IRU sends distress call to WHO and governments on COVID-19 driver vaccinations
去る5月21日、IRUは、WHOや各国政府に対し、旅客・貨物輸送に従事するプロドライバーへのワクチン接種について、緊急措置を要請しました。
以下、和訳しておりますのでご確認ください。
プロドライバーのCOVID-19ワクチン接種に関する緊急措置要請
運輸とロジスティクスサービスを提供する350万以上の企業を代表して、世界道路交通機関IRU総会は旅客・貨物輸送・モビリティを維持するための緊急措置を各国政府に呼びかけています。
商用車は世界中で約6,500万台走行しており、世界の全雇用者の約6%の人が道路運送業界に従事し、日々、地域社会や産業に貢献しています。
その一方で、COVID感染拡大に伴い、輸送会社やそのドライバーは政府の一方的な決定に従わなくてはならず、ドライバー、交通、物流ネットワーク、サプライチェーンは、いま危機に直面しています。
道路運送業界では、COVID-19に対する衛生面でのあらゆる予防措置が取られており、運送業者は、顧客とドライバーを守るために、厳しい健康管理措置を実施してきました。
同時に、衛生基準管理証明書の携行も高基準で守られています。
しかしながら、上記の措置を持ってしても、残念ながら、以下のような不十分な検査制度やワクチン接種制度では、ドライバーを守りきることができません。
– ドライバーの多くは簡易路上検査所にて不必要に長蛇の列に巻き込まれ、通常の労働環境より遥かに感染リスクの高い環境にさらされている現状
– 国境での検問の尋常でない待機時間の長さにより、少しでも空いている国境通過時点を探そうとし、時には300kmもの遠回りを余儀なくされるドライバーも発生している現状
上記の問題解決に当たり、世界保健機関(WHO)に対して、他の政府間組織の協力の上、商用車ドライバーに対する、COVID-19ワクチン接種証明の国境を超えた国際相互承認システムの早急な導入を求めます。
○道路運送業を必須サービスとして指定し、プロドライバーをエッセンシャルワーカーとして指定することを求めます。
○上記承認システムは、各地域既存の取り組みに留意し、認証済みの全てのCOVID-19ワクチンを認証対象とし、国境を超えて広く認識されるよう求めます。
さらに、各国政府には検査やワクチン接種体制を整えるよう、早急に以下変更するよう求めます:
○業務中のトラックの運転手また、その指導者は、国境到達前(例えば、出発前に社内で)などで認証済み検査が実施されていれば国境でのCOVID-19検査を免除する
○国のワクチン接種優先順位リスト上位に職業ドライバーを入れ、接種を促す
厚生労働省 ワクチン 優先の考え方
あらためて、日本のワクチン優先の考え方
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0047.html
高齢者以外で基礎疾患を有する方について
(1) 以下の病気や状態の方で、通院/入院している方
1.慢性の呼吸器の病気
2.慢性の心臓病(高血圧を含む。)
3.慢性の腎臓病
4.慢性の肝臓病(肝硬変等)
5.インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病
6.血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く。)
7.免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む。)
8.ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている
9.免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
10.神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)
11.染色体異常
12.重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複した状態)
13.睡眠時無呼吸症候群
14.重い精神疾患(精神疾患の治療のため入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、又は自立支援医療(精神通院医療)で「重度かつ継続」に該当する場合)や知的障害(療育手帳を所持している場合)
(2) 基準(BMI 30以上)を満たす肥満の方
*BMI30の目安:身長170cmで体重約87kg、身長160cmで体重約77kg。
現実的には色々な職業がある中で、エッセンシャルワーカーを正式に定義して、ワクチンの優先を決める状況は、日本にはありません。
という国が多いなかで、特に、陸の国境が多いEUなどでは「ワクチンパスポート」という議論がでやすいのかもしれません。
IRUが言っているのは、日本でいえば、都道府県境のETCレーンで、ワクチンパスポートを電子的にチェックするようなイメージでしょうか・・・
以上、業界団体が声を上げることが重要である、というトピックでした。
<ヘッドラインおよび記事中の写真は本文と直接関係ありません>
<翻訳は2021年5月時点の東海電子によるものです。翻訳については誤訳等の無いよう万全を記しておりますが、記載の内容につきましては弊社では責任を負いかねます。本記事の利用はお客様自身のご判断でお願い致します>