この件です。
先般、3月13日~3月17日の日程で、無事に終わりました。あらためてこの場で報告したいと思います。
1日目 国土交通省 自動車局 安全政策課様と意見交換
ベトナム側は、
・国家交通安全委員会
・運輸省
・国家警察科学院
それぞれ1名づつ来日されました。
先ず初日、日本側は、国土交通省 自動車局 安全政策課の専門官の方に、プラン2025における飲酒運転防止活動の成果や、ICT運行管理等の状況を説明しました。
健康起因事故や、ドライバーの健康管理の話で盛り上がりました。
ベトナムのドライバーも年2回 やっているようです。
どの国でも、労働者の健康、衛生管理の法制度は当然あるのだなと思いました。
ちなみに、健康診断時に薬物検査も毎回やるようです。
2日目 アルコール検知器協議会様と意見交換
国内唯一のアルコール検知器の業界団体でありまして、当社も設立当時から参加している団体です。
アルコール検知器協議会の業務委員会、技術委員会のみなさまから、業界からみた日本の飲酒運転の状況、撲滅のためのさまざまな活動、技術規格の策定動向をご説明いただきました。
どの機器がいちばんいいのか? ですとか、なぜ民間が規格をつくっているのか? 行政の仕事ではないのか? 等質問が相次ぎ、大いに盛り上がりました。
パシャリ。集合写真。
2日目 東京からバスで移動し 一路静岡県富士市へ。
2日目は、アルコール検知器の工場で(当社です)、製品の説明、検知器の品質保証体制、メンテナンスの重要性を説明しました。
みなさん アルコール検知器自体をほぼ見たことがないとのことでしたので、いろいろなカテゴリーの製品を説明しました。
特に、アルコール検知器の規格、記録の残し方、不正防止の事例などを入念に説明しました。
なぜエビデンシャルなアルコール検知器が、社会にとって、行政にとって、企業にとって重要なのか、ご理解いただけたかと思います。
ごそごそ。
アルコールインターロックも見たことがないとのことでしたので、実車内でみていただきました。
続いて、工場へ。全体の工程や設備等を説明。
とくに入念にご説明したのは、品質保証体制。
精度管理の手法を具体的に見ていただくことで、なぜメンテナンスや規格が重要なのか、ご理解いただけたかと思います。
2日目 午後 トラック企業の大崎様(山梨県富士吉田の営業所)を訪問、飲酒検査やIT点呼の視察
今回、なるべく、全輸送モードの「TENKO 点呼」をみていただくことを目的としていました。まずは、トラック会社様です。
会議室で、企業概要や運行管理体制を説明いただいたのち・・・
いざ、点呼場へ!
IT点呼の呼び出しが。
実際出発するドライバーさんや、業務を終えて帰庫点呼をするドライバー様が次々と。
大崎様にご協力により、臨場感たっぷりでありまして、運行管理の現場感、ICTをつかった点呼の仕組み等、大いにご理解いただけたかと。
ちなみに、意外に盛り上がったのは、「運行管理者 資格証」と、運行管理者の講習受講手帳でしたね。パシャパシャ写真とってましたね。
これ的なヤツです。
どうやらベトナムには「運行管理者 資格制度」はないようです。「点呼する資格」という概念は、かなり政策的にインパクトがあったかもしれません。
パシャリ。集合写真。
3日目 午前 東京都交通局様から、都営地下鉄と都バスの点呼方法を説明いただく。
都庁26階、自動車部様と電車部様を訪問し、電車の点呼、バスの点呼について、ご教示いただきました。
ベトナムの都市交通はまだ市営の乗合バスが多く、また、今後地下鉄も増えることから、市交通局の安全管理体制に大変興味を持たれておりました。
3日目 午後 羽田空港にて(株)AIRDO様との意見交換と飲酒検査視察
お客様である国内の航空会社に御願いして、航空業界の飲酒規制についてレクチャーいただきました。
ご好意で客室乗務員やパイロットの方々の点呼を見学させていただけました。
次から次へとアルコールチェック。客室乗務員も義務ですからね。
各地からの飲酒結果のデータもクラウドで集約しておられます。
航空業界は、「検知」自体がインシデントで行政へ報告義務があるため、ものすごい緊張感です。
バス、タクシー、トラック、電車では、検知されても、運行しなければ運輸局への報告義務はありません。
4日目 一路、宇都宮へ。関東自動車様を訪問。対面点呼や運行管理の見学。
乗合バス事業者の関東自動車様を訪問させていただきました。
こちらでも、運行管理体制、点呼の方法、車両の管理等、現場をみせていただきながら、活発な質疑となりました。
点呼現場を視察。
バスの種類や耐用年数についても質疑。
以上、かけあしで4日間でしたが、船舶以外の全輸送モードの安全システム(点呼や運行管理や教育体制)についての研修を終えました。
昨年からベトナムの運輸・交通関係の方と話をする中で、ベトナムには「点呼」(Tenko)という規則や言葉が、あるような・・ないような・・・という印象です。あっても、出勤時だけとか。会社によってやり方が違うとか。
どちらかというと、時代に合わせて安全に関する制度設計を進化させようとしている最中であり、「ICT」等テクノロジーがすでに入ってきているようです。その一方で、「ひと」がやる安全教育を強化したい、との思いが強くあるような意見が多かったのが印象でした。
今回、運輸4業種(バス、トラック、航空、電車)の点呼と運行管理をしっかりと見て頂きました。かなりインパクトがあったようで、安全政策関連法規のベトナム語訳が欲しいと所望されてました。
日本の「Tenko」は、ベトナム語で何というのか知りませんが、今後ベトナムの道路運送法や航空法に組み込まれていくのでしょうか?
国土交通省安全政策課様、J-BACのみなさま、東京都交通局自動車部・電車部のみなさま、(株)AIRDO様 運航管理や客室乗務員のみなさま、大崎様と営業所長と営業所のみなさま、関東自動車様の運輸安全部のみなさま、ベトナム行政官の研修にご協力いただきまして、誠にありがとうございました。
あらためまして御礼申し上げます。
こちらの報道資料も合わせて参照ください。
https://www.tokai-denshi.co.jp/app/usr/topics/file/860_20230424092039_topic_file.pdf
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