アルコール問題

Alcohol related problem

アルコールは、多くの国で、古来より、社会文化、生活の一部として親しまれてきました。

冠婚葬祭、新年会忘年会、接待、会社の歓送迎会、女子会、バーベキュー etc….

しかし、長期間の多量飲酒がこころや身体に悪い影響を及ぼす事があることも分かってきており、短時間の大量飲酒が偶発的な事故のきっかけとなる等、アルコールがさまざまな問題を引き起こしている事実は、実はあまり知られていないように思います。

アルコールが引き起こす以下のようなことを、「アルコール関連問題」、海外では、「alcohol related problem」と言います。悲惨な「飲酒運転事故」は報道される確率が大きく「表面化・顕在化」しやすいのとくらべると、日々起きているアルコールが関連する事件は報道されることは少なく、実際は日々、「アルコール関連問題」は、表面化することなく、しずかに増えている可能性があります。

アルコールと、肝臓病

アルコールの飲みすぎによりにいろいろな臓器に病気が起こりますが、なかでも肝臓病は最も高頻度で、かつ重篤にもなる病気です。アルコール性肝臓病は飲酒量が多いほど、また飲酒期間が長いほど起こりやすくなります”


厚生労働省 e-ヘルスネットより
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-002.html

アルコールと、糖尿病

”アルコールはアルコールそのもの作用やアルコールの代謝に伴って血糖値に影響を与えます。適度な飲酒は糖尿病の発病に抑制的に働く可能性が推定されています。しかし多量飲酒は発病の危険性を高め、特に肝障害や膵障害が加わるとコントロールが難しい糖尿病になるため、糖尿病患者さんは多量飲酒は避けるべきです。血糖コントロールが良好で合併症がない場合は、酒肴(つまみ)や飲酒量に注意した適度の飲酒であれば良いと考えられています”
厚生労働省 e-ヘルスネットより
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-013.html

アルコールと、がん(癌)

WHO(世界保健機関)の評価(2007年)では、飲酒は口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳房の癌の原因となるとされています。またアルコールそのものに発癌(がん)性があり、少量の飲酒で赤くなる体質の2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱い人では、アルコール代謝産物のアセトアルデヒドが食道癌の原因となるとも結論づけています”

厚生労働省 e-ヘルスネットより
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-008.html



アルコールと、依存

”アルコールは依存性のある薬物の一種です。飲酒を続け、耐性・精神依存・身体依存が形成され、飲酒のコントロールができなくなる状態がアルコール依存症です。アルコール依存症になると、身体・仕事・家族関係などの様々な問題が起きます。アルコール依存症は酔って問題を起こすこととは異なります”


厚生労働省 e-ヘルスネットより
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-05-001.html

アルコールとうつ、アルコールと自殺

”アルコール依存症とうつ病の合併は頻度が高く、アルコール依存症にうつ症状が見られる場合やうつ病が先で後から依存症になる場合などいくつかのパターンに分かれます。アルコールと自殺も強い関係があり、自殺した人のうち1/3の割合で直前の飲酒が認められます”





厚生労働省 e-ヘルスネットより
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-006.html

アルコールハラスメント

”アルハラとは、アルコール・ハラスメントの略で、飲酒に関連した嫌がらせや迷惑行為、人権侵害を指します。特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)によると、アルハラを以下の5項目と定義しています”

  1. 飲酒の強要
    上下関係・部の伝統・集団によるはやしたて・罰ゲームなどといった形で心理的な圧力をかけ、飲まざるをえない状況に追い込むことです。
  2. イッキ飲ませ
    場を盛り上げるために、イッキ飲みや早飲み競争などをさせることです。「イッキ飲み」とは一息で飲み干すことで、早飲みも「イッキ」と同じです。
  3. 意図的な酔いつぶし
    酔いつぶすことを意図して、飲み会を行うことで、傷害行為にもあたります。ひどいケースでは吐くための袋やバケツ、「つぶれ部屋」を用意していることもあります。
  4. 飲めない人への配慮を欠くこと
    本人の体質や意向を無視して飲酒をすすめる、宴会に酒類以外の飲み物を用意しない、飲めないことをからかったり侮辱する、などです。
  5. 酔ったうえでの迷惑行為
    酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言・暴力、セクハラ、その他のひんしゅく行為です
     ”

    厚生労働省 e-ヘルスネットより
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-018.html

アルコールと暴力

”アルハラ・家庭内暴力・児童や高齢者への虐待・犯罪など、飲酒に関連した暴力はいろいろな場面で起こっており、社会的にも大変重要な問題です。飲酒に関連した暴力を防止するためには、その原因となっている飲酒を控えることが大切です。またアルコール乱用・依存症が背景にある場合には、それらに対する適切な治療が必要です”

厚生労働省 e-ヘルスネットより
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-06-005.html

アルコール健康障害対策基本法

アルコール健康障害対策基本法とは、2013年に我が国で成立した法律です。アルコール関連問題に対して、国として包括的かつ永続的に対策を行ってゆくための基本法的な位置づけです。これにより、アルコール問題に対して、国の役割、各省庁の役割、各自治体国の役割が定められたことになり、国としての総合的な対策の第一歩が始まりました。
<アルコール健康障害対策基本法 本文>
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/joubun_1.pdf
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000176279.html

 

2024年2月 健康に配慮した飲酒ガイドライン


厚生労働省 健康に配慮した飲酒ガイドライン が 策定されています。


https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001211974.pdf

本ページでは、アルコール関連問題全般と、アルコール健康障害対策基本法をうけて取り組みが始まっている各自治体の対策を話題に取り上げていきたいと思います。