全日本トラック協会は令和8年4月、「トラック運送事業者のための健康起因事故防止マニュアル」を公開しました。
事業用自動車における健康起因事故は、依然として高い水準で推移しています。
過去10年のデータでは、死亡者の実に80%が心臓疾患・脳疾患・大動脈瘤および解離に起因し、そのうち心臓疾患が55%を占めています。
見えない健康リスクが事故を招く
これらの事案には「交通事故」だけでなく、休憩中の突然の体調不良による運行中止も含まれています。自覚症状のないまま進行するこれらの疾病は、ある日突然、走行中のトラックを凶器に変えます。
正しく点呼を行い送り出しているドライバーが、実は”時限爆弾”を抱えているかもしれない――管理者は、その見えない危険を前提に運行を見なければなりません。
「実施した」で終わらせない健康管理へ
マニュアルには、健康起因事故を防ぐための対策が詳細にまとめられています。
ドライバーの健康診断が義務付けられている中で、「実施した」で終わらせず、その結果をもとにどのように就業判断や受診につなげるかといった、具体的な実務が示されています。
しかし、こうした健康管理は属人化しやすく、煩雑になりがちです。さらに、健康診断結果やバイタルデータの取り扱いには十分な配慮が求められます。
そのため「活用」と「保護」を両立させながら、継続的に管理していく仕組みが不可欠です。
その突破口となるのが、デジタル技術の活用です。
担当者の経験や勘に依存した管理から脱却し、データとして蓄積・可視化することで、個人情報を適切に管理しながら、健康状態の変化を継続的に把握することが可能になります。
判断は感覚ではなく数値で
健康起因事故対策の本質は、「体調に気を配ること」ではありません。
「運転させてよい状態かを判断すること」にあります。
そしてその判断は、主観ではなく、数値と記録によって支えられるべきものです。
“時限爆弾”を抱えたドライバーを見抜く鍵は、日々積み重ねたデータにほかなりません。
安全は“気をつけるもの”ではなく、“管理し、証明するもの”へ。
その起点は、毎日の点呼にあります。
-
2026.4.21
-
2026.4.20
-
2026.4.20
-
2026.4.18
タクシーの健康起因事故、大動脈瘤破裂について。健康起因事故というけれど、ドラレコも体調データもなく今後どうやって「分析」するのだろう?



