去る11月17日、事業用自動車総合安全プラン2025のフォローアップ検討会が開催されました。
第11次交通安全基本計画
プラン2025という交通政策は、交通安全基本法に基づき国(中央交通安全会議・内閣府)が定めた第11次交通安全基本計画 の「緑ナンバー版交通安全基本計画」(国土交通省 自動車局)です。
国は交通安全基本計画において緑ナンバーセグメント(自動車局)に対して
事業用自動車の安全プラン等に基づく安全対策の推進
ア 運輸安全マネジメント等を通じた安全体質の確立
イ 抜本的対策による飲酒運転,迷惑運転等悪質な法令違反の根絶
ウ ICT・自動運転等新技術の開発・普及推進
エ 超高齢社会におけるユニバーサルサービス連携強化を踏まえた事故の防止対策
オ 業態ごとの事故発生傾向,主要な要因等を踏まえた事故防止対策
カ 事業用自動車の事故調査委員会の提案を踏まえた対策
キ 運転者の健康起因事故防止対策の推進
ク 自動車運送事業者に対するコンプライアンスの徹底
ケ 自動車運送事業安全性評価事業の促進等
おおまかに 9つの 安全施策を実施せよ、5年間で、と方向性を定めました。
ですので、プラン2025フォローアップとは、交通安全基本計画のフォローアップでもあり、第12次(R8~R12)交通基本計画の方向性を決める検討会であるとも言えます。
安全政策(化)の中期、長期イメージはこんなカンジでしょうか。
<プラン2025>(第11次交通安全基本計画に基づく)
1年目 2021(R3年予算)
2年目 2022(R4年予算)
3年目 2023(R5年予算)★いまココ
4年目 2024(R6年予算)★概算要求済み、方向性ほぼ決定
5年目 2025(R7年予算)
<プラン2030>(第12次交通安全基本計画に基づく)
1年目 2026(R8年予算)
2年目 2027(R9年予算)
3年目 2028(R10年予算)
4年目 2029(R11年予算)
5年目 2030(R12年予算)
11月17日フォローアップ会議で報告されたFactは、公式な(交通安全対策基本法に基づく)エビデンスです。プラン2025会議の報告や決定事項は、次期交通安全基本計画の骨子にもなりますし、実質安全政策決定の場といっても過言ではありません。
プラン2025、2023年時点での施策の結果
225のうち継続(着手済み)が202ですので、90%の着手率です。この数字からするとガンガンやってる印象ですね。
ですが、結果は・・・
R3がプラン2025初年度です。拡大してみましょう。
1年目 2021
2年目 2022
3年目 2023★いまココ
4年目 2024
5年目 2025
上昇の原因は、トラックとタクシーの事故増加でした。
交通事故死者(全体)については着実な減少。
しかし、タクシーについては明らかな死者数増加となっている。
軽貨物が、上昇要因
トラックの上昇要因は、軽貨物の事故数のようです。
明らかに、軽貨物は上昇傾向。とはいえ、軽貨物以外のトラックは、著しい減少かというとそうでもなく、いわゆる下げ止まり傾向に見えます。
プラン20XXは、施策パッケージ集として粛々と法改正・予算化・制度化されますので、重要です。
例えばアルコール検知器義務化も、IT点呼も、遠隔点呼も、自動点呼も、プラン2XXXでまず決定され、その後制度化されました。
今後、緑ナンバーすべてのドライブレコーダーの義務化、すべての車両のデジタコの義務化、アルコール検知器の要件変更、乗務前無人点呼化等、みなさまの運行管理の現場に変革を促す施策は、この場で決まってゆくことが多いと思いますので、引き続き注目ください。