(4)大型トラックの酒気帯び衝突事故
10月20日(水)午後4時頃、福井県の高速道路において、岡山県に営業所を置く大型トラックが運行中、道路左側のガードレールに接触した。
この事故による負傷者はなし。
事故後の警察の調べにより、当該大型トラック運転者の呼気からアルコールが検出されたため、道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕された。
国土交通省メールマガジン「事業用自動車安全通信」629号(R3.10.22) より
なぜ 午後4時、明るい時間に?
幸い被害者はいなかったようですが、高速道路をなんと4時間近く止めたという報道があります。
高速道路の飲酒運転事故は一般道よりずっと少なく、ましてはプロドライバーの高速道路 飲酒運転は相当レアです。今回の件、異質に感じます。
再発防止のためには、ケース分析が不可欠です。
・岡山ー福井 の 行き? 帰り?
・営業所の点呼時は、何ともなかったのか?
・アルコール検知器は使用されたのか?
・そもそも、点呼未実施とか?
・飲酒運転に関する指導監督、教育実施はどうであったのか?
あまりにも情報が少なく、これでは誰も、まともな再発防止策を論じることができません。
しかしながら、この内容からは、実際の状況がどうであったのかを伺い知ることができません。
おそらく数ヶ月以内に事業所に監査が入ると思いますが、その結果は、「事業用自動車事故調査報告書(大型トラクタ・バンセミトレーラの衝突事故」ほど詳細なではなく、かつ、公表されません。
年間50件くらいならば、これくらいの調査報告書がつくれても良いと思います。が、仮にそれが難しいとして、最低限、事故報告規則による「事故報告書」の様式改訂によって、ある程度、当日の発生状況を、統計化できるのではないでしょうか。
具体的には、現在の事故報告規則の様式は、このようになっておりまして
これを、
最低限こういう様式に改訂すべきと考えます。早く変えてゆかないと、再発防止のための情報がずっと集まらないままです。
単純な話です。点呼100%企業で起きている場合、ドライバーの適性管理や、指導監督にフォーカスされるべきで、点呼のヌケモレ常態化の場合、運行管理体制と、事業者の点呼責任放棄の話になります。国が強制的に収集している報告書にこそ、真実が述べられているべき。
事業用自動車プラン2025は、どうなっているのか?
4つ、重要な施策が掲げられています。2021年度は何も動きナシ、なのでしょうか。
1.点呼の正しいタイミングの周知や、アルコール検知器の要件追加による、点呼時
のアルコールチェックの強化
→動きナシ。2022年3月 年度末までに何か動きがあるのだろうか?
2.運転者に対する、自身の飲酒傾向の自覚を促す指導監督の推進
→動きナシ。2022年3月 年度末までに何か動きがあるのだろうか?
3.初任運転者に対する、飲酒傾向の確認や重点的なアルコールチェックによる、飲
酒運転の習慣化の防止
→ 動きナシ。2022年3月 年度末までに何か動きがあるのだろうか?
4.事業者の優良取組事例やアルコール依存症に係る周知
→動きナシ。2022年3月 年度末までに何か動きがあるのだろうか?
5.飲酒運転の実態把握に向けた事故報告規則における報告項目の追加
→動きナシ。2022年3月 年度末までに何か動きがあるのだろうか?
6.運行管理者講習等で飲酒運転撲滅の周知・徹底
→どうでしょうか? 飲酒運転撲滅に関し、何か、講習内容に変化は見られますか? これは、事業者のみなさんから運行管理者向け講習のテキストを見せて貰わないと何とも言えないですね。
<ヘッドライン写真と本文は直接の関係はありません>
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