飲酒運転

 

長野県佐久市 中三飲酒ひき逃げ事件を知ってますか? 事件を風化させない方法はあるのか?

2025.12.5

先週11月25日~12月1日まで犯罪被害者週間でした。

今年の初め2月に報道された飲酒運転事故をご紹介いたします。アーカイブとして。

この件です。
長野 中学生死亡事故 2審無罪取り消し 実刑判決確定へ 最高裁

リンクが切れてしまうかもしれません。いまのうちに見ておいてください。

この事件、飲酒してひき逃げし、あろうことか、逃げた理由は「刑を軽くするためマウスウォッシュを買いにコンビニへ行く」というものでした。

東京高裁で、「人工呼吸したじゃないか」という主張で無罪になりかけました。
そのあと、ご両親が地道に証言を集め、今年2月、最高裁で逆転有罪を勝ち取りました。

 

⑴ 被告人は、平成27年3月23日午後10時7分頃(以下、時間のみを記載しているものは同日の時間である。)、長野県佐久市内において、普通乗用自動車を運転中、被害者に自車を衝突させ、同人を右前方約44.6m地点の歩道上にはね飛ばして転倒させ、同人に多発外傷等の傷害を負わせる交通事故を起こした。

44m跳ね飛ばして?

⑵ 被告人は、フロントガラスがくもの巣状にひび割れたことから、自車を人に衝突させたと思い、衝突地点から約95.5m先で自車を停止させて降車し、衝突現場付近に向かった。

95m先から戻った?

⑶ 被告人は、午後10時8分頃、衝突現場付近で靴や靴下を発見し、その後約3分間、付近を捜したが、被害者を発見することはできなかった。その間に、被告人は、通行人から救急車を呼んだかと聞かれたが、所持していた携帯電話で警察や消防に通報をすることはなかった。

救急車を呼ばずに、何をしていた?

 

⑷ 被告人は、午後10時11分頃、自車まで戻り、ハザードランプを点灯させた後、運転前に飲酒していたため酒臭を消すものを買おうと考え、自車の停止位置から、衝突現場とは反対方向にあり、約50.1mの距離にあるコンビニエンスストアに赴いて口臭防止用品を購入し、午後10時13分頃、これを摂取して、衝突現場方向に向かった。

救急車を呼ばずに? 口臭消しを買いに?

⑸ その頃、通行人が、歩道上に倒れていた被害者を発見して、午後10時14分頃、110番通報をし、その通報がされている間に、被告人も、被害者の元に駆け寄って、人工呼吸をするなどした。

救急車を呼んだのは通行人? 

結果、最高裁は、こう断じた。

被告人は、被害者に重篤な傷害を負わせた可能性の高い交通事故を起こし、自車を停止させて被害者を捜したものの発見できなかったのであるから、引き続き被害者の発見、救護に向けた措置を講ずる必要- 3 – があったといえるのに、これと無関係な買物のためにコンビニエンスストアに赴いており、事故及び現場の状況等に応じ、負傷者の救護等のため必要な措置を臨機に講じなかったものといえ、その時点で道路交通法72条1項前段の義務に違反したと認められる。

 

遺族が怒り・悔やむのは、「もし逃げなければ助かったかもしれない」という点。二重に殺されたという感覚。