(3)法人タクシーの健康起因事故
4月14日(火)午前2時52分頃、北海道札幌市西区発寒8条12丁目の市道において、空車のタクシーが北東方向へ進行中、運転者が大動脈瘤破裂により意識を喪失したまま走行し、対向車線を超えて電柱に衝突した。
この事故により運転者が死亡した。
メールマガジン「事業用自動車安全通信」第858号(R8.4.17)より
「意識を喪失したまま走行し、対向車線を越えて電柱に衝突した」。
・・・深夜3時。空車。なぜこの状況がわかったのか?
ドラレコだろうか。そうだとすると、やはりドラレコは意味がある。
そして素朴な疑問、こんなに短時間で「死因が大動脈瘤破裂であること」がわかるんだ・・・。
大動脈瘤
厚生労働省の2024年人口動態統計によると、「大動脈瘤及び解離」による死亡数は全国で2万427人に上る。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei24/dl/15_gaikyouR06.pdf
2015年の1万6,887人から約21%増で、1日当たりに直すと約56人がこの疾患で亡くなっている計算になる。
大動脈瘤関連の死因の詳細データによれば、

このうち「破裂性」の大動脈瘤だけでも6,127人に達し、1日平均では約17人だ。内訳を見ると、腹部大動脈瘤の破裂が2,843人、胸部大動脈瘤の破裂が2,459人で、決してまれな出来事とは言えない。
年齢別 ランキングはこうだ。
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003412010
から作成。
心臓疾患・大血管疾患 対策ガイドライン
P5、によれば、4%が大動脈瘤乖離だという。

大動脈瘤とは、こういうことのようだ。

予兆はあったのか? なかったのか?
当然、定期健康診断は年2回以上受けていただろう。
本人に自覚症状はあっただろうか? (わからない)
運行管理者(点呼執行者)は、予兆に気づくことができただろうか?(できないかもしれない・出来たかもしれない)
会社は日々血圧測定など、顔色や挙動以外に、「体調」を視認できる設備はあっただろうか?(血圧測定は任意)
健康起因事故を本気で調査するならば、最低でも日々(運行ごとじゃなくても)、血圧や脈拍の数値を保持することを義務化すべきだと思う。(そうしないと、分析にならないと思う)
制度設計は、運行管理じゃナイ。
義務化は、「労働安全衛生法」によって、だ。
ストレスチェックの義務化より、よっぽど、「フィジカル」データを、安全衛生面で保持してゆくべきだと思う。
運行管理者じゃない。衛生管理者が。


