国土交通省の『IT点呼実証実験』へ参加しているALC-PROⅡユーザの(株)大杉運輸様を取材しました。
2021.3.9
愛知県北名古屋市の㈱大杉運輸様は冷凍食品、チルド、アイスクリーム、冷菓、菓子、生鮮食品、荷役輸送を行い、その中でも主にアイスクリームを生産工場より全国の営業冷蔵庫へ輸送しています。昭和42年の創業から既に半世紀以上、エリアの物流を支えています。今回、国土交通省の「トラック事業者におけるITCを活用した非接触型の事業運用(IT点呼)実証」への実験参加者に選定され、実際に同実証実験へ参加されました。そんな大杉運輸様へ今回、現在使用中のパソコン連動の業務用アルコール測定器ALC-PROⅡの導入経緯~今回の実証実験参加、IT点呼構想についてのお話を取材させて頂きました。
ALC-PROⅡを導入されるまで
アルコール測定器を運用していく上できちんとした精度と機能(記録式・不正防止)が求められます。元々、アルコール測定器自体はそれがちょうど義務化になる少し前に組合から支給されたものを使用していました。据置タイプのものでしたが、支給後そのまま年数が経ってきて、本当にアルコールだけでセンサーが機能しているのか疑わしい部分もあり、色々調べた中で精度の高い東海電子のアルコール測定器をちょっと試してみようということになり、それが導入のきっかけです。精度の高いALC-PROⅡの導入に対しては、特に運転手から反発のようなものはありませんでした。ただ導入当初こそ、「俺は大丈夫だよ、(お酒を)飲めないから」という人もいて、アルコール測定を確実に実施させるのに色々苦労しました。でも、その「お酒を飲んでいない」を証明するための測定器でもあるわけじゃないですか。その後ALC-PROⅡでのアルコール測定、さらにIC免許証リーダーと連動した運転免許証の確認までが定着し、現在は自然と、それらが当たり前の日常になっていますね。
今回、実証実験に参加したきっかけは
大杉運輸様は元々IT点呼の構想があり、今回のIT点呼実証実験に参加されました。これまで、長野・神奈川営業所の夜間時間帯点呼の執行に、苦慮していました。どちらもIT点呼で集約し、本社が執行できればと考えていましたが、Gマークの取れていない営業所もあり、なかなか実施に踏み出せず…。しかし今回の実証実験では、選定事業者は実験に参加すると事務局よりシステムの必要導入経費の一部が支給される仕組みがあり、既にALC-PROⅡを導入されており、問合せ時にメーカーの東海電子の営業対応が迅速であったとの理由から、引き続き東海電子のIT点呼システムにて実証実験への参加を決意されました。
今回の実証実験で、暫定的ではありますが本社車庫、遠隔地、神奈川営業所からそれぞれモニタ越しで本社の運行管理者が点呼執行をする体制を整えました。これにより、あとは運輸支局等へIT点呼実施の報告を行えば、神奈川営業所は夜間に点呼執行のためだけの運行管理者等の勤務をさせる必要がなくなります。
モニター越しの点呼、実際の使い心地はどうですか?
運転手は、比較的やっぱり照れますねよね(笑)。遠隔のモニター越しに映るのが何故か照れる、というのが最初ありましたけど、最近はすこし慣れてきたかなぁ、という感じです。特に難しい操作はないため、モニター越しに、点呼で確認が必要な事項を運転手に伝えて、運転手にそれに答えてもらう、という繰り返しで新しい形式に慣れてもらっています。
実証実験の終了後は、Gマークの取得も踏まえて、長野営業所へも同システム導入も検討されています。本社、神奈川、長野間でのIT点呼の正式スタートにより、夜間時間帯の確実かつ効率的な点呼執行ができる環境を目指しているとのことです。