毎月、運輸局ごと・業種ごとに監査・行政処分の結果が公表されています。
2020年11月度、関東運輸局管内の旅客(バス、タクシー)、貨物運送事業者の法令違反に対する行政処分等の状況から、「法令違反ヒートマップ」を作成してみました。
いち運輸局の、ひと月のサンプリングでしかありませんが、運輸業界でもっとも多い違反、つまり、もっとも守られていない規則は何か? 業界の実態を表しているかもしれません・・・
平均6.7件。
関東運輸局管内の11月度の監査対象事業所は、
・トラック28事業所
・タクシー8事業所
・バス2事業所
合計38事業所でした。
また、38事業所の合計違反数は256件でした。1事業所あたり違反数の平均は、約6件というところでしょうか。前回の中部運輸局と、ほぼ同じですね・・・。
さて、内容はどうでしょうか。
違反ワースト1位(小項目)は、指導監督、次いで点呼と乗務時間
256件の中身は、以下、36種類の規則違反となっていました。
ワースト1は、運転者への指導監督実施義務違反でした(初任、高齢、事故惹起等、特定運転者ではなく)。
違反ワースト1位(大分類)は、指導監督でした。
法令規則をもっと大分類でわけると、違った結果となります。
ワースト1位 指導監督(特定含めると、圧倒的に多い!)
ワースト2位 点呼
ワースト3位 事業計画や事業報告(届け出、変更関連)
となりました。
点呼、やや改善傾向か。
告示違反は、全体の8%程度。指導監督や点呼と比べれば、遵守率がずっと高いように見えます。
指導監督(法定の適性診断実施義務 含む) が圧倒的に多く、点呼の違反率は、ワースト2位ではありますが、以前と比べて改善されている印象を持ちます。
当社は2014年、9000件の行政処分を調査したことがあります。
このときの違反ワースト1は、点呼関連でした。
ところが、今回の関東運輸局の監査結果を見る限りは、点呼の比率がすこし低くなっています。
行政処分の強化は、IT点呼の普及などが、じわりと効果として現れているのかもしれません。
総評
総評を1枚の絵にしてみました。
みなさん、どう思われますか?
運行管理者の重要な業務が・・・
選任された運行管理者は、何が忙しくて、本業である「運行管理者の業務(貨輸送安全規則20条・旅客運輸規則48条)」に集中できない状態にあるのでしょうか?
それとも、法令・行政・規則がもはや古く、運行管理者はペーパーワークで忙しく、ドライバーと話す時間がないということ・・?
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2024.12.23
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2024.12.12
”止まらない、やばい。皆さん落ち着いて。止まって” 緊迫の12分。あわや軽井沢スキーツアーバス事故と同じ大事故。ふじあざみライン大型バス事故調査報告書から何を読み取るべきか?
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2024.12.12