飲酒

 

アルコール健康障害対策基本法

 

悪化しているのは50代女性の飲酒か? ~健康日本21(第二評価評価)を受けて、日本人の新飲酒ガイドラインへ向けて検討会が発足したようだ。

2022.12.14

飲酒教育でよく引用される「健康日本21」。
お酒に限らずですが、日本人の健康増進はどうあるべきか? どうなっているのか?の報告書が出ております。

目標値がありまして、お酒に関しては

生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者(一日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上の者)の割合の減少

という目標がありました。

ところが、今般公表された報告書では、数少ない

D評価=悪化

という結果評価となっていました。

以前よりも、飲酒習慣の改善が進んでいない、節酒、減酒の啓発が功を奏していないということなのでしょうか・・・。

5.栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善に関する目標

飲酒は

①健康寿命の延伸と健康格差の縮小

②生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(NCD(非感染性疾患)の予防)

③社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上

④健康を支え、守るための社会環境の整備

⑤栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康に関する生活習慣の改善及び社会環境の改善

5.に該当します。

報告書をよく見ると、

悪化=Dですが、男性がC(変わらない)で、女性がD。総合評価でDとなったいます。

詳細を見てみましょう。

あ、ほんとだ・・。確かに悪化、ですね。特に、50代女性の上がり方が・・・

男性は・・・。

C評価(変わらない)とのことですが、年代別ですと60代男性は、悪化と言えます。

男女ともに、若年層は減少傾向ですが、高齢世代が上昇傾向に見えます。

以下、上記グラフを含む(4)飲酒 部分(P314-~P327)のみを抜粋しています。ご覧ください。

  

(4)飲酒 の総括は;

<各⽬標項⽬の評価の要因分析>
① ⽣活習慣病のリスクを⾼める量を飲酒している者(1⽇当たりの純アルコールの摂取量が男性
40g 以上、⼥性20g 以上の者)の割合の減少

評価は、男性は「C 変わらない」、⼥性は、「D 悪化している」であった。⽬標を達成しなかった要因としては、多量飲酒者に対するアルコール健康障害に関する正しい知識の普及が進んでいないこと、ブリーフインターベンション普及の取組は、開始されたばかりであり、⼗分に社会に浸透していないこと、⼥性の社会進出増加に伴う飲酒機会の増加等が考えられる。

とされています。

また、全体報告書の文末では、飲酒が生活習慣病のみならず鬱病の要因ともされていたり、飲酒運転等の社会問題の要因にもなっている等、広範囲に飲酒による問題が指摘されています。

(4)飲酒飲酒は、生活習慣病を始めとする様々な身体疾患や鬱病等の健康障害のリスク要因となり得るのみならず、未成年者の飲酒や飲酒運転事故等の社会的な問題の要因となり得る。目標は、生活習慣病の発症リスクを高める量を飲酒している者の減尐、未成年者及び妊娠中の者の飲酒の防止について設定する。当該目標の達成に向けて、国は、飲酒に関する正しい知識の普及啓発や未成年者の飲酒防止対策等に取り組む

P519

出典:厚生労働省 「健康日本21(第二次)最終評価報告書を公表します

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28410.html

飲酒ガイドライン作成検討会

健康日本21の最終評価を受けて、早速ガイドライン作成作業が始まっています。

このようなみなさまが作成されるようです。

 

適正飲酒の定義は国によってまちまちです。

各国にて飲酒規制がまちまちですので、適正の考え方も違うようですが・・
さて現代日本はどうなるのでしょうか。

第二回開催時の資料によりますと、

年齢、性別、体質等、体質(ALDH2欠損)、いわゆる顔が赤くなるタイプ、等個体差をどう表現してゆくのかも議論されるようです。

休肝日、という表現は正しいのか?

“休肝日”について
• 休肝日は、「飲酒量を減らす」という意味では記載する方がよいのではないか。
• 何のための休肝日なのかを付け加えられたらよいのではないか。
• 休肝日という表現がいいのかどうか。肝臓を休めるという表現であるが、肝臓を休める効果だけではないので、どういう表現とするか検討する必要があるのではないか。

すでに馴染みにのある”休肝日”。この表現も変わるかも??

1月にパブリックコメントを経て、来年3月には全貌が明らかになってゆくようです。

 

本文と写真は直接の関係はございません。