。

現場で実際に起きた「形骸化」の事例

システムや検知器だけでは意識は変わりません。

アルコールチェックの運用を続けていくうえで、本当に大切なのは、
「なぜこのチェックを行うのか」を理解することです。


いくら高性能な検知器や便利なシステムを導入しても、
言われるがままという意識のままでは、測定漏れや形骸化はなくなりません。

最近でも、大手運輸・航空会社でアルコールチェックに関しての不祥事が報じられました。

〇日本郵政 郵便局での点呼不備・全国の75%(2391か所)
https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2025/00_honsha/0423_03_02.pdf

〇日本航空株式会社に対する厳重注意について
https://www.jal.com/ja/safety/trouble_info/pdf/warning_250910.pdf

調査報告書を読むと、現場には以下のような意識の欠如が記されています。

「周囲もやっていないから、自分もやらなくていい」
「業務繁忙時は行わなかった」
「自分は飲酒しないのでアルコールチェックは不要だと思っていた」

さらに、乗務後点呼のアルコールチェックについては、
「勤務時間中に飲酒する社員がいるはずはない」という思い込みから、
必要性が十分に認識されておらず、実施率が低下していたとも記されています。

そんな、都合のよい解釈が現場に残っているのです。

教育の重要性

では、どうすれば意識を変え、運用を定着させることができるのか。
その答えのひとつが、教育の仕組みづくりです。

ここでは、実際に企業で取り組まれている2つのステップを紹介します。

1つ目 飲酒の教育

なぜアルコールチェックや点呼を行うのか、その根底を理解するための教育です。
具体的には、特定非営利活動法人ASK認定 飲酒運転防止インストラクターによる講座が有効です。
当社でも、定期的にウェビナー形式で講義を実施しています。

当社ウェビナーでのコンテンツ(例)
・アルコールにまつわる基礎知識
・アルコールが運転に与える生理的影響
・お酒にまつわる常識&法律クイズ

こうした講座は、アルコールに関する正しい理解を深め、
なぜチェックをするのかを自分事として考えるきっかけになります。

 

2つ目 アルコールスクリーニングテスト

皆さま、AUDIT(Alcohol Use Disorders Identification Test)はご存知でしょうか?

世界保健機関(WHO)によって開発された問題飲酒者のスクリーニングテストです。
日本では、国土交通省「自動車運送事業者における飲酒運転防止マニュアル」においても、
アルコール依存症のリスクを把握する有効な手段として紹介されています。

国交省 「自動車運送事業者における飲酒運転防止マニュアル」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03manual/data/drunk_driving_prevention_manual.pdf

厚生労働省 
保健指導における アルコール使用障害スクリーニング(AUDIT)と その評価結果に基づく 減酒支援(ブリーフインターベンション)の手引き
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu/dl/hoken-program3_06.pdf

このようなスクリーニングテストを通じて、ドライバーは自分の飲酒傾向を客観的に知ることができ、
管理者も社員ごとの傾向を把握することで、より効果的な教育につなげられます。

こうした教育の場では、単に「飲酒運転は危険です」と教えるのではなく、
「なぜ自分がアルコールチェックをするのか」「飲酒運転が起きたとき、誰が、どのように傷つくのか」
そんな人としての理解を深めることが重要だと考えます。

技術やルールだけでは届かない、心の部分に触れることで、
チェックの意味を自分事として考えられるようになる。
これこそが、本当の意味での定着につながると考えています。

アルコールに関する総合サービス

東海電子は、アルコール検知器メーカーとして製品をつくるだけの会社ではありません。
私たちが目指しているのは、「飲酒運転ゼロの社会」そのものです。
だからこそ、検知器やシステムの提供にとどまらず、AUDITや飲酒教育プログラムなど、
人の意識にアプローチする取り組みも行っています。

システムだけでも足りない(形骸化)。教育だけでも足りない(仕組み化されない)。

白ナンバー事業者の皆さまへ。
「アルコールチェックをデジタルベースで仕組み化したい」
「教育の仕組みを社内に根づかせたい」
そうお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

東海電子は、技術と教育の両面から、安全文化の定着を支え続けます。

白ナンバー事業者向け安全運転管理DXシステム「アンマネ!PRO」

アンマネ!PRO(白ナンバー向け安全運転管理DXシステム)はこちら

クラウド型飲酒習慣管理「AUDITクラウド」

職場における“飲酒リスク”に切り込む
— 見えない習慣を可視化し、“測る”から“支える”へ —

AUDITクラウド(飲酒傾向チェック・管理ツール)はこちら