令和6年、交通安全、運輸安全はどうであったか?
7月に公表された交通白書の最新です。(R6年実績とR7計画)
https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/r07kou_haku/index_zenbun_pdf.html



交通事故死者数(R6年度)
飲酒関連問題(自動車交通)

⑼交通事犯被収容者に対する教育活動等の充実ア 交通事犯受刑者に対する教育活動等の充実 刑事施設においては、被害者の生命や身体に重大な影響を与える交通事故を起こした受刑者や重大な交通違反を反復した受刑者を対象に、改善指導として、「交通安全指導」、「被害者の視点を取り入れた教育」、「アルコール依存回復プログラム」といった指導を組み合わせて、被害者等の心情等を考慮した矯正処遇を実施している。「交通安全指導」は、受刑者に交通違反や事故の原因等について考えさせることを通じて、遵法精神、責任観念、人命尊重の精神等をかん養することを目的に、飲酒運転の危険性と防止策、罪の重さ、被害者及びその遺族等への対応等について、グループワークや講義等を通して指導を行っている。「被害者の視点を取り入れた教育」は、被害者及びその遺族等の被害に関する心情及び置かれている状況並びに被害者等から聴取した心情等を認識させ、被害者及びその遺族等に誠意を持って対応していくとともに、再び罪を犯さない決意を固めさせ、謝罪や被害弁償に向けた具体的な行動を考えさせること等を目的とし、被害者遺族等のゲストスピーカー等による講話、グループワーク等により、被害者等の精神的・身体的苦痛、更には経済的負担の大きさ等を理解させている。「アルコール依存回復プログラム」は、自己の飲酒の問題性を理解させ、その改善を図るとともに、再飲酒しないための具体的な方法を習得させることを目的に、認知行動療法の手法を活用し、アルコール依存に係る民間自助団体等の協力を得ながらグループワークを実施している。
⑺飲酒運転根絶に向けた交通安全教育及び広報啓発活動等の推進令和6年中の飲酒運転による交通事故件数は2,346件で、23年ぶりに増加に転じた昨年と同数となった。ア 「飲酒運転を許さない社会環境づくり」の取組 飲酒運転の危険性や飲酒運転による交通事故の実態等について積極的に広報するとともに、飲酒が運転等に与える影響について理解を深めるため、映像機器や飲酒体験ゴーグルを活用した参加・体験型の交通安全教育を推進した。また、交通ボランティアや交通安全関係団体、酒類製造・販売業、酒類提供飲食業等の関係業界と連携して、(一財)全日本交通安全協会等が推進している「ハンドルキーパー運動※」への参加を広く国民に呼び掛けるなど、関係機関・団体等と連携して「飲酒運転を絶対にしない、させない」という国民の規範意識の更なる向上を図った。 また、運転免許の取消し等の処分を受けた飲酒運転違反者※に対し、飲酒行動の改善等のためのカリキュラムを盛り込んだ取消処分者講習(飲酒取消講習)や、停止処分者講習を実施し、飲酒運転の危険性等についての重点的な教育を行った。 さらに、安全運転管理者による運転者に対するアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認等の義務について、安全運転管理者に対する講習の機会等を活用することにより、履行の徹底を図った。
イ 刑事施設における交通安全指導等刑事施設においては、飲酒運転が原因で受刑している者に対する改善指導として、「交通安全指導」、「被害者の視点を取り入れた教育」、「アルコール依存回復プログラム」(第1編第1部第2章第2節1⑼ア参照)といった指導を組み合わせて実施し、飲酒運転防止のための取組を実施している。
ウ 自動車運送事業者等に対する働き掛け 平成23年度から、点呼時に運転者の酒気帯びの有無を確認する際にアルコール検知器の使用を義務付けており、点呼時のアルコール検知器を使用した確認の徹底について、運転者に対する日常的な指導・監督を徹底するよう、講習会や全国交通安全運動、年末年始の輸送等安全総点検等も活用し、機会あるごとに事業者や運行管理者等に対し指導を行っている。
エ 保護観察における飲酒運転事犯者に対する指導 保護観察対象者に対する飲酒運転防止のため、平成22年10月から、心理学等の専門的知識に基づいて策定された飲酒運転防止プログラムを実施し、飲酒運転事犯者に対する指導の充実強化に努めている。
イ 取消処分者講習 取消処分者講習は、運転免許の取消処分等を受けた者を対象に、その者に自らの危険性を自覚させ、その特性に応じた運転の方法を助言・指導することにより、これらの者の運転態度の改善を図ろうとするものである。講習は、受講者が受けようとしている免許の種類に応じ、四輪運転者用講習と二輪運転者用講習に分かれており、運転免許の取消処分等を受けた者が免許を再取得しようとする際には、この講習の受講が受験資格となっている。講習に当たっては、運転適性検査に基づくカウンセリング、グループ討議、自動車等の運転や運転シミュレーターの操作に基づく指導を行うなど個別的、具体的な指導を行い、運転時の自重・自制を促している。また、飲酒運転違反者に対してより効果的な教育を行うことを目的に、飲酒行動の改善等のためのカリキュラムとして、スクリーニングテスト(AUDIT※)、ブリーフ・インターベンション※等を盛り込んだ取消処分者講習(飲酒取消講習)を全国で実施している。令和6年中の取消処分者講習の受講者数は、1万9,400人であり、うち飲酒取消講習の受講者数は1万298人であった。
飲酒関連問題(航空)
6 飲酒に関する対策の徹底 平成30年10月末以降、航空従事者の飲酒に係る不適切事案が相次いで発生したことを踏まえ、平成31年1月から令和元年7月にかけて厳格な飲酒基準を策定した。令和6年度においては、前年度に引き続き基準が適切に遵守されるよう、監査等を通じて指導・監督を実施するとともに、操縦士の日常の健康管理(アルコール摂取に関する適切な教育を含む。)の充実や身体検査の適正な運用に資する知識(航空業務に影響を及ぼす疾患や医薬品に関する知識を含む。)の普及啓発が図られるよう、航空会社の健康管理担当者に対する講習会等を通じて指導を実施した。また、令和6年度において操縦士等の飲酒に係る不適切事案が発生したことを受け、当該事案を発生させた本邦航空会社に対し、要因分析・再発防止策の検討を指示するとともに、監査等を通じて再発防止策の実施状況を確認するなど指導・監督を実施している。
令和6年度その他トピック(生活道路30km/h)
令和6年度その他トピック(外国人運転免許と事故)
外国人居住者が増えれば当然免許保有者も増える。
いまや125万人以上いるという。
令和6年度その他トピック(貨物軽自動車行政)
これも大きな動きである。
令和6年度その他トピック(知床事故経過)
令和6年度その他トピック(海外の交通事故比較)
国際道路交通事故データベース(IRTAD)がデータを有する35か国について、人口10万人当たりの交通事故死者数(第1図)を比較すると、我が国は2.6人であり、5番目に少ない。

長期的な推移に着目すると、2014年から2023年にかけて、アメリカは増加傾向にあるが、他国は減少傾向にある。短期的な推移に着目すると、2020年頃から2023年にかけて各国は増加傾向にある。

我が国は、歩行中と自転車乗用中を合わせた死者数の構成率が他国と比べて高く、乗用車乗車中の死者数の構成率が他国と比べて低い。

我が国と主な欧米諸国の年齢層別交通事故死者数の構成率と年齢層別人口構成率(第4図)をみると、我が国は、65歳以上の年齢層の交通事故死者数の構成率(57.3%)が人口構成率(29.1%)と比較して約28ポイント高く、他国と比べて差が大きい。また、0~14歳の年齢層の交通事故死者数の構成率(1.4%)が人口構成率(11.4%)と比較して10ポイント低く、他国と比べて差が小さい。
昨年の白書。




