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アルコール検知器義務化

 

『安全統括管理者等は、アルコール検査体制を遵守し、酒気帯び当直を確実に防止するため、アルコール検査要領の変更を含めた実効性のある具体的な対策を講じること』

2022.11.11

 

9月に海上で起きた大きな事故。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20220904/2020019416.html

11月4日に行政処分が公表されました。

事故概要。

 令和4年9月4日、内海交通株式会社のパイロットボート「ないかい」は、旅客3名を乗せ、兵庫県神戸市メリケンパーク沖を航行中、防波堤に衝突した。乗員乗客5名のうち、2名が死亡、3名が重傷を負った。
9月5日、神戸運輸監理部の運航労務監理官が海上運送法に基づく監査を実施したところ、安全管理規程第34条に規定するアルコール検査体制が形骸化しており、酒気帯び状態の乗組員を当直業務に従事させていたこと等が確認された。
11月4日、安全統括管理者等は、アルコール検査体制を遵守し、酒気帯び当直を確実に防止するため、アルコール検査要領の変更を含めた実効性のある具体的な対策を講じることを含む命令を行った。

https://www.mlit.go.jp/nega-inf/cgi-bin/search.cgi?jigyoubunya=senpaku&EID=search&no=1

 

 

処分の内容

安全管理体制を見直すとともに事故対策改善措置を講じるよう指導。令和4年12月4日までに以下の改善措置を文書にて報告すること。

① 安全統括管理者又は運航管理者は、それぞれの職務において、国が示す安全管理規程の作成例を参考に安全管理規程を見直し、代表者は、安全管理規程の変更を決定後、速やかに神戸運輸監理部へ届け出ること。

② 代表者自らが、輸送の安全を確保するために、関係法令及び安全管理規程の遵守と安全最優先の原則を社内に周知徹底するとともに、安全管理の取組み状況を定期的に点検し、継続的改善を図ること。

③ 運航管理者及び運航管理補助者は、船舶が就航している間は、勤務場所と船舶間で常時連絡できる体制を構築すること。

④ 安全統括管理者は、定期的に安全管理の取組み状況を点検し、その結果を代表者に報告すること。

⑤ 運航管理者は、安全管理規程を遵守し、船舶の運航に関し、船長と協力して輸送の安全を図ること。

⑥ 安全統括管理者等は、アルコール検査体制を遵守し、酒気帯び当直を確実に防止するため、アルコール検査要領の変更を含めた実効性のある具体的な対策を講じること。

⑦ 乗組員は、アルコール検査要領に基づく検査を確実に行い、記録し、保存すること。

⑧ 運航管理者が事故の発生を知ったときに速やかに関係機関に通報できる体制を確保する必要があるため、安全統括管理者及び運航管理者は、事故処理に関する教育を実施し、その内容について記録すること。

⑨ 安全統括管理者及び運航管理者は、乗組員に対して、本件事故を踏まえた酒気帯び当直の禁止に係る教育及び輸送の安全を確保するため必要と認められる事項についての安全教育を定期的に実施し、その内容について記録すること。

出典:ネガティブ情報等検索サイトホーム 旅客運送 船舶運航事業者より
https://wwwtb.mlit.go.jp/kobe/content/000276682.pdf

国土交通省 海事局のスタンスについて

いわゆる運輸業界、プロ事業者の「お酒の問題」ですが、自動車局、鉄道局、航空局とくらべて、海事局による飲酒検査の義務化について正式な広報がなかったため、マスコミもあまり取り上げず、結果事業者への認知度合いも低かったということがあったのではないかと考えます。

○自動車局 アルコール検知器義務化(震災により1ヶ月延期でしたが、報道資料として一式が広報されている)
報道資料
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000051.html

○鉄道局 アルコール検査
報道資料~鉄軌道運転士の飲酒に関する基準等を改正します~
https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo01_hh_000157.html



○航空局
報道資料~操縦士の飲酒基準について~航空分野の飲酒基準を厳しくします~
https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku10_hh_000148.html

○海事局
報道資料~海運分野の新たな飲酒対策をとりまとめました
~「海運分野の飲酒対策に関する検討会」とりまとめ公表~
https://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji06_hh_000195.html

じつは海上の飲酒対策について、とりまとめの広報まではありました。

が、そのあとなのです。上記他の交通モードのように、「いつから開始!、こういう改正!」という報道は海事局からはありませんでした。ずっと待っていたのですが。
ですので、いつから正式に始まったのか正直気づきませんでした。
国土交通省は各種メールマガジンを発行しており、このような改正はかならず報道資料として配信されるはずなのです。

運輸局も監査や船舶検査時に周知はしていると思います。
が、以下のような状況を見る限りは、行政側の広報、事業者への周知がいまひとつだった、と感じざるを得ません。情報公開や広報は行政コストとしては割安なはずで、あとはマスコミが取材や特集をすれば自ずと業界内での周知が進みます。運輸局の職員数にも限界があると思いますので、あらためてまとまった広報をしたほうがよいのではないでしょうか。

 

以下関連記事、併せてお読み下さい。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20220904/2020019416.html
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