点呼管理

 

デジタル点呼義務化

 

日本郵便の点呼問題、嵐の前の静けさ? 周知の事実? 業界総呆れ? 郵便が止まる? 知らんけど。

2025.5.4

実につまらない事案なので、本件、事実関係中心でフォローしておきます。

先日5/2(金)の国交省のメールマガジン「事業用自動車安全通信」第809号(R7.5.2) より

2. トピック
(1) トラックの法令遵守の徹底について (配信日:R7.4.25)
 令和7年4月23日付けで、国土交通省物流・自動車局安全政策課長より、トラック事業者関係団体あてに、通達を発出   いたしました。
  4月23日に日本郵便株式会社より、社内調査の結果、貨物自動車運送事業輸送安全規則第7 条(点呼等)の規定に違反し、アルコール検査や点呼を適正に実施していないことが、全国約3,200 営業所の75%に当たる約2,400の営業所において確認された旨、国土交通省に報告があった。
 輸送の安全確保は、自動車運送事業者の最大の使命であるが、安全確保の要である点呼を多くの営業所において適正に実施していなかったことは、事業者に法令遵守の意識が欠如していたものと言わざるを得ず、輸送の安全確保を揺るがしかねないものである。
 ついては、トラックの安全確保の徹底を図るため、貴会傘下会員に対し、点呼の実施等の法令遵守の徹底が図られるよう、下記事項について、改めて、周知徹底を図られたい。

                                    記

1.事業者は、輸送の安全確保を再確認し、安全確保の原点に立った適正な運行管理を実施すること。特に次に掲げる事項に ついて、改めて徹底すること。
(1)運行管理者もしくは補助者又は貨物軽自動車安全管理者(以下、運行管理者等という。)は、アルコール検査の実施等、法令に定められた点呼を確実に実施すること。
(2)事業者は、輸送の安全確保が自動車運送事業者の最大の使命であることを再認識し、貨物自動車運送事業法関係法令に定められた規定を確実に遵守するよう、運行管理者等を指導監督すること。

 

ハイハイ。
受け取った業界団体は、呆れているのではなかろうか? 

郵便が止まろうがしったこっちゃない。とっとと国土交通省・運輸局が、他の事業者と同じように行政処分を下せばいいだけの話。

 

発端は、コレ? 2023年のあの事件

みなさん、コレ・・覚えてますか? 

2024年8月 行政処分↓ by 近畿運輸局 2024年

 

近畿支社管内の郵便局調査、2025年3月公表

2024年8月の処分裁定以降、社内調査があったのでしょう。内部タレコミがあったのでしょう?

点呼未実施が発覚し、社内調査の結果をこのような報告書として公表しています。
https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2025/00_honsha/0311_01.html

当該事例を受けて近畿支社管内の郵便局の1週間の点呼業務執行状況を確認したところ、期間中、1回でも何らかの不備があった郵便局が140局ありました。現在、当該140局について、不備の詳細(内容・割合・頻度等)の調査を実施しています。

おっと。やばいね。全国調査しなきゃねえ! 

 

2025年4月23日、日本郵便公式発表。

その後、全国の郵便局において点呼業務執行状況の調査を実施し、結果が取りまとまりましたので、調査結果及び再発防止策等を報告します。

でました。でちゃいました。全国調査結果。


ウェブサイト広報資料
https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2025/00_honsha/0423_03.html

 

 

 

日本郵便は、2010年で時間が止まっているようだ。

報告書より。(以下引用だが、赤線は本誌が加工した)

ア 本来、運送事業者として車両を利用する限りは「点呼と運送はセット」であるというプロ意識を持って従事する必要があるにもかかわらず、その意識が希薄化していた。調査においても「周囲もやっていないから、自分もやらなくていい」、「点呼は面倒だから管理者がいるときのみやっていた」、「業務繁忙の時は行わなかった」という声が多く確認された。

いつの時代?

また、飲酒をしない社員からは、「自分は飲酒しないのでアルコールチェックは不要だと思っていた」といった意見も多くあった。

いつの時代?

イ 特に乗務後点呼のアルコールチェックについては、「勤務時間中に飲酒をする社員がいるはずはない」という思い込みなどから、その必要性が十分に認識されておらず、乗務前に比べアルコールチェックの実施率が低くなっていた。実際には戸塚郵便局で勤務時間中の飲酒運転事案が発生し、「勤務時間中に飲酒をする社員がいるはずはない」という考えは誤った認識であり、その事案を全局の社員に周知し注意喚起していたにもかかわらず、誤った認識を改善させるまでには至らなかった。

ウ 形式的に書類が整っていれば検査等でも発覚しないとの考えから、点呼を実施していないにもかかわらず、点呼記録簿は作成するという行為が行われていた。

多数の郵便局で点呼が適切に実施されていないにもかかわらず、関係帳票の書面上は適切に実施しているように記載されていた

虚偽、ソレ虚偽! 

 

再発防止・・。

アナログ管理が不正の温床であることを、これほど端的にあらわす報告書はなかなか見かけません。

デジタル点呼データ保存は、インセンティブや効率ではなく、義務にすればすっきりする。

ウ 点呼のデジタル化 現在は人の目でカメラ映像を確認すること等により点呼執行状況を把握しているが、今後は、現在制度化されている遠隔点呼や自動点呼等の点呼関連システムを導入することで、点呼に係る省力化・確実な点呼記録・点呼記録の一元管理等を進めていく。

2010年から、2025年の世界観へ。

あ。

エ 法改正に伴う「貨物軽自動車安全管理者」の早期選任
法改正に伴い新たに設けられた「貨物軽自動車安全管理者」の選任要件となっている「貨物軽自動車安全管理者講習」について、独立行政法人自動車事故対策機構と早急に調整の上、必要な社員を早期に受講させる。受講後は、速やかに「貨物軽自動車安全管理者」として選任・届出することで点呼執行のための万全の態勢を整えていく

サラッと最後に付け加えてますけど。点呼よりこっちのほうが、一番やばくね? 

下記別紙。点呼未実施、不適切一覧表~!

衝撃的すぎて。真面目に点呼をやってらっしゃる企業は、怒りで血管が切れるかもしれません。

見ない方がいいかも・・

 

郵便は、別の世界観で動いている模様。

 

監査の結果は、これから。どうなる? 

https://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin250425.html#gm2

日本郵便における運転者に対する点呼について

(記者)

日本郵便の点呼問題について、先日、日本郵便が全国の調査結果を発表しました。
全国2391局で不適切な状態だったことが分かっていますが、大臣のこの調査結果に対しての受け止めと今後の御対応を教えてください。
また、車両停止の行政処分が出れば、物流機能に一定の影響が出ることは避けられないと思うのですけれども、これに関しても所感を教えていただけたらと思います。

(大臣)

今週23日(水)に、日本郵便から国土交通省に対して、点呼業務を実施しないまま配達業務を行った点呼不備事案に係る調査結果の報告がありました。
日本郵便の報告によると、全国3188の営業所のうち、約4分の3にあたる2391の営業所において、不適切な点呼が行われていたこと、今般調査を行った点呼件数のうち、約4分の1が不適切なものだったこと、その原因としては、点呼の重要性に対する意識の欠如や同社のオペレーション関係部署や検査部門におけるガバナンス不足があったことが認められた、とされています。
点呼業務を実施しないまま貨物運送事業を行うことは、輸送の安全の確保を揺るがしかねないものです。
本日より、日本郵便に対する監査を開始します。
国土交通省としては、今回の報告内容に係る事実関係を精査した上で、貨物自動車運送事業法上の不備がある場合には、厳正に対処していきたいと考えています。

”本日より、日本郵便に対する監査を開始します”

そうですか。監査大変ですね。ほとんどが手書きでしょうからね。手書きは無敵ですね。

「手書き×対面点呼」時代。仮に2000年から2020年としましょう。


プラン2025(2020~2025)によって、遠隔点呼と自動点呼は「対面」と定義されたことによって、「手書き×対面点呼時代の終わりの始まり」は、政策的に加速しました。

今回の事案、「粛々と処分して終わり」とするのか?

プラン2030検討会の議題に、正式に

「不正の温床であるアナログ管理・手書き帳票の禁止」としてあがる端緒となるのか。

「旧対面×手書き点呼」時代の最終章のトピックとして象徴的に扱われるのか。

処分どうなる? 郵便どうなる? 知らんけど。 

点呼や安全管理に、ある意味いのちをかけて取り組んでいる事業者のみなさんからすると、こんな馬鹿げた、くだらない、面白くない話はないと思う。

国土交通省は、4月23日付けで貨物軽自動車運送事業適正化協議会・全日本トラック協会・全国霊柩自動車協会会長宛に以下のような通達を発出しています。

出典:東京都トラック協会 サイトより

聞こえてきます。全ト協会→県ト協→ 受け取った各県のトラック事業者から、

「はあ? アレと一緒にすんな!」って。