デジタル運行管理

 

貸切バス

 

点呼デジタル保存義務化と、巡回指導の強化について。

2023.10.6

国土交通省は毎年、軽井沢スキーツアーバス事故について、再発防止施策のフォローアップを行っています。

 この事故(刑事事件でもあります)が、貸切バス事業の安全管理のすべてを変えたといっても過言ではありません。85項目にわたる安全管理施策が実施されたのです。
先般9月14日、その後のこれら85にわたる安全管理の実態が報告されています。

個人的には、85施策の中で事業者インパクトが大きかった施策が3つあったと思います。

その1  貸切バス ドライブレコーダー義務化

この事件以後、貸切バス業界ではドライブレコーダーの使用が義務化されました
これは、事業用自動車では「初」のことです。

貸切バス乗合バスタクシートラック
ドラレコ義務義務じゃない義務じゃない義務じゃない

いわゆる緑ナンバー、プロ事業者の業界ですから、もともとドライブレコーダー装着数は実態としてはかなり高いと思われます。が、実は、法令として義務化されているのは貸切バスだけなのです。

義務化されたことで、貸切バスはすべてドライブレコーダーが装着されています(そのハズです)。
事業者ごとにドライブレコーダーの装着率が公表されています。


その2 事業許可更新制度

事故により、貸切バス事業者に5年ごとの更新制度が導入されました。
不適格な事業者には、更新許可を与えないという制度です。これは厳しいですよね。
ちなみに、5年ごとの更新制度があるのは貸切バス業界のみです。

貸切バス乗合バスタクシートラック
事業許可更新制度5年なしなしなし
 

 

 令和4年度末までに更新期限を迎える4,777者のうち、令和5年3月31日時点で3,528者が更新許可を受けており、事業廃止や申請辞退等により退出した事業者は798者。残りの451者については、更新許可基準を満たす者であるかどうか、審査中。更新制の導入により、更新期限を迎える事業者のうち約17%が退出している。

その3 貸切バス適正化機関の設立・巡回指導(有償)強化

事故をきっかけに、貸切バス業界に、「適正化機関」という組織が新たに出来ました。
適正化機関は、日々、事業者を巡回し、法令を守れているかチェックします。(強制的に有料です)

巡回指導では当然、健康管理、点呼記録、乗務記録、拘束時間等がチェックされます。場合によっては国土交通省・運輸局 監査部門への通報もありえます。令和4年は57件・・。

このほか、さまざまな施策の成果が報告されています。

 

2024年 デジタルタコグラフ義務✕デジタル点呼データ保存義務

ちょうど1年前のことでした。軽井沢スキーツアーバス事故を思い起こさせるような事故が静岡県で起きました。

半年後には 行政処分が課せられ、行政としての措置はこれで終わっています。

そして、先月、ドライバー個人への刑事罰の裁判結果が先般報道されました。

この事故のことも当然あったでしょう。また、これ以外にも、春頃にバス事故が相次ぎ、結果、2023年6月末、貸切バスにおけるデジタコ義務・点呼のデジタルデータ保存義務・アルコール検知器使用時の画像保存義務等の規則改正が来年が始まるとのパブリックコメントが実施されました。

今回のフォローアップ会議でも、来年2024年4月からの内容が報告されておりました。
やはり、この件は、決まりのようです。

今回の改正では「点呼動画(音声含む)」も90日の保存義務が課せられます。

「監査や巡回指導において、確実に点呼が行われているか確認」することが目的です。
適正化機関の職員が、運行管理の状態を正確に把握するためには、記録類の信憑性が担保されていなければなりません。

「電磁的方法」で保存するにもかかわらず動画が必要なのは、もはや、紙の点呼記録簿も、Excel等のデジタルデータ(静的データ)すらも信憑性が低いとの判断をしたのではないでしょうか?

国土交通省は、デジタルのほうが改ざんしにくい、ということをあちこちで認め始めており、当該改正も、そういうことだと思います。

(なお、デジタコ装着義務は令和7年4月です)

 

ドラレコ・デジタコ・デジ点呼 3つの義務化セットは、将来トラックも?

今般の貸切バスの規則改正が行われると、こうなります

貸切バス乗合バスタクシートラック
ドラレコ義務義務じゃない義務じゃない義務じゃない
デジタコ義務義務じゃない義務じゃない義務じゃない
デジ点呼義務義務じゃない義務じゃない義務じゃない

 


個人的には、貸切バス以外の事業も(とくにトラックは絶対に)、こうなると考えます

貸切バス乗合バスタクシートラック
ドラレコ義務義務義務義務
デジタコ義務義務義務義務
デジ点呼義務義務義務義務

 
なぜか? 理由はシンプル。

貸切バス乗合バスタクシートラック
死亡事故22201
事故1188037,94814,383
R4年度(件数)

 事業用自動車による死者数は、トラックがもっとも多いから(事業者数、車両数も多いこともあるが)。死亡事故を減らすためには、まずはトラック業界こそ、「ドラレコ・デジタコ・デジ点呼」の3つの義務化が合理的な道筋であると考えます。

2024年問題が控えてるのに、そんなことにお金をかける余裕があるか!? と言われるかもしれません・・・

でも、業界の方はご存じのはずです。デジタコやドラレコや点呼デジタル化が明らかにすることを。
3点デジタルセットが義務化されれば、みえるものは見えてしまいます。

素朴に思うのですが、デジタル機器がとれるタイムスタンプのことを語らずに、2024年問題を語ることができるのでしょうか?

ドラレコデジタコデジタル点呼点呼動画
出勤時間
  点呼時刻   (業務前)わかるわかる
拘束時間わかる
運転時間わかるわかる
休憩時間わかるわかる
  点呼時刻   (業務後)わかるわかる