(4)大型トラックの酒気帯び衝突事故
2月22日(月)午前9時30分頃、沖縄県の県道の交差点において、同県に営業所を置く大型トラックが運行中、前方で赤信号のため停車していた乗用車の発見が遅れ追突した。
この事故による負傷者はなし。事故後の警察の調べにより、当該大型トラック運転者の呼気からアルコールが検出されたため、道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕された。
メールマガジン「事業用自動車安全通信」第594号(R3.2.26) より
なぜ起きたのか? 防げなかった事故なのか?
再発防止のためには、ケース分析が不可欠です。
・沖縄県内事業者で、県内の事故なので、出発は1~2時間前、7時~8時頃・・というところでしょうか。
・この時間、この営業所には、対面点呼を行う運行管理者、もしくは補助者がいなかったのでしょうか?
・それとも、乗務前点呼後、運行中の飲酒なのでしょうか?
・この営業所には、アルコール検知器は設置されていなかったのか?
記録型の検知器を使っていれば、わかるハズ・・
・対面点呼ができなかったとすれば、ほかの営業所とIT点呼でもしていれば、防げたハズでは?(Gマーク事業所ではなかったのか)?
・この営業所には飲酒教育の実施記録はあるだろうか?
・このドライバーの普段の飲酒習慣はどうだったのでしょうか?
また
・警察による呼気アルコール検知器の結果数字は、どれくらいだったのか?
(濃度数値は、残酒なのか。故意の飲酒なのか、多量飲酒者なのか? 日常の飲酒行動や飲酒習慣の認定に必要な事実なので)
今後、このような事実を、メールマガジンの内容には含めていただきたいです。
なお、トラックドライバーの飲酒運転が、完全に下げ止まりの状況です。
行政処分をいくら重くしても下げ止まりなわけですから、思い切って、以下のような罰則を制度化すればよいのではないでしょうか。
- 記録型のアルコール検知器の結果を定期的に運輸支局か県トラック協会局へ提出することを義務づける
- クラウドアルコールチェックの仕組みで、運行ごとに、運輸支局または県トラック協会へリアルタイムでデータ送付することを義務づける
- 再発防止として、「アルコールインターロック」を行政指導で義務づける。
- 点呼実施の証拠が残る「点呼機器の設置」を義務づけ、点呼データの提出を義務づける
- 指導や教育の問題であれば、「飲酒教育の実施と記録保存」を義務づける
とにかく、再発防止するにあたっても、公開されている事実が少なすぎますし、制度改革にあたっても、起きている事実の収集が粗っぽすぎます。
上記の意見は、ごく一般的な、典型的な、IT技術・デジタル技術の利活用、EBPM:Evidence-based-policy-making)だと思いますが・・。
<ヘッドライン写真と本文は直接の関係はありません>