昨日、3月23日 令和4年度最後の運行管理高度化検討会が開催されました。
乗務前自動点呼実施要領FIXへむけて、着々と進んでいます。
実験で明らかにすべきこと、最大の難関
乗務「前」自動点呼の実証実験のポイントはいくつかありますが、遠隔点呼や乗務後自動点呼が制度化された時点でほぼ8割方クリアされています。残るポイントは何でしょうか・・。
ズバリ、これです。
⑨健康状態の報告・確認方法の検討
定量的に判断ができる健康状態の確実な確認方法及び健康かどうかの判断について検討が必要。
実質、無人状態、無人時間帯に、機器で点呼する話ですからね。
ロボットやシステムが、「はい、あなたの健康状態は、いまこの瞬間、良好です」とジャッジすることになります。
やはり避けられないか、「整備管理者(補助者)」制度は、自動点呼なみに近代化しているか? 問題
この問題も、いよいよ議論されるべきときが来ました。
日常点検の件です。
⑩車両の整備管理の維持
整備管理者と連携しながら、車両の整備管理を維持する方法の検討が必要。
自動点呼のメリットを台無しにしかねない 困った問題。あまり突っ込まないほがいいのかもしれない、というくらい・・・。
ここをどう解決するのか、じっと見守りたいと思います。
個人的には、「日常点検の自動化」まで一気に行ってしまうのが理想かと。
推薦事業者
実験事業者が決まりました。
スケジュールは、10月以降が不明です。早くて、12月に乗務前自動点呼実施要領公表? おそくて1年後の3月??
対面点呼と自動点呼の ヒヤリハット発生数比較について
運行管理高度化検討会と、実証実験の評価手法について、ものスゴイ違和感を持つ部分があります。
乗務前点呼の是非を問うにあたり、「対面点呼VS自動点呼」という構図で比較されがちですが、そこが比較なの??という感じです。
“ 運行中のリスクをヒヤリハットの発生回数と捉え点呼を行ったときと、運行管理者が、同じ運転者に対して対面点呼、乗務前自動を行ったときで、ヒヤリハットの発生回数に差があるかを検証する ”
当サイトでは、運輸事業者の監査結果をサンプリングして、点呼未実施状況をモニタリングしています。
例 九州運輸局。
https://transport-safety.jp/archives/tag/tb_kyushu
監査の結果、点呼未実施等が一定数みられます。
これは、「点呼未実施運行」がそもそも一定数あることを意味してます。
このような事実がありながら、対面が安全か、自動化が安全か のみにフォーカスすることに、事故防止の観点から大いに違和感があります。
個人的には
「点呼未実施運行時のヒヤリハット」VS「対面点呼実施運行時のヒヤリハット」
「点呼未実施運行時のヒヤリハット」VS「自動点呼実施時のヒヤリハット」
や
「点呼未実施運行が多めの事業所の事故発生数」VS「点呼実施率100%の事業所の事故発生数」
という課題のとらえ方があると考えています。労働生産性ではなく、予防安全観点です。
ヒヤリハット数を評価ポイントにするならば、
「点呼未実施運行時のヒヤリハット数」VS「自動点呼実施時のヒヤリハット数」
とするほうが、自動点呼機器の、「真の存在意義」に迫れるのではないだろうか。
やらない事業者がいることを そうそうたる検討会のメンバーで、議事録に残す前提で話すのは、心理的抵抗があるのは理解できますが、でも、監査の結果は事実です。
無点呼な点呼場を、ロボとはいえ、「点呼実施100%点呼場」にするという文脈で語られた議事を見たことがありません。「対面と自動は相違ない」という点より、「無点呼と点呼実施は大違い」の議論は、この先、語られることがあるだろうか・・。
極端なことを言えば、「自動点呼の義務化」にすれば、事業者は点呼未実施の言い訳ができなくなる(確率があがる)わけです。そうすると、「点呼が安全に貢献できる」という通念も、真実なのか、実は神話なのか、監査や事故数の相関と合わせ、はじめて分析ができるようになると思います。
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