毎月、運輸局ごと・業種ごとに監査・行政処分の結果が公表されています。
2021年6月度、関東運輸局管内の旅客(バス、タクシー)、貨物運送事業者の法令違反に対する行政処分等の状況から、「法令違反ヒートマップ」を作成してみました。
いち運輸局の、ひと月のサンプリングでしかありませんが、運輸業界でもっとも多い違反、つまり、もっとも守られていない規則は何か? 業界の実態を表しているかもしれません・・・
平均5.3件
関東運輸局管内の6月度の行政処分は
・トラック 29事業所
・タクシー 8事業所
・貸切バス 2事業所
・路線バス 0事業所
合計39事業所でした。
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また、 39事業所の合計違反数は164件でした。
うち10事業所が所在不明(事業の無届出休止・廃止が判明したことから、事業許可を取消)
となっていることから
実際に事業を営んでいる事業者数29事業者で計算すると154件となります。
1事業所あたり違反数の平均は、約5.3件というところでしょうか。
監査のきっかけは?
ところで、なぜ、監査を受けることになったのでしょうか?
この月の関東運輸局管内では、以下の理由をを端緒として監査が行われました。
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所在不明の事業者の増加はコロナの影響なのでしょうか。
また、公安委員会からの通知(死亡事故)や公安委員会からの通知(救護義務違反)
も例月になく多くなっています。
これは大変に気になる(心配な)傾向だと思います。
違反ワースト1位(小項目)は、指導監督。
全164件の中身は、以下、34種類の規則違反となっていました。
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ワースト1位の指導監督が群を抜いて多いことがわかります。
指導監督は、ここ数ヶ月常にワースト1位です。
違反ワースト1位(大分類)は、指導監督、2位に点呼
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・ワースト1位 指導監督
・ワースト2位 点呼
相変わらず「指導監督・適性診断」が多いです。
運行管理者の日常業務のヌケ・モレはなぜ?
書類業務と、日常的な安全運行管理業務にわけると、以下となります。
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「いのちの重さ」を伝えるのは・・・
今回、関東運輸局6月の行政処分データを分析していて
もっとも気になったのは、「死亡事故」「救護義務違反」の多さです。
「死亡事故」「救護義務違反」 が端緒になり監査実施された12社は
全て「運転者に対する指導監督義務違反」が指摘されていました。
交通事故での死亡者数は年々減少しています。
ただ、その主な理由は「インフラの整備」や「技術面の進歩」と言われる方はいても、
ハンドルを握る個々のドライバーの安全意識が向上したからだ。
という意見はあまり聞きません。
また、近年は交通事故死亡者数の減少幅も縮小しています。
昨今、IT化が進み技術面で著しく進歩している環境ですが、
「いのちの重さ」に関しては、
人が伝えていかなければいけない。人がやらなければいけない。
仕事だと思います。
弊社では「ドライブシミュレータACM300」のレンタルサービスをご提供しております。
運転者への指導監督、 「いのちの重さ」 を伝えるお仕事のお役に立てれば幸いです。