飲酒運転

 

運転者教育

 

トラック業界とアルコール検知器業界の、不都合な真実

2021.7.2

国土交通省が、点呼におけるアルコール検知器の使用を義務づけを決定したのは2009年のこと(事業用自動車総合安全プラン2009)。

検討会資料
https://www.mlit.go.jp/common/000037018.pdf




2011年5月1日。バス、タクシー、トラックドライバーの飲酒運転をゼロにするため、点呼におけるアルコール検知器の使用義務の規則が開始しました。

はたして、その効果はあったのでしょうか?

国土交通省のメールマガジンバックナンバーから、「速報事案」として報告のあった飲酒運転事案をデータ化しました。

バスドライバーの飲酒運転

バス業界は、この3年、ゼロを達成しています。

タクシー

なかなかゼロになりません・・。

トラック

なんと、まったく減っていません・・!

何という、現実。

アルコール検知器義務化の前後。

アルコール検知器義務、ビフォー アフター

この数字を見る限り、アルコール検知器は、プロドライバーの飲酒運転減少に、一切貢献できなかったことになります。

これをどう捉えたら良いのか・・。

この10年、運輸企業向けのアルコール検知器を開発・販売し、そして、飲酒教育も数千人に対してやってきたメーカーとして、なぜこういう結果となってしまったのか・・多大なる責任を感じる次第です。

アルコール検知器の義務化施行により、結果的に機器が拡販されまして、ビジネス面では良かった面はあります。これは、認めます。

しかしながら、アルコール検知器メーカーは、販売のみを目的としてアルコール検知器の技術開発、製品開発をしているわけではありません。

きれいごとではなく、日々、情熱を傾ける技術開発、商品企画は、「ゼロ」を目指すこと以外のなにものでもありません。

飲酒運転を防ぎ、飲酒行動に影響をあたえる威力のある製品を市場で増やすことによって、「飲酒運転ゼロ」を達成することが、本事業の社会的意義でもあります。

誰にお詫びしてよいのやら・・。

プロドライバーでさえ、ゼロにできないじゃないか。

と、一般ドライバー、消費者に言われないようにする必要があります。

アルコールチェック規制は、実際は、厳しいです。行政処分も、厳しいです。

それでもゼロにならないのは、なぜだろうか?

一昨日の千葉県の飲酒運転事故により、「白ナンバー」とか「一般企業」へのアルコールチェックという論調が出ているようですが、プロドライバーのゼロはさておき、先に企業車両による飲酒事故がゼロになる?? 

運輸業界はそれでいいのだろうか?

17産業あるうち、運輸という産業で、まずリーダーシップを発揮してゼロを達成。そのノウハウを、他産業に伝える。

国土交通省には、是非、ここを目指してほしいと思います。

下記は、事業用自動車総合安全プラン2025の、「飲酒運転ゼロ」のための施策です。

これらの解決策は、下記の、ここ10年で起きた270件の飲酒事案を抑え込む施策となっているでしょうか?

出典 国土交通省事業用自動車安全通信メーマガジン バックナンバー
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/anzenplan2009/backnumber.html

本資料は、上記より、2009年5月~2021年4月までの12年間に当該メールマガジンで速報された、バス、タクシー、トラック等事業用自動車による重大事故のうち、飲酒運転事案を抽出し、集計したものです。

事業用自動車総合安全プラン2009,プラン2020,プラン2025の検討会資料における飲酒運転の事故統計(確定数字)とは差異があります。