千葉県の松戸市市議会が地方自治法99条に基づき、2021年6月28日に同県八街市で起きた飲酒運転事故を受けて、国に意見書を提出しています。
まずはアルコールインターロック普及に向けて前向きに検討してください、と。
アルコール・インターロックの普及に向けて検討を開始すること を求める意見書
令和3年6月28日、千葉県八街市において、下校中の小学生が飲酒運転のトラックにはねられ、児童5人が死傷する痛ましい事故があった。二度とこのような事故が起きぬよう、行政としてもできる限りの対策を施すべきである。 そして過去を調べれば、飲酒運転による事故は多く発生しており、その都度、ドライバーに向けた啓発活動や、飲酒運転に対しての厳罰化などを施行しているが、残念ながら飲酒運転は後を絶たないのが実情である。これは啓発活動や、厳罰化による効果が限界に達していることを示している。 アルコール・インターロックとは、車にアルコール検知器を装備し、ドライバーが飲酒状態にあると判断されればエンジンがかからないようにする仕組みである。基本的な構想は2000年代から存在しており、我が国においても同時代に導入に向けて研究がされたようだが、その後目立った動きは確認できない。なお諸外国では、欧米を中心に普及が進んでおり、米国では条件付きながらも義務化している州もある。 アルコール・インターロックは飲酒運転撲滅の切り札となりうる。ただし現時点においても、技術的な問題や、制度上の問題など、導入に関してクリアしなければならない課題があるため、まずは普及促進に向けて前向きな検討をするところから始めるべきである。最終的には義務化されることが望まれる。 よって、本市議会は国に対し、下記事項について措置を講じるよう強く求めるものである。 記 アルコール・インターロックを早急に普及させることについて、前向きな検 討を開始すること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年12月15日
千葉県松戸市議会
宛 内閣総理大臣
国土交通大臣
衆議院議長
参議院議長
https://www.city.matsudo.chiba.jp/gikai/kaigi_kekka/giinteisyutsugiann.files/20211214dai24gou.pdf
アルコールインターロック法令案(条例案・細則案)
市の条例、県の条例から始められると思うのです。
飲酒運転違反者へのアルコール・インターロック強制装着。これを法制化する方法としては、
A)道路交通法 改正(飲酒運転違反者講習とアルコール・インターロック装着のハイブリッド)
B)都道府県ごとの飲酒運転防止条例に、アルコール・インターロック装着義務条項を加える
大きく2つのアプローチがあります。
Bでの事例(都道府県)を増やしながら、Aを目指す。ことが、19千人の飲酒運転車を根絶することにつながると考えます。
以下は、本誌が考えるアルコールインターロック装着の細則例です。
- 県知事は、飲酒運転をした者で、かつ、車両を所有し、運転免許証返却後も運転する意思のある者に対し、アルコールインターロックの装着を科すことができる。装着期間は、36ヶ月とする。
- 免許停止後に運転免許を返却する条件は、所有する車両にアルコールインターロックが装着されていることとする。
- 2で返却される運転免許は、「アルコールインターロック装着車両限定免許」とし、他人の車両、レンタカー等を運転することはできないこととする。
- 県知事が科すアルコールインターロック装置とは、国土交通省の「呼気アルコールインターロック技術指針」に適合する装置であることとする。適合装置の選定、および適合装置の指定装着事業者の選定は、XX県飲酒運転根絶連絡協議会が行うこととする。
- 呼気アルコールインターロック装置の購入財源は、第十八条 財政上の措置に基づき、県が(いったん)負担する。
- アルコールインターロック装着者は、装着後、連絡協議会に定期的にデータを提出しなければならない。その際に、連絡協議会は装置の使用料を運転者から徴収することができる(結果的に、財政負担はなく、個人負担となる)。
- 最初の12ヶ月間に、飲酒検知されたデータ及び不正始動のデータがなければ装着期間を24ヶ月で終え、通常の運転免許条件に復帰することができる。
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2024.12.19
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2024.12.12
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2024.12.11
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2024.12.9
アルコール依存症患者 通院10万人・入院2万人以上に。アルコールインターロック装着現場で立ち現れる依存症患者の”背景”、それがわかる3件のレポートに、関係者は注目してほしい。