対面点呼

路上で運行している、バス、タクシー、トラックのドライバーは、全員点呼を受けています。

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バス業者の点呼の風景

なぜ点呼が法制化されているか?

自動車運送事業者が守らなければならない点呼規則は、3つ。

事業者は、点呼を実施させなければならない(輸送安全規則第7条)

運行管理者は、点呼を実施しなければならない(輸送安全規則第20条)

運転者は、点呼を受けなければならない(輸送安全規則第17条)

シンプルです。
事業者の責任(体制)、運行管理現場の責任(運行管理者)、ハンドルを握る者の責任。この3者、どれひとつ欠けても点呼目的は果たせません。

トラック事業における点呼は、「貨物自動車運送事業法 輸送安全規則 第七条」に定められています。
第七条 
 1項 乗務前点呼(対面、やむを得ない場合は電話その他の方法による点呼
 2項 乗務後点呼(対面、やむを得ない場合は電話その他の方法による点呼
 3項 中間点呼(電話その他の方法による点呼
 4項 上記3種の点呼時のアルコール検知器の使用と、常時有効性保持
 5項 上記3種の点呼の記録および保存

バス・タクシー事業における点呼は、旅客自動車運送事業運輸規則 第24条に定められています。
○第二十四条
 1項 乗務前点呼(対面、やむを得ない場合は電話その他の方法による点呼)
 2項 乗務後点呼(対面、やむを得ない場合は電話その他の方法による点呼)
 3項 夜間・長距離時の乗務途中点呼(電話その他の方法による)
 4項 上記1および2項の点呼時のアルコール検知器の使用と、常時有効性保持
 5項 上記3種の点呼の記録および保存

事業者の行政処分の公表制度があります。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03punishment/cgi-bin/search.cgi
 
これら行政処分を1ヶ月集計してみれば、「点呼未実施」によって行政処分を受けている事業者が相当多いことがわかります。
そして、「事故を端緒とした監査」の情報を見る限り、事故の背景には、「点呼漏れ」、「点呼未実施の放置(黙認)」という残念な事象があるように見受けられます。

対面点呼は、従来、「確実に顔を見て、声を聞き、ニオイも挙動がわかる」という理由から、「対面点呼こそが厳正な点呼体制である」とされてきたと思われます。

ところが、昨今、社会では通信やITテクノロジーが発達したことで、「対面同等」もしくは、対面以上の効果(実施数、会話の質)があると考える事業者も増えてきてるようです。

点呼は、質なのか? 数なのか? いや、「質×数」なのか?

このページでは、対面点呼、電話点呼、IT点呼、共同点呼等、点呼にまつわる話題を中心に取り上げてゆきます。

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