タクシードライバーはなぜ下りで加速したのか? 踏み間違えのようだ。が、それよりも、二種免許で視力0.3、自ら眼鏡つけず、運行管理者も気づけず、産業医も何もせず・・という事実に着目せざるを得ない。
2025.9.13
9月4日、1件の重要調査対象事故の報告書が追加された。
本件、
令和4年12月2日11時49分頃、タクシーが、大阪市淀川区田川北の府道41号線の三津屋跨線橋付近を十三駅方面に向けて空車により運行中、前を走る大型乗合バスに追突した。追突後もタクシーは、左に斜走し道路脇のマンションの外壁に衝突して停止した。 この事故により、タクシーの運転者が死亡し、大型乗合バスの運転者も軽傷を負った。
はじめに、より
こういった事故。
NHKのX投稿にnewsの断片が残っている。
https://x.com/nhk_news/status/1802602167154704822
加速の原因は、ペダル踏み間違いか?
そのようだ・・。

コレを見るとノーブレーキでバスに衝突している。どういう状況であったか?
運行記録計の記録には、事故の直前の約10 秒前に50km/h 強から加速を開始し、徐々に速度が上昇して、衝突時の速度は約 86 ㎞/hであったことが確認される。
なぜか?
当該運転者が跨線橋の下り勾配に差し掛かったところで、減速するためブレーキペダルを踏むべくペダル操作を行ったところ、操作を誤り、アクセルペダルを踏みこんだことにより加速し(図11の「当初の加速ライン」参照)、前方に相手車両を確認した後もさらにペダルを強く踏み込んだことから停止できずに衝突したものと考えられる。
確かにあり得ることかもしれない。年齢からすると。一時的にパニックに陥ったのかもしれない。
これは、あり得るか?
問題は別にもあると思われる。
・視力については、直近の健診結果において、矯正で右0.1/左0.3であった。 また、過去3年間においても、視力検査の結果は同様に低調であった。
当該運転者については、健康診断時の視力検査において、普通自動車第二種運転免許(以下「免許」という)の基準(両眼0.8以上、かつ一眼でそれぞれ0.5以上18)を下回る結果であったことが判明しており、さらに、2.1.2.2に記述したように、ドライブレコーダーの記録から、免許の条件である「眼鏡等」を使用することなく運転をしていたことが確認されている。これに関連して、2.4.4.2に記述したように、当該運行管理者において、点呼時に眼鏡等の装着は確認しているが、当該運転者が日頃から運転時に眼鏡、並びにコンタクトレンズなどを装着していたかどうかについては確認していなかったと口述している
3.3.2 健康状態の把握に関する分析 2.4.4.9 に記述したように、乗務員の定期健康診断については、勤務形態により年に2回あるいは1回必ず受診させており、その結果は受診機関から送付される要注意者を抜粋したリストに基づいて把握し、必要に応じて再受診を指示している。 当該運転者については、直近の診断でリストに入っていなかった。ただし、高血圧については通院し、かかりつけ医で受診している。また、糖代謝(血糖)については、以前は治療中となっていたが、今回の健診結果には記載が無い。 再受診については、日にち指定のうえ受診させ結果を報告させるなど、形の上での管理の手順は整理されている。 しかしながら、再受診等の報告については医療機関の領収書等で確認するのみの場合もあるなど、その後の対応は当人任せとなっている。また、産業医との面談により指導を実施しており、当該面談で乗務の是非が問題となった者はいないと口述しているが、3.2.2に記述したように、当該運転者の健康診断の結果からは、免許基準を下回る視力の状態が明らかに確認できる状況にあったが、産業医に意見を求め、専門医への受診等を指導したうえで、就業について考慮すべきところ、これを適切に行っていなかったことなど、必要な健康の管理が不十分であったと考えられる。
健康診断の情報は、なぜいつも活かされていない印象だ。あれだけ毎年(6ヶ月ごと)きっちりやっていて、会社も国もお金をかけているのに。
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