運輸安全委員会

 

海事局

 

海上運送法

 

知床遊覧船事故

 

運輸安全委員会、今回は身内に忖度なし。”そんな監査やってんのか!” と聞こえるのは遺族の代弁だからか。

2022.12.21

経過は過去の記事で伝えておりましたが、あらたな証言がでているようです。
道路での事故は一瞬の出来事であろうと思いますが、船はそうではないようです。

助からないと自覚するのだと、わかります。突き刺さります。ああ。

本船に乗船中の旅客の1人は、13時20分ごろ、自身の携帯電話から「船が沈みよる。今までありがとう」と当該旅客の親族に伝え、また、本船に乗船中の別の旅客は、13時21分から5分間程度、自身の携帯電話で当該旅客の親族と会話をし、「船首が浸水して船が沈みかかっている。浸水して足まで浸かっている。冷た過ぎて泳ぐことはできない。飛び込むこともできない」などと話した。 この13時21分からの通話が、船舶事故調査官の調査により確認された‘本船の旅客、船長及び甲板員’(以下「旅客等」という。)との通信のうち、最後のものであった。

死亡確認18人、行方不明6人(いまも)。
あらためて思う。これほどの事故がありましょうか。

技術的な解析報告が詳しくなされていますが、頭に入ってきません。
なぜか。

無視された、助言。

⑥ 本船船長への助言 KAZUⅢ船長及びKAZUⅢ甲板員の口述によれば、KAZUⅢ船長及びKAZUⅢ甲板員は、本船船長に対し、本事故前日に、明日は海が荒れる旨を伝え、本事故当日も、午後から海が荒れてくる旨を伝えたが、いずれに対しても、本船船長から問題視する様子は見られなかった。

同業他社社員の口述によれば、同業他社社員は、天気予報を見て、本事故当日の気象・海象が悪くなると思っていたので、本事故当日の朝、本船船長に対し、「今日はだめだぞ」「行ったらだめだぞ」と伝えていた。


忖度なし、厳しい指摘。

4 今後の調査・分析の方向性

において、運輸安全委員会は、北海道運輸局とJCIの監査の実効性に、はっきり疑義を呈している。

(4) 監査・検査の実効性に問題があったこと

北海道運輸局は、令和3年5月及び6月に発生した本船の事故に関し、本件会社に対する特別監査、及びその後の是正状況の確認として、抜き打ちでの確認を実施し、安全管理規程に関すること及び定点連絡地点や連絡手段に関することのいずれについても適切に対処しているとの評価に至った。しかしながら、本事故時はこれらの事項が適切に行われていなかった。

また、JCIは、本船の通信設備について、衛星電話(イリジウム)から知床半島西側の海上エリアでの電波受信が困難なauの携帯電話への変更を認めていた

さらに、第1種中間検査(令和4年4月21日結了)を行った直後であるにもかかわらず、本船の本事故当時のバラスト積載状況は、船舶検査証書に記載された積載方法と異なっていたことが判明している。 北海道運輸局による監査やJCIの検査が実効性を有しなかった要因について分析を進め、国土交通大臣に対し、地方運輸局の監査能力の向上を図る方策や検査機関に対する監督のあり方についての検討を促していくことが今後の課題となる。

かなり勇気のいる記述ではないかと思います。というか、

「どっちも監査レベル低いね、 ちゃんと仕事してんのか!!」

って、聞こえませんか?

それほどの事故が起きたんだよ、という怒りすら感じます。いや、恫喝してるというか。

いずれにせよ、かなり考えてこの記述を入れたのだと思います。

この事実の指摘は、おそらく民事の裁判にも大きく影響を与えることになるでしょう。