健康診断

 

労働安全衛生法

 

特定健康診査

 

健康診断結果は、誰のもの? 運行管理DXが避けて通れないもうひとつのDX。「健康管理DX」は現行法でどこまで実現可能か?

2024.8.18

 

 

読者のみなさん、10年前の健康診断をやったときの自分の体重を覚えていますか?

読者のみなさん、10年前の健康診断をやったときの自分の血圧を覚えていますか?

はい、では、「10年前の健康診断結果」を見てみましょう。

自宅に「紙」?で取っておいてますか? 

会社に聞きますか?

管理者の方へ質問です。

社員から、「私の健康診断結果、再発行してください」と言われたら、すぐ出せますか?

紙、のコピーを渡しますか? それとも、最近はDXが進んでいますから、「健康診断結果のデータ」のPDFでスキャンし、メールで送信?

いやいやいや・・・

保険者サイト

ほとんどの健康保険組合は、以下のようなウェブサイトがあると思われます。

被保険者であれば、加入している保険者サイトにログインし、いろいろなサービスを受けることができるようになっています。

 

いちおう、筆者が加入している健康保険組合では、以下のような手続きでIDを作成します。

 

筆者が加入している保険組合(東京電子機械工業健康保険組合)では、次ぎのようなサービスメニューがあります。

 

 

 

さて、ログインして わたしの健診データを見てみると・・・。

10年前の体重は・・・63キロ台・・でした。

ああ、そんなときがあったのか。

 

 

ほぼ生のデータでありますが、隠しても増えるものでもなく、見せても減るもんでもないので、加工せずそのままで・・・。

体重は、2014年→2016年2キロ以上ふえましたねえ・・。

血圧は、まあまあ安定していますね。

ここ数年は、すこーし 運動を意識するようになりまして。

黄背景は参考基準値を超えた項目として判定したものです*。
赤背景は受診勧奨値を超えた項目として判定したものです。経年の検査値を見比べて健康管理を意識しましょう*。

 

このサービスのおかげで、自分の健診結果と日々の生活習慣を関連づけて 気にするようになりました。

はい、そして、このサービスのおかげで、紙でもらう健康診断の結果はすぐ捨ててます。

 

マイナポータルは、2年遅れの健診結果DX。

健診機関→健康保険組合→事業主・被保険者 というようにデータは流れていきますが(上記)
一方で
健診機関→健康保険組合→年金基金→国(デジタル庁)マイナンバーカード(マイナポータル)
というデータのナガレもあります。

みなさん、マイナポータルにログインできますか? 健康保険証の紐付けは終わりましたか?

スマホから、自分の健診結果にアクセスすることもできます(健康保険組合、会社を通さず)。

 

 

自分の健診結果を、マイナンバーカードや保険証連携機能をつかって、スマホでも常時確認できます。

んん? まてよ、よく見ると・・。2022年が最新じゃないか。

健康保険組合サイトだと、2024年6月の結果があるのに。

 

なぜ、こうなるのだろう・・。

健康保険組合に、電話して直接聞いてみました。

デジタル庁? 厚生労働省? 誰の、何のせいなんだろう?

回答は・・。 データを受け渡しするのに、いろいろ途中に入るのだそうです。ふ~ん・・。

わかるようなわからないような回答だったのですが、私が仕組みを知らないだけなのかもしれません。

どこかで調べてわかったら みなさまにお知らせしますね。

全日本トラック協会 厚生労働省の要請を受け 唐突な告知

去る、2023年4月のことです。

このような内容の告知がありました。

このなかに、

厚生労働省より、「定期健康診断等及び特定健康診査等の実施に関する協力依頼ついて」周知依頼が次のとおりありましたのでお知らせいたします。

 令和3年3月より、社会保険診療報酬支払基金及び国民健康保険中央会が共同で運営するオンライン資格確認等システムを利用し、マイナポータルを通じて本人が自らの特定健康診査情報等を閲覧することができる仕組みを稼働させることとしており、事業者から保険者に提供された定期健康診断等の結果は、保険者を通じてオンライン資格確認等システムに格納されることで、特定健康診査情報としてマイナポータルを用いた本人閲覧の用に供することができるようになります。

 これらを着実に進めていくためには、事業者から保険者に定期健康診断等の結果を迅速かつ確実に情報提供することが必須であり、事業者と保険者が一体となって取組を進めていく必要があります。このため、事業者が取り組むべき事項について、別紙のとおり整理しました。その趣旨を御理解の上、保険者と緊密に連携して労働者の健康管理等にお取り組みください。

マイナポータルについて説明がありますね。

 

この2023年4月の厚生労働省の要請は、あらゆる企業・すべての労働者に対するもので、けっこう重要なことを言っていると思います。

1 コラボヘルスの推進が求められていることを基本的考え方に追記したこと。

2 健康保持増進措置の検討に当たり、
 ・ 健康診断の結果を保険者に提供する必要があること
 ・ 保険者と連携して事業場内外の複数の集団間のデータを比較し、健康保持増進に係る取組の決定等に活用することが望ましいこととしたこと。

3 保険者から40歳以上の労働者の安衛法に基づく健康診断の結果を求められた場合に、事業者が当該結果を保険者に提供することは、法律に基づく義務であるため、第三者提供に係る本人の同意が不要であることを明示したこと。

取り組んで組んでいただきたいこと
○ 保険者から健康診断の結果を求められた場合は提供してください。-法律に基づく義務の場合は、第三者提供に係る本人同意は不要です。-法律に基づかない場合は、労働者本人の同意を得る必要があります。

さて、労働者、社員の皆様におかれましては、国はこのようなお願いをしてきております。
ご理解いただいておりますでしょうか?

問診時に「服薬歴」と「喫煙歴」も確認してください。

とのこと。

検討会の行方

 

健診DXについては、ふたつの検討会をフォローする必要があります。

健診等情報利活用ワーキンググループ 民間利活用作業班
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou_520716_00009.html

労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36255.html

 

何かが進んでいます・・・。

国民皆保険、医療・健康保険制度は、大きなエコシステムなので、別途、ひとつひとつ 取り上げてゆきたいと思います。

 

THP、PHRと言っておきながら、今更コソコソ・バタバタと・・・・。

小学校の頃からの健康診断結果や、体力測定のデータって、国でとっておいてくれてるのでしょうか?

ヘルスケアデータって、昔からあるはず。紙で?

今回は、序章、ということで。