マイナンバーカードと運転免許証が一体化されるようです。
1月18日。国のトップが、国会で言いました。
16分20秒あたりのところです。
演説文書でも確認出来ます。
この秋、デジタル庁が始動します。
デジタル庁の創設は、改革の象徴であり、組織の縦割りを排し、強力な権能と初年度は三千億円の予算を持った司令塔として、国全体のデジタル化を主導します。一兆円規模の緊急対策として改革に着手し、全国規模のクラウド移行に向け、今後五年間で自治体のシステムも統一、標準化を進め、業務の効率化と住民サービスの向上を徹底してまいります。
マイナンバーカードの普及のため、マイナポイントの期限も半年間延長します。この三月には健康保険証との一体化をスタートし、四年後には運転免許証との一体化を開始します。
<2020年1月18日 第二百四回国会における菅内閣総理大臣施政方針演説>
4年後・・あっという間です。
さて、マイナンバーカードと運転免許証が一体化されると、運転免許証がデジタル化されると、誰にとって、何が良くなるでしょうか?
個人? 事業者? 運輸業界はどうでしょうか? 運行管理に関係あるのでしょうか? 運転者の適性(運転記録証明書)管理に関係してくるでしょうか?
デジタル・ガバメント実行計画(2020年12月25日)
上記、菅首相が国会で述べたのは、12月に閣議決定された、この実行計画の一部です。
335ページあります。
気になる内容が満載で目移りしてしまうのですが、今回は免許証に絞ってお伝えします。P36。
運転免許証について、2024 年度(令和6年度)末にマイナンバーカードとの一体化を開始する。双方のシステムを連携させることにより、住所変
更手続のワンストップ化、居住地外での迅速な運転免許証更新やオンラインによる更新時講習受講が可能になる。これに先立ち、警察庁及び都道府
県警察の運転免許の管理等を行うシステムを 2024 年度(令和6年度)末までに警察庁の共通基盤上に集約する。
モバイル運転免許証の国際規格の策定状況及びマイナンバーカードのアプリケーション化の検討状況も踏まえ、諸外国との相互運用性の確立も視野に、運転免許証の在り方の検討を進める。
なんだか、わかるようなわからないような・・。
スケジュール表があります。
・・・・なんとなく、見えてきました。
「3.5 運転免許証のデジタル化」。
わかりやすく言うと、3つ。
1.やば、47(都道府県)の免許データベース、いよいよ統合しなきゃ。
2.ゴールド免許の方は、警察に来なくて更新できますよ。オンラインで。
3.ドライバーのみなさーん、「運転免許証アプリ」ダウンロードしてくださーい。便利(かもしれない)ですよー。
こんな感じのことを言っているようです。
以下、もうすこし補足します。
県警の免許データは集約化されてない件
警察庁の運転免許課の統計情報です。
毎年警察庁から、運転免許証の全国的な統計データが公表されています。
これを見ると、一見、国がすべての運転免許保有者の個々のデータを一元的に持っているように見えますが、どうやら違うようです。
個々の運転免許の情報を持っているのは、各県の公安委員会・県警と思われます。全国の県警・公安委員会が独自で保有しており、システムとして共通化・共有化・集約化されていないようなのです。
だから、
『警察庁及び都道府県警察の運転免許の管理等を行うシステムを 2024 年度(令和6年度)末までに警察庁の共通基盤上に集約する』
この工程が必要なわけです。
そもそも、デジタル運転免許証はとっくの昔に実現している件
8215万枚の運転免許証は、とっくの昔に「ICチップ内蔵運転免許証」となっています。
いち免許保有者として老若男女問わず、運転免許証のICチップに内蔵されているデジタル情報が使えて良かったと思えることは・・・そうないかもしれません。
強いていえば、みなさまのような運輸業界、運行管理業界でしょうか。
券面情報は、ICチップ内にデジタルデータとして保存されています。みなさんが持っている運転免許証の表面にある情報のほとんどは、内蔵されたICチップのなかにデジタル化されて保存されているのです。むかし「本籍」として表記されていた情報や、写真データもデジタル画像として保存されているのです。
よく、入社時の「免許証のコピー」や、点呼時の「免許証の目視確認は意味がない」と言われるのはこの意味です。
運転免許証のどの情報がどのようにデジタル化されているか、その内容も、仕様書として公開されています。
このような情報が公開されているのは、ICチップ内蔵されている運転免許証情報を読み出すような機器やアプリケーションが存在しないと、そもそも、デジタル化されている意味がないからです。
当社でも、IC運転免許証連動アルコール検知システムや、IC運転免許証リーダー内蔵アルコール検知器、IC運転免許証をつかったクラウド運転者台帳等、運転免許証を使った点呼のデジタル化製品を開発・販売しておりますが、そもそもこれらの製品は、運転免許証の表面(券面)ではなく、内部のデジタルデータを使って認証・照合を行っているわけです。つまり、「デジタル運転免許証」だから出来ているのです。
さて、このような状況のなか、「(すでに)デジタル化された運転免許情報」が、マイナンバーカードと一体化されるとして、点呼、運行管理の観点で、何か変わりそうでしょうか・・・??
オンライン免許更新、本人確認どうする?
良いことですね。いままで、会社を半日休む等して更新をしていたわけですが、これが自宅でできるわけです。
いや、自宅とは限らず、職業によっては、例えば、プロドライバーの場合、会社が、労務時間内に更新させても良いのかも知れません。オンライン環境を準備してあげて。
在宅の場合は、本人確認(ほんとに本人?)や、受講態度の問題がありあそうですが、技術的な問題はなさそうで、オンライン更新は間違いなく、予定通り全国的に広まってゆくことでしょう。
<オンライン受講イメージ(ピクスタより)>
スマホ免許証?
いま、世界の各地で、いわゆる「スマホ=運転免許証」という仕組みが徐々に増えています。日本もこのようなデジタル化社会を目指すということなのでしょう。
経済産業省が、『スマホで身分証明』を実現する国際規格案を進めています。
もしこれが採択されれば、日本でもこの仕組みを利用した、セキュアなデジタル運転免許証、スマホ運転免許証が実現するかもしれません。
免許証について、デジタル化・オンライン化してほしいこと。
デジタルガバメント実行計画のなかに、こういう計画があります。
自動車安全運転センターによる各種証明書発行サービスの利便性向上(◎警察庁)
交通事故証明書の交付(手続 ID:2665)について、損害保険会社における業務の効率化及び交通事故の当事者への迅速な保険金支払等を可能とするため、オンライン申請を実施する損害保険会社の拡大を図る。
また、運転経歴に係る証明書の交付(手続 ID:2666)については、Web サイトからダウンロードが可能となっている企業一括申請に係る申請書及び委任状の様式の利用拡大を図り、一括申請を行う企業等の事務負担が軽減されるよう努める。
おそらくトラック・バス・タクシーの事業者の方々は、運転記録証明を毎年全員分取り寄せていると思います。当社でもやっております。
これはずーっと思っていましたが、是非、オンライン申請とその場でダウンロードさせほしいです。郵送で届くって・・・。
今回、実に残念なのは、「デジタル運転免許証」といいながら、「運転経歴証明書」のみを対象としており、「運転記録証明」でないことです。
運輸業界のみならず一般企業の安全運転管理制度の観点からも、現実的には、「運転経歴証明書」よりも、「運転記録証明書」つまり、違反の有無、内容が重要なのです。そっちじゃないんです!
運行管理者や運輸事業者の方が望んでいるのは、ズバリ
手元のIC運転免許証リーダーにかざすと、運転記録証明や過去5年の違反データを常に読み出せる
コレです。
少なくとも、安全運転管理業務として運転記録証明を毎年取り寄せている一企業として、当社は切にコレを希望致します。
警察庁が共通基盤をつくる前提であるなら、やっとコレが出来るはず。
コレがないと「何がデジタル運転免許証だ、表面に書いてあることがデジタル化されているだけじゃないか」と率直に思います。
さて、あらためて、みなさんどう思われますか?
マイナンバーカードと運転免許証が一体化されると、運転免許証がデジタル化されると、誰にとって、何が良くなるでしょうか?
個人? 事業者? 運輸業界はどうでしょうか? 運行管理に関係あるのでしょうか? 運転者の適性(運転記録証明書)管理に関係してくるでしょうか?
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2024.12.16
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2024.12.13
搦め手。唐突な、自動運転タクシー。ここで管理の受委託を議論するんだ・・。「事業者以外の、第三者の遠隔点呼」まで搦め取られちまったかなあ。
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2024.12.12
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2024.12.12
”止まらない、やばい。皆さん落ち着いて。止まって” 緊迫の12分。あわや軽井沢スキーツアーバス事故と同じ大事故。ふじあざみライン大型バス事故調査報告書から何を読み取るべきか?