遠隔点呼

 

運行管理高度化検討会

 

遠隔点呼 ”生殺し” 状態はいつ終わるのか?遠隔点呼申請が再開する時期と方法を見立ててみた。

2023.1.18

生殺し状態とでもいいましょうか。

とてもフシギなことに、遠隔点呼というれっきとした制度が始まったのに、事業者がいつまでに申請準備を終えるべきなのか、いつ申請できるのか、どういう申請となるのか、なんだかはっきりしていません。この1月18日時点で。

今後 運行管理高度化検討会での”承認”はしない

12月26日の第三回検討会で、一応、方向性が示されてます。

はい。これははっきりしております。予定通り、検討会開催サイクルにあわせた承認(審査)はなくなりました。

令和5年4月以降については、省令等の改正を実施したうえで、法令に基づき事業者が届出することで実施できることとし、検討会における承認は求めないこととする。

とりあえず、検討会のサイクルでの申請や承認はやめるようです。これは当然と思います。

「省令等改正」とあります。

確かに、唯一の正規文書である『遠隔点呼実施要領』

改訂が必要?

には

期限のルールがあるのですが、実質この部分は今日時点で 「賞味期限切れ」です。制度が仮死状態です。

4月1日以降に遠隔点呼をはじめたい事業者のみなさんは、この正規文書からは、いまどうしてよいか、まったくわからないと思います。文字通り、途方に暮れていることと存じます。

まず、この「省令等」の「等」に該当すると思われるこの『遠隔点呼実施要領』を改訂しなければなりません。


・・ということは、またパブリックコメントが? 4月1日までに間に合う?(いや、当然間に合わせると思いますが)。

リーフレットも、賞味期限が実質切れています。これも改訂されるのだと思います。

公式文書上、令和5年4月1日からについては一切触れられておりません。

 

「遠隔点呼機器」の認定制度が出来て、公示・明示されるだろうか?

先般「乗務後自動点呼機器」の認定制度ができまして、認定機器も公示・明示されています。

しかし、乗務後自動点呼と比べて、遠隔点呼には、検討会における機器やメーカーの実績公表はあっても、乗務後自動点呼のようにメーカー申請・認定制度の概念(章)はありません。

仮説としては、今日時点で

制度名機器認定制度検討会での審査(承認)
乗務後自動点呼要領あり不要
遠隔点呼実施要領なし1月1日開始分までは必要

このようになってますので、

4月1日までに、このように、遠隔点呼が「実施」だけの要領であったのを、自動点呼と同様にメーカー申請の章を加えて、「遠隔点呼要領」とする。このような改定案が考えられます。(私見です)

制度名機器認定制度検討会での審査(承認)
乗務後自動点呼要領あり不要
遠隔点呼(実施) 要領あり不要

別案もあり得ます。

「IT点呼」の制度に揃えて、「機器認定制度なし」にコンセプトに揃えるか? です。

制度名機器認定制度検討会での審査
乗務後自動点呼要領あり不要
遠隔点呼実施要領ない不要
IT点呼ない不要

どっちに寄せるのでしょうかねえ・・・

 

IT点呼や乗務後自動点呼同様、「原則10日前」ルールになるか?

申請~開始のリードタイムについては、次ぎのようになるのではないでしょうか?

制度名申請日
乗務後自動点呼要領原則10日前
遠隔点呼実施要領(改訂)原則10日前
IT点呼原則10日前

 現状遠隔点呼実施要領は

1.遠隔点呼を行おうとする事業者は、下表に定める遠隔点呼を開始しようとする予定月に応じた提出期限までに、別紙1の申請書を遠隔点呼実施営業所等及び被遠隔点呼実施営業所等を管轄する運輸支局長、運輸監理部長又は陸運事務所長(以下「運輸支局長等」という。)に提出すること。


となっている部分を、乗務後自動点呼

1.乗務後自動点呼を行おうとする事業者は、乗務後自動点呼実施予定日の原則10日前までに、乗務後自動点呼を実施する営業所等を管轄する運輸支局長等に様式8の届出書を提出すること。

これと同じ記載になるのではないでしょうか。

こういうこと?

「 遠隔点呼を行おうとする事業者は、遠隔点呼実施予定日の原則10日前までに、遠隔点呼を実施する営業所等を管轄する運輸支局長等に別紙1の届出書を提出すること

旅客自動車運送事業運輸規則&貨物自動車運送事業法輸送安全規則は?

省令等改正とありましたので、大きいところでは、運輸規則や輸送安全規則まで変えるか? というところです。

さすがにこれは、一大事、なので、ないのかなあ・・と見立てています。

法・規則名IT点呼遠隔点呼自動点呼
旅客自動車運送事業運輸規則 改正なし改正なし改正なし
貨物自動車運送事業法輸送安全規則改正あり(2006)改正なし改正なし

では、通達レベルではどうだろうか。

通達(解釈)IT点呼遠隔点呼自動点呼
(乗務後)
旅客自動車運送事業運輸規則の解釈及び運用について改正なし改正なし改正なし
貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について改正あり(2006)改正なし改正なし

現状こういう状況でありますところを・・・

このように、解釈の通達レベルの文書において、もはや対面点呼の概念はくずれていることを、用語の定義からしなおすことが正解な気がします。

通達(解釈)IT点呼遠隔点呼自動点呼
旅客自動車運送事業運輸規則の解釈及び運用について改正あり(2016)改正改正
貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について改正あり(2006)改正改正

通達改正もまたパブリックコメントが間違いなく必要で、まあまあ大ごとかと・・。でも、ここでやるべきという気もしますが。あるいは、『乗務前自動点呼要領』 完成まで引き延ばすのだろうか・・。

まとめますと

○1月30日頃 遠隔点呼実施要領(か解釈の通達)の改定のパブリックコメント 告知

○2月15日 パブコメ締切

○3月15日 パブコメ結果公表と同時に、「4月1日以降開始の申請受付開始」を宣言

○(各運輸支局での書面チェック)

○4月1日 日本全国すべての旅客・貨物運輸事業者が申請および遠隔点呼を「いつでも始められる」制度となる

こんな見立てでしょうかねえ。