Gマーク制度

 

事業用自動車総合安全プラン2030

 

事業許可更新制

 

さよならGマーク、こんにちは「事業許可更新制」?

2025.1.12

Gマークなんて意味がない、と言いたいわけではありません。

貨物自動車運送事業者はGマークを絶対に取るべきと考えます。

なぜなら貨物自動車運送事業法や道路運送車両法等について「事業許可を得てから」本当に守れているかを事業者が自らチェックできるとてもよく出来た制度であり、消費者にとっても路上が安全に使われていると思える、とても素晴らしい安全評価事業だからです。

実際、Gマーク事業者は本当に安全度が高いのです。

国土交通省のリリース分にはこうあります。

トラックはひとたび事故を起こせば、重大事故に発展することが多く、被害は甚大です。
2023年(1月~12月)の事業用トラック1万台あたりの事故件数をとりまとめたところ、Gマーク認定を取得したトラックの死亡・重傷事故の件数は、認定を取得していないトラックと比較して30%以下となっています。

30%以下(!)

なんという違いでしょう。Gマーク事業者と、非Gマーク事業者。

Gマーク事業者は、この数字が表すように本当に安全なのです。

実際、事故削減に大きく貢献してきた制度だと言えます。

 

何が審査されている?

法令遵守度合いです。

安全活動の積極性です。

 

 さらにはGマークを取れるとこんな「特典」もございます。

任意の限界

でも、冷静に見てみましょう。

約20年で33.9%。

6割以上のトラック事業所が取得していない制度なのです。

約20年間で34%弱とは、「伸び」(増加数・率)ではこんな感じなのです。

よくある普及率の話で 80%をこえちゃったら飽和とか、6割でサチっている、とか言いますが、まだ34%ですからね。

20年間、トラック協会や国土交通省がさまざまなキャンペーンやインセンティブを設けながらも、6割のトラック事業所は、「取れない」のか「取らない」のかわかりませんが、未取得なのです。(事故による返上もありますが体勢にかわりはないです)

シンプルにいえば、「任意」だから でしょうか?

取得していないことに行政からペナルティが課されることはありません。

 

貸切バスに次いでトラックも「事業許可更新制」になるか?

 

全日本トラック協会は2025年、議員立法で許可更新制度を目指すようです。

貸切バスにおいては、軽井沢スキーツアーバス事故を端緒として、結果「事業許可更新制」となりました。

 

トラックのGマーク制度は一定の成果を上げてきたと思います。

しかしながら、いまだに「IT点呼を実施できます」なんていうインセンティブ設計が残っていたり、(自動点呼や遠隔点呼制度がどんどん新しくできてるのに)、ASV補助事業とかぶっていたり等、時代にそぐわなくなっているように見えます。

この際なので、まじめにGマークを取得している・してきた事業者が「正直者が馬鹿を見る」とならないよう、「悪貨」も「良貨」も更新制という公平な土俵で勝負させるようにしたほうが良いと思う。

せっかく2024年問題対応のために改正した物流法2025が効果的に運用されるためにも、シンプルに「許可更新制」をスパッと始めてしまったほうがスッキリすると思う。

嫌みな言い方をするならば、
「Gマーク取得率が低調なのは、物流法2025対応のしわ寄せが小規模事業者にきているから」と因果がはっきりしてしまう前に、です。

更新できる・できない という事後的に法令遵守度合いを強制チェックするくらいの強度じゃないと、競争の土台が調わないのではないか。

具体的な実現方法として、議員立法と同時に、事業用自動車総合安全プラン2020のときのように、次期 事業用自動車総合安全プラン2030において明確に「トラックの事業許可更新性」が入ることを期待したいと思います。1年後には結果がでていることでしょう。

貸切バス行政で出来たわけですから、同じ「物流・自動車局」内ですから、トラック行政でも出来るはずです。それこそ 巡回指導やGマーク審査自体が、更新の審査に近いようなものでしょうから。

さて、8万事業所の監査・審査をやるマンパワーが運輸局にあるか・・?

という課題もあるでしょう。が、更新実務も「更新監査のICT化・高度化」すれば、生産性の高い更新監査になるのではないでしょうか。

そうDXが求められているのは実は運輸局側の監査システム・情報基盤システムではなかろうか。 

「巡回指導+Gマーク+更新制なし」という第1章が終わり、
「巡回指導なし+Gマーク(事業者のセルフ監査的)+許可更新制度(一発勝負)」という第2章が始まれば、”正直者”の話がすっきりするかと思う。