”ストレスチェックの実施義務対象を 50 人未満の全ての事業場に拡大することが適当である” と、ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会は言った。
2024.10.12
この件の続報です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38890.html
検討会はこまめに開催され、いよいよ10月10日に中間とりまとめ(案)が公表されるに至りました。
結論は?
(2)今後の方向性
ストレスチェック及び面接指導の実施により、自身のストレスの状況への気付きを得る機会は、全ての労働者に与えられることが望ましく、個々の労働者のストレスを低減させること、職場におけるストレスの要因そのものを低減させることなど、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することの重要性は、事業場規模に関わらないものである。
・ストレスチェックの実施については、平成 26 年の制度創設当時、労働者のプライバシー保護等の懸念により、50 人未満の事業場において当分の間努力義務とされているが、現時点において、ストレスチェックを実施する場合の労働者のプライバシー保護については、外部機関の活用等により、対応可能な環境は一定程度整備されていると考えられることから、ストレスチェックの実施義務対象を 50 人未満の全ての事業場に拡大することが適当である。
・ただし、50 人未満の事業場においては、産業医がおらず適切な情報管理等が困難な場合もあるので、原則として、ストレスチェックの実施は労働者のプライバシー保護の観点から外部委託することが推奨される。
・また、50 人未満の事業場には、現在の 50 人以上の事業場における実施内容を一律に求めることは困難なことから、50 人未満の事業場に即した現実的で実効性のある実施内容を求めていく必要がある。
・衛生委員会等の設置義務がない 50 人未満の事業場においては、労働者が安心してストレスチェックを受検できるように、関係労働者の意見を聴く機会を活用することが適当である。
・ストレスチェックの実施結果の監督署への報告義務は、一般健診と同様に、50 人未満の事業場については、負担軽減の観点から課さないことが適当である。
・このほか、50 人未満の事業場に即した、労働者のプライバシーが保護され、現実的で実効性のある実施体制・実施方法についてマニュアルを作成し、周知を徹底することを前提とする。特に、10 人未満等の小規模な事業場については、その実情を考慮した取り組み可能な実施内容を示す必要がある。
・また、ストレスチェックの実施を外部委託することが多くなると、一方で外部機関のサービスの内容及び費用の設定は様々であるので、その適切性が一層問われることとなる。このため、外部機関に委託する場合のサービスの質を担保することが重要であり、50 人未満の事業場が、委託する外部機関を適切に選定できるようにしていく必要があることから、厚生労働省が「ストレスチェック制度実施マニュアル」で示している「外部機関にストレスチェック及び面接指導の実施を委託する場合のチェックリスト」について、50 人未満の事業場が活用できるように内容を見直し、周知していく必要がある。
・地産保においては、50 人未満の事業場に対して、登録産業医・保健師等による産業保健支援サービスを無料で提供しており、高ストレス者の面接指導について、登録産業医により対応している。ストレスチェックの義務対象を 50 人未満の事業場に拡大する場合、面接指導の対象者が大幅に増えることが予想される。円滑な施行に資するよう、登録産業医等の充実など、地産保で高ストレス者の面接指導に対応するための体制強化を図ることが不可欠である。
・また、面接指導以外の相談を選択する高ストレス者等への対応についても、地産保の体制強化や「こころの耳」の相談窓口の充実を図っていく必要がある。
・これらの支援体制の整備、支援を含めた制度の周知、その上での 50 人未満の事業場における実施体制の整備に要する期間を確保するため、十分な準備期間の設定を行うことが適当である。
どうやら義務化がほぼ決まったようです。ただし、いろいろな条件、措置が施される模様・・・。