安全管理

 

点呼管理

 

デジタル点呼義務化

 

日本郵便の点呼問題とハインリッヒの法則

2025.6.10

今回の日本郵便における大規模な点呼不備。
これをハインリッヒの法則の視点から見ると、これまで大きな事故が起きなかったのは、
まさに奇跡としか言いようがありません。

ハインリッヒの法則とは、「1件の重大事故の背後には29の軽微な事故があり、
さらにその奥には300のヒヤリハットが存在する」という、安全管理の基本概念です。

例えば、4月に発覚した日本郵便の20件もの酒気帯び運転を「29の軽微な事故」として仮定するならば、
その背後には計り知れない数のヒヤリハットが潜んでいると推測できます。

今回の件で、日本郵便では点呼の重要性に対する認識不足が組織全体に浸透していたことが明らかになりました。これは単なる個々の従業員の問題ではなく、組織文化そのものの問題と言えるでしょう。

運送業界では、点呼のデジタル化や自動化が急速に進んでいます。
日本郵便も「特別枠」ではありません。
社会インフラを担う運送事業者として、積極的にこれらのテクノロジーを導入し、
模範となる点呼実施へ舵を切ることが、失われた信頼を取り戻す第一歩となるはずです。
法令を遵守することは、単に罰則を避けるためだけでなく、企業としての社会的責任を果たすために不可欠なのです。

ハインリッヒの法則が教えてくれるのは、日々の点呼こそが重大事故を防ぐための最も重要な砦だということです。点呼の意味を改めて深く理解し、背後に潜む膨大なヒヤリハットに真摯に向き合うことこそが、
安全な運送業務を支える揺るぎない基盤となるでしょう。