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保安基準改正~自動運転(自動運行装置)また一歩先へ~

2020.12.28

先般のパブリックコメントののち、正式に、公布、改正施行の時期が公表されました。

注意深く有能な運転者と同等以上・・

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 【2019.10.15】 別添122(高速道路等における低速自動運行装置を備える自動車の技術基準)
https://www.mlit.go.jp/common/001346768.pdf

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2020.04.01】別添123
(作動状態記録装置の技術基準)
https://www.mlit.go.jp/common/001346769.pdf

これらに関する改訂です。

自動運転技術が、人間の代替テクノロジーという見方をするならば、「どれだけ優れているか」ということになります。でも、よく考えたら、「そういえば、そもそも人間って、どれくらい運転技術ありましたっけ? 年間何十万件事故を起こしているんでしたっけ?」という話があります。

「自動運転」の技術が「ヒト運転」の技術とくらべてすごいことが、本当にスゴイことなのでしょうか? という素朴な疑問もあります。

「ヒト運転」技術以上のレベルとして自動運転技術に要求さているのが、乗車人員および他の交通の安全を妨げるおそれのないことについて、『注意深く有能な運転者と同等以上』ということになっています。

さてあなたは、『注意深く有能な運転者』ですか? 
例えば車線変更するとき、自動運転技術よりも注意深く有能である自信はありますか? 自信がないなら、自動運転オプションは必ずつけ、使いましょう。なにせ、保安基準で、「注意力散漫な能力の低い運転者」よりも、ずっと安全であることが担保されるようですから・・。

クルマをハッキングされないよう・・

自動運行装置は、実質、ソフトウェアの集まりです。
オンラインアップデートが当たり前になる近い将来、「自動車がハッキングされ、故意に事故を起こさせる」なんてことがあり得ないとは限りません。

こっそり「エア改造」しないよう・・

自動運行装置は、実質、ソフトウェアの集まりです。
オンラインアップデートが当たり前になる近い将来、「こっそり機能修正、こっそりバグ修正」できなくはありません。
申請が厳しく審査され、罰則が適用されることもあり得ます。

自動車局のこちらの資料もあわせてご覧ください。

WP29について。

国土交通省の報道資料に出てくるWP29とは、「自動車基準調和世界フォーラム」のことで、UNECE 国連欧州経済委員会の下部に設けられた、自動車基準の国際調和に取り組む組織のことです。

https://unece.org/transportvehicle-regulations/wp29-presentation

日本はWP29に積極的です。

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001379923.pdf

日本は令和 2 年(2020 年)12 月現在、乗用車の制動装置、警音器等の 93 の規則を採用している。今後も、新技術を踏まえた基準の策定等により積極的に基準調和を進めていくこととしている。

その他、WP29に詳しいサイトとしてはhttps://www.jasic.org/j/07_wp29/1_organization.htm
が詳しそうです。


日本には名だたるクルマメーカーが多く、国土交通省も、世界の自動運転技術における日本のプレゼンスを高めようと、積極的になる理由は当然あります。とくに規格面は、主導権を握られたら負け、不利になるのは明らかですから。

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