毎月、運輸局ごと・業種ごとに監査・行政処分の結果が公表されています。
2021年9月度、近畿運輸局管内の旅客(バス、タクシー)、貨物運送事業者の法令違反に対する行政処分等の状況から、「法令違反ヒートマップ」を作成してみました。
いち運輸局の、ひと月のサンプリングでしかありませんが、運輸業界でもっとも多い違反、つまり、もっとも守られていない規則は何か? 業界の実態を表しているかもしれません・・・
平均約5.4件
近畿運輸局管内の9月度の行政処分は
・トラック 13事業所
・タクシー 5事業所
合計18事業所でした。
また、18事業所の合計違反数は98件でした。
1事業所あたり違反数の平均は、約5.4件というところでしょうか。
監査のきっかけは?
今回公表された監査結果の端緒は、以下の内容でした。
違反ワースト1位(小項目)は、点呼実施義務違反。
98件の違反内容は、以下となっておりました。
ワースト1位の違反は点呼実施義務違反となりました。
ワースト1位が続いていた指導監督違反ですが、8カ月ぶりにワースト1位の順位変動がありました。
・・・とはいっても、先月に比べて件数は増えていますし、点呼実施違反との差もほんのわずか。
指導監督違反がワースト常連なのはある意味定番パターンになってしまいました。
今回はもう少し掘り下げてみたいと思います。
一言に「指導監督違反」、といっても内容はさまざまです。
ちなみに今回の事例で細かくみると、以下の通りでした。
・放置駐車違反・・・3件
・駐停車違反 ・・・2件
・大部分不適切・・・5件
・一部分不適切・・・2件
不適切に「大部分」と「一部分」とありますが、
これは指導監督告示の実施状況が2分の1以下か、以上かの切り分けになります。
まずは大部分不適切を一部分不適切へと移行させていくのがまず最初の目標になるでしょうか。
違反ワースト1位は点呼。
小項目に引き続き、ワースト1位は点呼でした。
24件の点呼違反のうち、半分以上は点呼の未実施・不適切でした。
点呼執行者としての要件を満たしていない人が点呼をしたのでしょうか?
そもそも点呼ができていないのでしょうか?
根本の原因は書かれていませんが、システム化することで減らせるものもあると考えます。
運行管理者の日常業務のヌケ・モレはなぜ?
書類業務と、日常的な安全運行管理業務にわけると、以下となります。
運行管理者の日常業務のヌケ・モレをなくすために…
日常業務のヌケモレをなくす方法の1つに、手順をシステム化することがあげられます。
点呼をシステム化した場合、点呼執行者や点呼項目をあらかじめ設定しておくことで
人それぞれの法令認識間違いや、点呼方法のバラツキをなくすことができます。
つまらない記載間違い、ヌケモレで違反とみなされないよう、「持続性のあるシステム化」をお勧め致します。
<写真と記事本文は直接関係ありません>
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