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アジア初、2020年3月1日 台湾でアルコールインターロック法施行開始

2020.10.6

お酒とクルマがある国では、必ず飲酒運転があります。
最近、アジア各国でも、米国やカナダでは当たり前の「飲酒運転者へのアルコールインターロック装着」の法制化の動きがあります。

台湾 2020年3月道路交通管理処罰条例35条の1

https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawSingle.aspx?pcode=K0040012&flno=35-1

https://168.motc.gov.tw/theme/package/post/2003271654487

https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=K0040076


台湾では飲酒運転根絶のため、道路交通管理処罰条例(以下、処罰条例と称する)の修正条文である第35条の1、車両エンジン自動ロック装置(以下、アルコールインターロック装置と呼ぶ)の新制度が、2020年3月1日より施行されることとなった。

 関連の下位法である「車両エンジン自動ロック装置の取付及び管理規則草案」、「飲酒運転防止教育及びアルコール依存症治療の実施管理規則草案」は、交通部がすでに合同で公布している。

 上述の管理規則草案によると、運転者が処罰条例第35条の規定により免許取り消しとなった場合、飲酒運転防止教育またはアルコール依存症治療を行わなければ、免許の再取得ができない。

また再取得後に監理機関(注2)から発給される運転免許証は、1年間アルコールインターロック装置付きの車両(以下、管理車両と呼び、バイクを含む)しか使用できないことが注記される。

当該の運転者(以下、制限付き運転者と呼ぶ)は、1年間は管理車両しか運転できず、監理機関に主要管理車両の登記を申請しなければならない。

 成りすましによる不正使用を防止するため、制限付き運転者が呼気吹き込みをしてエンジンを始動した場合、アルコールインターロック装置が起動後5分以内に再計測の指示を出す。また運転中も、45分から60分に1回の頻度でランダムに再計測の指示が出され、結果が基準超えである、または15分以内に再計測を行わなかった場合、装置から明確な視覚的・聴覚的警告方法により、運転を停止するよう警告が出される。

この他、制限付き運転者は、毎月サプライヤサービスセンターにて、装置の検査及びインシデント記録データのダウンロードを行い、監理機関の監査に備えなければならない。

 新制度開始後、制限付き運転者が規定に従って運転しない、またはアルコールインターロック装置付き自動車を使用しなかった場合、新台湾ドル6,000元以上12,000元以下の罰金が科せられ、車両はその場で移動・保管される。

成りすましによる
不正使用でロックを解除した場合も、代わりに呼気吹き込みを行った者に対して新台湾ドル6,000元から12,000元以下の罰金が科せられる。本署は、交通安全の確保と安全な交通社会構築のため、交通部と連携した周知及び法の執行により違反防止を図る。

(注1)日本の警察庁に相当
(注2)運転免許センター

(なお、上記翻訳は当社が独自で翻訳したものであり、内容につきましては誤訳含め、責任は負いかねますのでご承知起きください)


アジア初のアルコールインターロック法制化は、日本ではなく台湾でした。

ここ10年、2万人を切ったことがない日本の飲酒運転。10年で20万人以上もの飲酒運転検挙者がいる国であるにも関わらず、アルコールインターロックの法制化は一向に進まず。

台湾では、警察行政が主導(道路交通法・免許制度アプローチ)し、アルコール依存症対策と、アルコールインターロックの1年間装着を組み合わせるという、きわめて現実的なハイブリッド施策。免許制度も改正され、「アルコールインターロック限定免許」がすでに運用されている模様。