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自家用有償旅客運送事業

 

白ナンバーかつプロジャナイドライバーによる、タクシー会社が運送主体となる有償運送サービス。はたしてこれを、何という? 『自家用車活用事業』 パブリックコメント開始~!

2024.2.10

本案はあくまでもたたき台であり、広く国民の皆さまの意見・情報を募集したうえで、その内容を決定してまいります。

とのことで、最終決定ではないというお断りの文言をいれつつ・・・

自家用車活用事業???

新しい用語ができました?  半分合ってますが、半分たりないですね。

「自家用車&普通免許保有者 活用事業」が正しいハズです。

 

4月1日~開始される、タクシー会社しばりの、白ナンバー移動サービスが始まります。
12月の中間答申を受けて、決定通り進んでいるということでございます。

 

「法人タクシー事業者による交通サービスを補完するための地域の自家用車・ドライバーを活用した有償運送の許可に関する取扱い」

この文書で当面(ライドシェア新法なるものが成立するまで、1年ほど)行くわけですね。

「案」がついていますが、ひとつひとつ見ていきましょう。

 

(1)許可基準

・対象地域、時期及び時間帯並びに車両数
タクシーが不足する地域、時期及び時間帯並びにそれぞれの不足車両数を、国土交通省が配車アプリ等のデータに基づき指定していること。

おっと、いきなり、来ましたね。民間事業者(タクシー事業者)は、行政に対し、配車実績という重要な経営情報を渡さなければいけないようです。仕方ありません。これも、「公共の福祉のため」ですからね。行政としては、政策決定や許可基準は、データドリブンが基本でしょうからね。

「なんとなくたりなそう」とか「いつもタクシーがつかまらない」とか、個人のとある一日の体験ではなく、積み重なった移動データをもとに、国土交通省が指定する という。


・資格要件
一般乗用旅客自動車運送事業の許可を受けていること。

はい。


・管理運営体制
運行管理、車両の整備管理や研修・教育を実施する体制が整えられていること。安全上支障のないよう、勤務時間を把握すること。

はい。勤務時間もね・・。教育は、指導監督の告示がベース?


・損害賠償能力
タクシー事業者が対人 8,000 万円以上及び対物 200 万円以上の任意保険に加入していること。

はい。

(2)許可に付する条件


・使用する自家用自動車について
タクシー事業者ごとに使用可能な車両数は、地方運輸局長等が通知する範囲内であること。通知する車両数は、許可地域ごとに2.(1)の車両数の範囲内であり、かつ、事業者ごとに当該地域に配置している事業用自動車の車両数の範囲内とする。自家用車活用事業であることを外部に表示すること。

・・・運輸局長は、まるでAI供給制限か。


・ドライバーについて
タクシー事業者は、ドライバーに対して事前の研修(大臣認定講習を含む。)及び教育を受けさせること。タクシー事業者は、ドライバーに対して運転者証明を携行させること。

はい。教育は、指導監督の告示のほうじゃなくて、自家用有償旅客運送事業と同じ教育ということですね。(じゃあタクシー会社じゃなくていいじゃないか・・)


・運送形態・方法について
利用者とタクシー事業者間で運送契約が締結され、タクシー事業者が運送責任を負うこと。運送引受け時に発着地が確定していること。
自家用車が配車されることについて、利用者の事前の承諾を得ていること。
運賃は事前確定運賃により決定し、支払い方法は、原則キャッシュレスであること。
発着地いずれかがタクシー事業者の営業区域内に存すること。

・・・・。

 

(3)許可期間


許可期間は2年とする。

はい。申請は運輸局ですね。2年ごと。

 

自家用有償旅客運送事業と、「白タク」ネガティブバイアス世代

 

自家用車活用事業、「法人タクシー事業者による交通サービスを補完するための地域の自家用車・ドライバーを活用した有償運送の許可に関する取扱い」は、このあたりに位置づけられます。

 

  

違法白タク概念を払拭するために、上記のような、細かい制度が歴史的にできあがってきました。

 

でも、果たして、「白タク」ときいて、意味がわかる、若い世代はいるのでしょうか?

ズバリ、客観的に見れば、マイカータクシー個人事業 ですよね。

 

マイカータクシー。白ナンバー個人タクシー。タクシー協力型自家用車有償旅客運送事業。

 

昭和な年代には、「白タク」に、違法・拒否感があるかもしれませんが、文字通り、クルマナンバー通りでいえば、今回の一連の議論は、合法な「白タク」の話です。

 

昨今、「白」といえば、運輸・交通業界以外では、「ホワイト企業」「ブラック企業」的な使われ方がメジャーと思われます。

言ってみれば、ホワイトタクシー事業。的な?


ITしばりだとすると、「スマート白タク事業」となりましょうか。

 

・・・最近、周囲のひと(とくに若いひと)にきいて思うのは、一般のひとは、「緑ナンバー」「白ナンバ-」という言葉をあまり意識していないようです。白タクはいかん! の話も、説明しないと理解されない感じです。

また、「ライドシェア」の話を問いかけると、空き資産の活用シェアリングエコノミー的な意味のマイカータクシー事業のことではなく、「知らない相手と乗り合うやつね」と、返ってくることがありました。最近のことです。

ライドシェアに関するかみ合わなさは、業界や行政の混沌や対立ではなく、一般市民と業界のあいだにも多々あると感じますねえ。

おそらく、一般の人が今回のこのパブリックコメントに意見を提出することはないと思われます。

将来の利用者は、われわれ市民のはずなのに。。

これまでの議論は、有識者、業界関係者がメインでした。

パブリックコメントは唯一、一般市民・国民が 公式に意見を言える場です。

ぜひ読者のみなさんも、「自分の地域の 足 として」、「自分の親の足」、「自分のこどもの足」として、タクシー以外の、ご近所有償ドライバーが多くいるとしたらどうでしょうか? 一般市民、自分がユーザになる想定で、意見を提出してみてはどうでしょうか。 

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