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遺族同士がポルトガルで出会った日。~アルコール・薬物交通安全学会 レポート ~

2022.10.14

今年の6月、ポルトガルで開催された 飲酒運転・薬物運転に関する国際学会 ”T2025” に参加してきました。

3年に一回開催されています。

あれから3年。世界の交通事故、とくに飲酒運転や薬物運転の状況は変わったのだろうか? 

みなさまに軽くお伝えします……

薬物運転防止、飲酒運転防止のプロたち。

この会議は、ICADTSというNPO団体が主催する、3年ごとに行われる、「飲酒運転・薬物運転」に特化した国際会議です。今年2025年に行われたので、T2025という開催名が付けられています。

各国から、飲酒運転や薬物運転に関する政策担当者や研究者が集まり、研究成果や政策の効果等を発表しあいます。

道路交通法やアルコール飲料、薬物の規制は、国によって違います。さまざまな国で、飲酒運転、薬物運転防止の「Professionals」たちがいて、日々、交通事故死者を減らすためにフィールドワークをし、調査研究し、論文を書いて、政策に反映させたりしています。

 

 

けっこう歴史のある会合です。第一回目は1950年!

基本、三年ごと開催です。今回のポルトガル開催、23回目となります。

1st – 1950 Stockholm, SWEDEN
2nd – 1953 Toronto, CANADA
3rd – 1962 London, ENGLAND
4th – 1965 Bloomington, Indiana, USA
5th – 1969 Freiburg im Breisgau, WEST GERMANY
6th – 1974 Toronto, CANADA
7th – 1977 Melbourne, AUSTRALIA
8th – 1980 Stockholm, SWEDEN
9th – 1983 San Juan, PUERTO RICO
10th – 1986 Amsterdam, THE NETHERLANDS
11th – 1989 Chicago, Illinois, USA
12th – 1992 Cologne, GERMANY
13th – 1995 Adelaide, AUSTRALIA
14th – 1997 Annecy, FRANCE
15th – 2000 Stockholm, SWEDEN
16th – 2002 Montreal, CANADA
17th – 2004 Glasgow, Scotland, UK
18th – 2007 Seattle, USA(T2007)
19th – 2010 Oslo, NORWAY (T2010)
20th – 2013 Brisbane, AUSTRALIA (T2013)
21st – 2016, Gramado, BRAZIL (T2016) 
22nd – 2019, Edmonton, CANADA (T2019)
23th – 2022, Rotterdam,Netherland(T2022)

今年は、ポルトガル 首都リスボンから1時間ほどでつく 郊外の「アルコバサ市」というところで開催されました。

薬物運転研究、飲酒運転研究、90名以上が発表。

プログラムは3日間分あります。同時並行もありますので、すべての発表をみられるわけではありません。

それぞれは15分程度づつですが、計三日間、90人以上のひとが、いろいろしゃべりました。

 

飲酒、薬物、飲酒運転、薬物運転、路上取締、交通事故研究等、いろいろですが、すべて交通事故関連です。。

 

内容的にはこんな感じで、中には化学や学術要素も強いです。

90の演題と概略はこちらを参照ください。

内容をone pictureであらわすと、こう。

アフターコロナ、飲酒運転増加は各国で起きていたようで、前回減ったと思われた飲酒運転テーマがすこし増えました。

 

ポスタープレゼンテーション。

 

 

アルコール検知器メーカー、薬物テスターメーカー(スポンサー) 展示

ワークショップや会議にはだいたいスポンサーがつきますよね。スポンサーは、だいたいがそのテーマに関連する機器やシステムです。薬物運転と飲酒運転がテーマですので、スポンサー展示(メーカー))は、

   ・薬物テスター
   ・アルコールテスター
   ・アルコールインターロック装置

こんな顔揃えになります

前回3年前は

こんな感じでした。3年たって、こうなりました。

個社をみてみましょうか。

 

 

 

 

 

交流。ネットワーキング。

ホスト国や、参加者との交流。食事会や市内ツアーなど。これもまた学会の楽しみ方。

 

 

 

 

日本人遺族、オーストラリア人遺族、アメリカ人遺族が出会う

今回、オーストラリアから、娘さんを交通事故で亡くされたあといろいろな活動をしているひとが、活動実績を発表していました。また、UBERの安全管理担当のアメリカの方が、父親を飲酒運転で亡くした経験から、UBERドライバーの安全活動を専任でやっているという内容を発表していました。

じつは、もうひとかた、講演でありませんでしたが、一般聴講参加をされた遺族がいます。

はあとスペースの山本様”が参加しました。

2011年に息子さんを飲酒運転でなくされた方で、その後いろいろな活動をしています。

同じ活動をしている者同士が、ポルトガルで出会いました。

 

正直、わたしには入れない輪ではありました。どんな話をしたのでしょうか。

そして最後。

 

 

MICE、と 薬物・飲酒運転防止学会誘致

みなさん、MICEという言葉をご存じでしょうか。

 

 

薬物とアルコールと交通事故研究の学会という、かなりニッチかつマニアックな学会ではありますが、200名くらいは参加していたと思います。

地元への経済波及効果も少なからずあったでしょう。

ほら、国もこんな支援をやってるじゃないすか!

いつか、アルコール検知器協議会が、本学会・シンポジウムを誘致して、日本側は警察庁や国交省を招き、基調講演をしてもらい、盛大に 「交通事故ゼロ」を話し合う場をつくりたいなと考えています。

 

交通事故の被害者は、どの国にでもたくさんいます。

事故をゼロにするために、行政や学術研究所、遺族、メーカーなど、それぞれがさまざまなかたちで活動を行っています。数年に一度くらい、会って各国のベストプラクティスを報告しあうことは、事故ゼロに近づくためにとても意義あることだと思います。

こんな感じ~?

前回T2022 オランダ ロッテルダム開催