運転者台帳/乗務員台帳

どんなに高度な運行管理機器を搭載していても、どんなに先進的な安全技術を装備していも、ドライバーの一瞬の認知、一瞬の判断遅れ、最後は、数センチ単位の正しい操作がともなわないがゆえ、重大事故が結果的に発生しています。

運行管理者の業務のひとつに、「運転者台帳」の管理があります。


運行管理者は、ドライバーの適性をきちんと把握し、管理することが法令上、求められています。

始業点呼後、運行に入った途端、すべての安全は、ドライバーの目、手、身体、危険予知能力、運転技能に委ねられます。

GPSで「位置情報」は管理できても、刻一刻と変化するヒトの生体を把握するのは容易ではありません。

高度なテクノロジーにより、一瞬一瞬の挙動を把握できるからといって、ドライバー個々の普段の性格や「運転態度・姿勢」を問わなくて良いということにはならないでしょう。

バスドライバーがトラックドライバーへ転職したり、タクシードライバーがバスドライバーになったり、トラックドライバーがバスドライバーになる・・・、そんな転職が日常的な運輸業界、入社時、入社後、ドライバーの資質管理・適性管理は、いまでも重要な運行管理者の業務と言えます。

ドライバーひとりひとり、家族もいれば、生活もあり、個性があります。
そしてなにより、さまざまな資格を持ち、さまざまな運転経験を積み重ね、誇りと働きがいをもってドライバー職を続けているひとが多いはずです。

運行管理者こそが、運転者台帳を通じて、ドライバーをすべて熟知しているはず。運行管理者が変わっても、台帳によってドライバー情報が引き継がれなければなりません。行ってみれば、運行の主役であるドライバー情報継続性は、事業継続性そのものなのです。