飲酒教育でよく引用される「健康日本21」。
お酒に限らずですが、日本人の健康増進はどうあるべきか? どうなっているのか?の報告書が出ております。
目標値がありまして、お酒に関しては
生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者(一日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上の者)の割合の減少
という目標がありました。
ところが、今般公表された報告書では、数少ない
D評価=悪化
という結果評価となっていました。
以前よりも、飲酒習慣の改善が進んでいない、節酒、減酒の啓発が功を奏していないということなのでしょうか・・・。
5.栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善に関する目標
飲酒は
①健康寿命の延伸と健康格差の縮小
②生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(NCD(非感染性疾患)の予防)
③社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上
④健康を支え、守るための社会環境の整備
⑤栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康に関する生活習慣の改善及び社会環境の改善
5.に該当します。
報告書をよく見ると、
悪化=Dですが、男性がC(変わらない)で、女性がD。総合評価でDとなったいます。
詳細を見てみましょう。
あ、ほんとだ・・。確かに悪化、ですね。特に、50代女性の上がり方が・・・
男性は・・・。
C評価(変わらない)とのことですが、年代別ですと60代男性は、悪化と言えます。
男女ともに、若年層は減少傾向ですが、高齢世代が上昇傾向に見えます。
以下、上記グラフを含む(4)飲酒 部分(P314-~P327)のみを抜粋しています。ご覧ください。
(4)飲酒 の総括は;
<各⽬標項⽬の評価の要因分析>
① ⽣活習慣病のリスクを⾼める量を飲酒している者(1⽇当たりの純アルコールの摂取量が男性
40g 以上、⼥性20g 以上の者)の割合の減少
評価は、男性は「C 変わらない」、⼥性は、「D 悪化している」であった。⽬標を達成しなかった要因としては、多量飲酒者に対するアルコール健康障害に関する正しい知識の普及が進んでいないこと、ブリーフインターベンション普及の取組は、開始されたばかりであり、⼗分に社会に浸透していないこと、⼥性の社会進出増加に伴う飲酒機会の増加等が考えられる。
とされています。
また、全体報告書の文末では、飲酒が生活習慣病のみならず鬱病の要因ともされていたり、飲酒運転等の社会問題の要因にもなっている等、広範囲に飲酒による問題が指摘されています。
P519
出典:厚生労働省 「健康日本21(第二次)最終評価報告書を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28410.html
飲酒ガイドライン作成検討会
健康日本21の最終評価を受けて、早速ガイドライン作成作業が始まっています。
このようなみなさまが作成されるようです。
適正飲酒の定義は国によってまちまちです。
各国にて飲酒規制がまちまちですので、適正の考え方も違うようですが・・
さて現代日本はどうなるのでしょうか。
第二回開催時の資料によりますと、
年齢、性別、体質等、体質(ALDH2欠損)、いわゆる顔が赤くなるタイプ、等個体差をどう表現してゆくのかも議論されるようです。
休肝日、という表現は正しいのか?
すでに馴染みにのある”休肝日”。この表現も変わるかも??
1月にパブリックコメントを経て、来年3月には全貌が明らかになってゆくようです。
本文と写真は直接の関係はございません。
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